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鈴木雅選手が分かりやすく指導!三角筋を目立たせる前側の鍛え方

 

肩と腹筋はメンズフィジークの選手たちの間でも重視されている部位。「腕を真上に上げる」「脊柱を丸める」など、どちらのトレーニングも動作そのものはシンプルであるが「収縮ポジションで負荷が抜けてしまう」「腹筋よりも先に腰にきてしまう」という人も少なくないだろう。狙った部位にしっかりと効かせる術を鈴木雅が紐解く!

取材・文:藤本かずまさ 撮影:北岡一浩

三角筋前部は肩関節の屈曲(前方向に腕を上げるバンザイの動作)や水平屈曲(水平内転= 「T」の姿勢から前方に腕を伸ばす動作)に関与している。つまり上方向へのプレス動作がそれに当たる。ここではノーチラスEVOのショルダープレスマシンで注意点などを解説する。

ショルダープレス

座り方が非常に重要。ノーチラスやハンマーストレングスなどシートの幅が広いものは膝を閉じた状態で座り、無理に床に足をつけない。動作中、肩甲骨は寄せず、身体が開かないように行う。

◆無理に床に足を付けない

無理に床に足をつけようとすると肋骨が開き、肩甲骨が寄って身体が開きやすくなり、収縮ポジションでの負荷が逃げてしまう。膝を閉じ骨盤を立て肋骨を締めた状態で行うこと。肋骨の開きとトレーニングの関係性についてはIRONMAN2019年7月「トレーニングアップデート術呼吸と胸郭」にて詳しく解説。

◆骨盤は立てる

骨盤はニュートラルなポジションで保って立てること。そうすることで収縮ポジションまでしっかり挙げ切ることができる。NG例のように骨盤が後傾した状態だと首に負担がかかる。

◆幅が狭いシートの場合

CYBEXやPRIME(STRIVE)などシートの幅が狭いマシンの場合は、足を床につけて行ってもよい。ただし、踏ん張ろうとして膝を広げすぎないこと。

◆下げる位置について

下げる位置は耳の高さのあたりまで。肩関節が外に開いたポジション(外転)でプレス動作を行った際、耳より下の位置まで下げると肩甲骨が寄り(下方回旋)、肩が下がって僧帽筋に負荷がかかる。

◆パラレルグリップについて

マシンによっては手のひらが向き合うパラレルグリップでハンドルを握れるものもある。この状態では肩関節が内転・外旋し、三角筋をストレッチしやすくなる。そのため、肩をしっかりと下げられる位置まで下げてOK。ボトムでは少し肘を閉じて、グリップを楽に持つ。

スミスマシンは角度に注意!

◆斜め上の方向に押せる角度

スミスマシンでショルダープレスを行う場合は、斜め上の方向に押せる、角度のついたスーパースミスマシンを用いる。これが三角筋前部にとっては自然な角度となり、真上の方向では肩甲骨が動き僧帽筋に負荷がかかる。

◆三角筋前部に効かせる角度

シートが垂直の場合

ダンベルやバーベルなどを持たない状態で三角筋前部を収縮させると、鉛直方向ではなく少し斜め上の方向に腕が上がる。シートが垂直だと、重量の方向と腕が上がる方向が合致しない。

これを少し倒すと…

シートを少し倒すことで重力の方向と腕が上がる方向が合致し、三角筋前部に負荷を乗せることができる。

次回は➤三角筋側部・後部のポイント


鈴木 雅(すずき・まさし)
1980年12月4日生まれ。福島県出身。身長167cm、体重80kg ~83kg。株式会社THINKフィットネス勤務。ゴールドジム事業部、トレーニング研究所所長。2004年にボディビルコンテストに初出場。翌2005年、デビュー2年目にして東京選手権大会で優勝。2010年からJBBF日本選手権で優勝を重ね、2018年に9連覇を達成。2016年にはアーノルドクラシック・アマチュア選手権80㎏級、世界選手権80㎏級と2つの世界大会でも優勝を果たした。DMM オンラインサロン“ 鈴木雅塾”は好評を博している。


執筆者:藤本かずまさ
IRONMAN等を中心にトレーニング系メディア、書籍で執筆・編集活動を展開中。好きな言葉は「血中アミノ酸濃度」「同化作用」。株式会社プッシュアップ代表。

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