失敗しないバルクアップ法「筋トレ初心者必見!筋発達を促す食事とトレーニングと休養」

皆さんはどんな目的を持ってウエイトトレーニングを行っているだろうか。おそらくほとんどの人は肉体改造が目的だろう。筋量を増やし、引き締めるところは引き締めて、憧れのフィジークをつくりたいはずだ。肉体改造が目的であるなら、やるべきことは3つしかない。ひとつは適切な栄養を摂ること。2つめは適切なトレーニングを行うこと。そして3つめは適切な睡眠を得ることだ。この3つが全て「適切」であれば理想とする体をつくることが可能なのである。

文:Sarah Chadwell, NASM-CPT 翻訳:ゴンズプロダクション

適切に選択し、適量を食べる

バルクアップルール

「栄養が不足すれば、体の発達もそれなりにしか得られない」これはイギリス出身のIFBBプロボディビルダー、アーニー・テイラーの言葉である。これに異論を挟む余地はないはずだ。筋発達を本気で望むなら、栄養豊富な食事は不可欠なのだ。三大栄養素であるタンパク質、炭水化物、脂質の食材を適切に選択し、適量を食べる。これができなければ肉体改造という目標は到底達成はできない。

三大栄養素の役割

●タンパク質:タンパク質は体にアミノ酸を供給する。アミノ酸はトレーニングで傷ついた筋線維の修復に不可欠な栄養素である。どれだけしっかりトレーニングを行っても、アミノ酸が不足した食事では筋発達を最大限に得ることはできない。
●炭水化物:炭水化物は体内でブドウ糖にまで分解される。ブドウ糖は体にとって最も使いやすいエネルギー源だ。また、ブドウ糖は筋中に運ばれてグリコーゲンとして蓄えられる。グリコーゲンは筋発達に欠かすことができない物質である。
●脂質:脂質は少ない量でも高カロリーを供給してくれる栄養素だ。体脂肪の減量を促すために食事から一切の脂質を省いてしまう人がいるが、むしろ体脂肪を減らすために脂肪食は役立つ場合がある。

三大栄養素の比率

タンパク質、炭水化物、脂質は体づくりに欠かすことのできない三大栄養素である。これらの栄養素を過不足なく摂取することが重要なわけだが、難しいのは一日に摂取する食事の中で、それぞれの栄養素の割合をどうするかである。

私たちの体は人それぞれ特徴があり、体質も異なる。そのため、三大栄養素の理想的な比率についても人それぞれということになる。結局のところ、これについては自分で実験を繰り返し、食事全体に占める個々の栄養素の比率を自分で導き出すしかないのである。

筋発達に必要なカロリー量

ジムでのトレーニングはハードなのに、体のサイズは以前とほとんど変わっていないという人はいないだろうか。そんな人たちには今までの食事を改善してできるだけしっかりカロリー摂取をするよう心がけてもらうと、みるみる筋量が増え始めたりする。高強度のトレーニングを定期的に行っているのに筋発達が見られない人の場合、摂取カロリー不足が原因だったりするのだ。

「食べればいいのだからこんな楽なことはない」と思うかもしれないが、実際に試してみると、これには案外苦痛が伴う。人によっては減量するよりも辛いと感じるかもしれない。なぜなら、消化能力が高くない人は、たくさん食べたり、高頻度で食べることは苦しいと感じてしまうからだ。

強制的に食べたり、空腹でもないのに食べたりすることは、場合によっては拷問に感じられるかもしれない。しかし、筋発達のためにはカロリーが必要である。食べなければ発達のための材料が筋肉に供給されず、材料がなければ発達反応は起きないのだ。

では、具体的にどれだけのカロリーを摂取すればいいのだろうか。まずは現在の食事でどれだけのカロリーを毎日摂取しているのかを計算してみよう。そこから250キロカロリーほど多い食事から開始する。それで様子を見て2~3週間のうちに筋量が増えていかなければ、さらに摂取カロリー量を500キロカロリーほど増やしてみる。

ちなみに、多くのボディビルダーは以下のようなやり方でカロリー量を算出している。

●体重(キロ)×44=一日の摂取カロリー量

発達を促す食事の摂り方

必要なカロリーさえ満たされればそれでいいというわけではない。どんな食材を使うかも非常に重要なのだ。必要なカロリーを満たすだけでいいなら、ドーナッツやピザをセレクトして食べてもいいことになる。しかし、筋発達を目指しているならそのような食事ではダメだ。筋肉に栄養を満たすにはタンパク質、炭水化物、そして脂質を分類し、健康的な食材を選択して摂取する必要があるのだ。具体的にどうすればいいのか、段階ごとに説明していくので参考にしてほしい。

