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筋肉の芸術・嶋田慶太のトレーニング理念&テクニック徹底解説「至高の肉体芸術を求めて」 前編

2019年の日本選手権で初めて決勝に進出し、トップ選手の仲間入りを果たした嶋田慶太選手。昨年2020年はゴールドジムジャパンカップでの加藤直之選手との対決も話題になった。そのバランスの取れた芸術的な肉体はどのようにして作られたのか。「イケメンビルダー」としても注目を集めている嶋田選手を大解剖 !

取材・文:藤本かずまさ 撮影:AP, inc.

【写真】嶋田慶太の芸術的な肉体美

――今回は嶋田慶太選手のバランスの取れた美しい身体の作り方について細かく伺います。嶋田選手といえば、胸のストリエーションが特徴的です。
嶋田 僕は2014年にデビューしたのですが、初めて減量したときから(ストリエーションは)出ていました。17歳でジムに通うようになる前から自宅で腕立て伏せはやっていて、そのころから大胸筋は使えていたのかもしれません。

――「胸」はベンチプレスが第1種目なのですね。
嶋田 はい、第2種目のインクラインプレスはハンマーストレングスのマシンでやるときもあれば、フリーウエイトでやるときもあります。次のペックフライではストレッチをかけ、ここで一度胸を伸ばしてあげます。チェストプレスはサイベックスのマシンで、内側に絞る軌道なのですが、ここではしっかりと収縮させることを意識します。最後のケーブルクロスは大胸筋の輪郭を作るイメージで、仕上げ種目として行っています。

――MMJオンラインで配信中の映像(Keita Shimada's Esthetic)を拝見したのですが、ベンチプレスで驚くほど高重量を扱う、というわけではありませんでした。
嶋田 ベンチプレスの場合、撮影時は110㎏、現在は120㎏でセットを組んでいます。トレーニングにはいろんな理論があり、みなさんそれぞれの目的に合わせた方法を取り入れていると思います。僕のトレーニングの目的は「筋肉を発達させる」ことにあります。筋肉に刺激が入らない種目は行わないですし、筋肉から刺激が逃げてしまう重量も扱いません。よく「(対象筋には)8割の重量が乗っていたらいい」という話を聞きますが、その「8割」の状態が何年も続くと、残りの2割はその間、ロスし続けているわけです。10割が乗る重さとなれば、僕の場合は120㎏くらいがマックスです。

――両足の踏ん張りは、どのようにされているのですか。
嶋田 ベンチ台を脚で挟むような感じで内側に力を入れています。ブリッジも高くは組んでおらず、背筋もあまり使っていません。ですが、肩甲骨はしっかりと寄せ、プレスしたときには「肩が浮かない」「肘をロックしない」ようにしています。

――ノンロックで行っているのですね。
嶋田 これはスクワットもそうなのですが、スタートポジションの時点で緩めている関節があるんです。ベンチの場合、ラックアウトしたら肘を少し緩めます。そうすることでスタートポジションから大胸筋に負荷がしっかりと乗ってきます。そのままゆっくりと大胸筋のストレッチを感じながらバーを下ろしていき、ボトムからは大胸筋の収縮を感じながら挙げていきます。挙げたときに肘をロックしてしまうと、ロックした状態から肘を緩めたときの切り返しの局面で、大胸筋に負荷が乗らなくなってしまいます。

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