ステップ1:一日の摂取カロリーを計算し、それを三大栄養素に分ける

最近ではカロリー計算を自動でしてくれる便利なサイトも数多くある。ボディビル系のサイトにはそのような自動計算機能が付加されているので利用してみるといいだろう。

例えば某サイトには年齢、性別、現在の体重、身長、目的(体脂肪減量、筋量増加、現状維持)、活動レベル(中程度の運動+デスクワーク、高強度の運動+デスクワーク、中程度の運動+肉体労働、高強度の運動+肉体労働)などを入力する項目があり、必要項目を入力すると、自動的に目安とされる摂取カロリー量が算出される。

また、このサイトにはマクロ栄養素ごとの重量を自動計算する機能もあり、それにも必要事項を入力すると、炭水化物、タンパク質、脂質の理想摂取量が自動計算によってそれぞれ表記される仕組みになっている。非常に便利なので、このような機能を利用しない手はない。

こうして三大栄養素ごとの重量が得られたら、あとは食材を分類し、重さを量って調理すればいい。

ステップ2:食事の準備をする

きちんと三大栄養素の重量を測定して管理しようとする場合、最も手のかからない方法は、毎回同じ食事にすることだ。実際、多くのボディビルダーがカロリー計算と三大栄養素計算をし、一日の食事をまとめて調理し、それを一日の食事回数分に小分けにし、時間がきたら食べるようにしていることが多い。

毎回同じ食事では飽きてしまうと思うかもしれないが、本気で肉体改造したいならこれが最も現実的で誤差が少ないのだ。もちろん、同じ食事を何週間も続けるのは苦痛になるので、定期的に食材を変えて複数のメニューをサイクルにして食べるようにすることが勧められる。

このような食事を続けるうちに、だんだん「楽しむための食事」から「筋肉に燃料を入れるための食事」という考え方に変わってくるはずだ。そうなれば食事は決して苦痛ではなくなる。食事も筋発達を目指すためのトレーニングと同じように捉えることができるようになるので、時間がくれば毎回同じメニューの食事をすることが苦ではなくなるはずだ。

ステップ3:時間単位で食事をする

理想的なのは2.5~3時間おきに食事を取ることだ。時間がきたら食べればいいのだから、空腹になるまで待ったり、時間に余裕ができたときに食べるなどという不規則な食事ではなくなる。一日のスケジュールにきっちり組み込むことができるので、食べ損ねることもなくなるはずだ。これもまた慣れてくると、次の食事のタイミングが時計を見なくても分かるようになってくる。

同じものを食べたり、同じ時間に食べたりすることがパターン化すると、それは習慣になり、当たり前に思えるようになってくる。これが体のリズムを安定させ、代謝を安定させ、健康を維持するうえで有用になってくるので、筋発達のための食事についてはひとつのパターンをつくるのがおすすめだ。

2.5~3時間おきに食べる場合、その人の起床時間にもよるが、次のようなやり方が参考になるだろう。

●朝5時:朝食
●朝8時:軽食
●午前11時:軽食
●午後2時:昼食(または軽食)
●午後5時:夕食(または軽食)
●午後8時:夕食(または軽食)

このスケジュールだと一日6回の食事を3時間おきに取ることになる。そのタイミングで食べる食事をどう呼ぶかは自由だ。いずれにしても一日に食べるカロリー量がしっかり体に取り込まれ、三大栄養素が摂取できていればいいのだ。

なお、ワークアウトの時間によって、その前後の食事量は若干変わるはずだ。ワークアウト前の食事は軽めに、ワークアウト後は多めに食べるようにするといい。ただし、一日に摂取する総カロリー量は最初に決めたとおりなので、食事ごとに無計画に増減させたりしないようにしよう。

また、毎回の食事では、摂取するカロリー量だけでなく、三大栄養素についても一定のバランスを維持することが大切だ。つまり、どのタイミングの食事でも三大栄養素がきちんと摂取できるようにするのが望ましい。なぜなら、そのやり方が管理しやすいからだ。

ただし、理想を言うならワークアウト前後の食事では炭水化物を多めにするのがいい。その代わり、他のタイミングの食事で炭水化物を少なめにするなどの調整をする。いずれにしても、どのタイミングの食事でも必ず三大栄養素が含まれるように調整しよう。

サプリメントを利用する

サプリメントを利用することに抵抗を感じる人もいるようだが、筋発達を目指す人にとっては大いに味方になってくれるものだ。サプリメントを利用してみようと思うなら、以下のものをセレクトしてみてはいかがだろうか。

●ホエイプロテイン:ウエイトトレーニングを行うアスリートにとって、ホエイプロテインはとても有用だ。ホエイは体内で素早く吸収され、血中のアミノ酸濃度を短時間で上昇させる性質がある。そのため、傷ついた筋線維を修復する目的で利用しやすいので、ワークアウト後の摂取に最適だ。
●カゼインプロテイン:カゼインプロテインもホエイと同じように牛乳に含まれるタンパク質である。吸収速度は緩やかなので、寝る前にプロテインシェイクを摂取する人にとっては、カゼインプロテインは大いに役立つはずだ。眠っている間は食事ができないが、ゆっくりアミノ酸を血液中に放出するカゼインなら、長時間にわたり食事ができない状況下でも血中アミノ酸濃度を極端に低下させずに済む。また、寝ている間は疲労回復のためのメカニズムが働くが、徐々にアミノ酸が血中に溶け込むカゼインを摂取しておけば、筋肉が分解されてアミノ酸が放出されてしまうのを抑制することができると考えられる。
●クレアチン:クレアチンは私たちの体内でもつくり出されている物質だ。ただし、その量は決して多くはない。クレアチンは性別を問わず、筋発達を目指すトレーニーにとても人気のあるサプリメントだ。エネルギーレベルを高め、ワークアウトの効率を上げるのに役立つからだ。基本的にはワークアウト前に2~5g、ワークアウト後にも2~5gを摂取するといいだろう。
●BCAA:BCAAは3つの必須アミノ酸で構成されていて、筋肉へのタンパク同化を促し、逆に異化分解を抑制してくれる性質がある。そのため、ワークアウト前、ワークアウト中、ワークアウト後に摂取するというアスリートもいるくらいだ。BCAAを水に溶かしたボトルを持ち歩きながらワークアウトしている人たちがジムには大勢いるはずだ。
●グルタミン:グルタミンもアミノ酸のひとつで、タンパク質の筋中同化を促すことが知られている。グルタミンは体内に豊富に存在するアミノ酸だが、高強度のトレーニングを行うと、そのレベルは一気に低下してしまう。ワークアウト後はグルタミンレベルをできるだけ高めておくほうが筋発達反応が促されるので、そんなときこそサプリメントでグルタミンを補うようにしたいところだ。疲労回復を促進し、成長ホルモンの分泌を促す働きがあるとされているので、筋発達に結びつく要素をしっかり高めていくことができる。

多関節種目を選択する

バルクアップのためには、基礎をつくる種目を行うことが大切だ。つまり、多関節種目をメインにしたワークアウトが理想であり、一つの種目で複数の筋肉が同時に刺激を受けるようにすると効率がいいのだ。

推奨種目

●スクワット
●デッドリフト
●ベンチプレス
●ロウイング
●ディップス
●オーバーヘッドプレス
●プルアップ
●ラットプルダウン

これらの種目は全て多関節種目であり、複数の筋肉がひとつの動作で刺激を受けるという共通点を持っている。また、可動域が広く、比較的高重量を用いることができる点も共通している。しかし、これらの種目がバルクアップに効果を発揮する一番の理由は、単関節種目(アイソレーション系種目)を行ったときと比較すると、明らかに成長ホルモンやテストステロンといったアナボリックホルモンの体内分泌をより活性化させることができるからだ。

筋量を増やし体を研磨していくためには、アナボリックホルモンの分泌を活発にすることが有用であり、そのためにも積極的に多関節種目を選択していくべきだ。

ネガティブ(下ろす動作)に重点を置く

思考はポジティブなほうがいいが、ウエイトトレーニングについて言うならネガティブ(下ろす動作)に重点を置くのがいい。なぜなら、ネガティブ動作は筋肉が長さを伸ばしながら強い緊張状態をつくり、それがより強い刺激を対象筋にもたらす。ましてやこのネガティブ動作をゆっくりしたスピードで行うと対象筋が受ける刺激はさらに大きくなる。

筋肉が長さを伸展しながら緊張状態をつくると、そのときに出力される力はウエイトを上げる動作(ポジティブ)より大きい。しかし、体にかかっている負荷は上げるときも下ろすときも変わっていないので、ネガティブ動作のときは動作に関与する筋線維の数は少なくなる。だとしたら筋発達にはマイナスではないかと思うかもしれないが、少ない筋線維でも運動に関与する筋線維がより強い刺激を受け、大きなダメージが筋線維にもたらされるのだ。

筋肉発達にはダメージが必要だ。刺激によってダメージを食らった筋線維は傷つくが、その傷の修復が行われる過程こそが筋発達である。なぜなら、傷の修復によってより強く、より太く筋線維は生まれ変わることになるからだ。

これまで実施されてきた多くの実験から、多関節種目とネガティブ動作の組み合わせは、筋発達にとても効果的であることが示されている。これは筋線維が受けるダメージが強いからだと考えられる。バルクアップのために多関節種目を積極的に行うなら、ぜひウエイトを下ろす動作、すなわちネガティブ動作をゆっくりしたスピードで行うようにしてみよう。

トレーニング量を増やす

バルクアップを目指すなら、トレーニング量を増やす必要がある。トレーニング量を増やす際は計画的に行う必要があり、そのためには数字で管理するのが分かりやすい。以下の公式はトレーニング量を数字で示す際に用いることができるものだ。

トレーニング量の計算方法

●重量×レップ数×セット数=トレーニング量

この公式を見ると分かるとおり、トレーニング量を増やすには、重量を増やす、またはレップ数を増やす、またはセット数を増やすことで可能になる。仮に重量を増やしても、セット数やレップ数が減少してしまってはトレーニング量を増加させることは難しい。同じ使用重量とセット数でも、前回のワークアウトより1レップでも多くこなせればトレーニング量は増加したことになる。

このように、まずはレップ数を増やしながら筋持久力や筋力を向上させ、それからセット数を増やしたり、使用重量を増やしてトレーニング量を総合的に増加させていこう。

トレーニング量を確実に増やしていくためには、ワークアウトのたびに行った種目のセット数、レップ数、使用重量を全て記録しておくこと。記録があれば、次回のワークアウトで何をどれだけやるべきかについて正確に計画を立てることができる。トレーニング日誌はそのための記録帳でもあるのだ。

質の高い睡眠を取る

私たちの体は眠っている間に疲労回復や修復が行われている。眠っていても、身体機能は活発に働いているのだ。また、体内で分泌される成長ホルモンは、一日の中で睡眠時が最も高まるとされている。だからなおさら十分な睡眠が必要なのである。もちろん睡眠の質も大事だ。浅い眠りではなく、できるだけ深い眠りを得ることが必要なのだ。夜更かししたり徹夜の日が続くと、筋発達を遅らせてしまうことになりかねない。

『インターナショナル・スポーツサイエンス・アソシエーション』は睡眠について次のように述べている。

「ヒト成長ホルモンは、筋肉の疲労回復と発達をもたらす重要な物質である。成長ホルモンには他にもさまざまな役割があるが、私たちの体は摂取したタンパク質からのアミノ酸を最大限に利用するために成長ホルモンの働きが必要なのだ。そんな成長ホルモンの分泌が最も増加し血中に放出されるのは、私たちが眠っているときだ。だからこそ眠りは筋発達に不可欠であり、睡眠量が少ないと筋肉は発達しないどころか減少してしまうのである」

どうしても毎日8~10時間の睡眠が取れないという人は、一日のスケジュールを見直して、せめて今より30分でも早くベッドに入るように心がけよう。8~10時間の睡眠は長すぎると思うかもしれないが、毎日ストレスに晒され、酷使されている体のことを考えたら長過ぎるとは言えないはずだ。

最後に

ジムに行ってトレーニングをする目的は筋肉にダメージを与えるためだ。しかし、ダメージが与えられているその瞬間に筋肉発達しているわけではない。では、筋肉はいつ発達反応を示すのか?それは、ダメージを受けたあとに適切な食事をし、十分な睡眠を取っているときだ。このタイミングで筋発達反応が起きることが分かっていれば、ジムでどれだけハードなトレーニングを行っても、それだけでは不十分だということが理解できるはずだ。

筋発達を求めるならトレーニング、栄養、睡眠の3つは必須条件なのだ。どれかひとつでも疎かになればバルクアップは得られないということをしっかり理解しておこう。

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Sarah Chadwell
プロのライター、フィットネスライフ提唱者、パーソナルトレーナー、グループワークアウト・インストラクター、ナチュラルトレーニー、ボディビルダー、ビキニアスリート、フィギュアアスリート。

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