マイクタイソンに憧れたボディビルダーがいつしか日本の筋肉決戦の頂点を目指すように

日本では、ナチュラルな筋肉を魅せる日本ボディビル選手権、通称『ミスター日本』が存在する。過去には14回も優勝した伝説・小沼敏雄や、2016年世界ボディビル選手権優勝の鈴木雅、昨年は約半世紀ぶりの若さで日本王者となった相澤隼人らを生み出してきた、歴史ある大会だ。この舞台では、毎年出場しようと全国から強者が集まってくる。その中の一人で、今回紹介するのが宮城県出身で、トレーニング歴15年以上の日本トップクラスの実力を持つ岩谷徹だ。

取材・文:月刊ボディビルディング編集部 撮影:中島康介

「忙しいときは割り切って短時間でしかできないメニューに取り組んできました」

私は中学生のときに、瘦せていて身長も高くなかったことにコンプレックスを持ち始めました。それが理由で高校に入学してから、プロボクサーのマイク・タイソンのようになりたいとボクシングを始め、同時にウエイトトレーニングトレーニングを市営の体育館のトレーニングルームで始めたんです。当時はひたすらベンチプレスとペックフライ、ラットプルダウンに取り組んでいました。当時発売されていた筋トレ系雑誌の中で、「炭水化物とタンパク質を摂るだけで筋肉はデカくなる」というのを読んだ記憶があり、そんな食事もしていたら20歳のころまでに体重は13㎏ほど増えていました。
高校卒業後は、トレーニングの道に進みたいと思い、宮城県仙台市のスポーツ系の専門学校に進学しました。そしてそこで本格的なトレーニングを始めるきっかけに出会ったんです。当時、学校でボディビルをやっていた整骨院の先生と出会ったんですが、その方に「ボディビルをやらないか」と誘われました。その方と出会うまでは脚のトレーニングは一切してこなかったのですが、私自身ボディビルの大会に出たいと思い言う通りに脚のトレーニングや、細かい部位のトレーニングにも取り組むようになっていきました。
専門学校を卒業後、仙台市内の大手フィットネスクラブに就職して、いろいろと仕事に就いていきましたが約15年間勤めてきました。その後、現在は群馬県安中市内でパーソナルトレーナーとして活動しています。仕事も家庭も忙しい毎日をすごしていく中で、現在のトレーニングにはその時々の状況に合わせて臨機応変に取り組んでいます。
現在のトレーニングの分割などは週や月によって変わりますが、ルーティーンは①脚、②背中(+腕を行うことも)、③オフ、④胸・肩、⑤弱点部位といった流れです。弱点部位というのは脚の後面やその他細かい箇所になります。各部位へのこだわりは、とにかく重量を扱うことで、特にBIG3にこだわっています。私の感覚ですが、オフよりもオンの方がデッドリフトとスクワットは重要が伸びていくんです。関節周りの余計な脂肪がなくなって可動域などが良くなっているからかもしれません(笑)。
また、忙しいこともあり、トレーニング時間は30分しかないこともあれば、2時間ほどできるときもあります。なので、その中でも必ずBIG3種目だけは行うようにしています。もし、トレーニング時間が10分しかないとしたら、私はBIG3の1種目をドロップセットでひたすらやっていきます。重量を扱って少しでも刺激を入れることができれば成長できると感じています。実際、そういうトレーニングをやってきたのですが、家庭や仕事で忙しいときはしっかりと割り切って短時間なら短時間ででしかできないメニューに取り組んできました。
今から6年前の大会後の11月、ベンチプレスをやっていたときに左の大胸筋を断裂してしまいました。そこでケガに対してしっかりと向き合うようになりました。パーソナルトレーナーという仕事をする上で、コンディショニング面にもより目を向けられるようになったと思います。また、ボディビル競技を行う上で、私が目的としていることが“健康”になるということです。トレーニングに取り組む上で、そもそもコンディションが整っていないとトレーニングはできません。逆に、コンディションが良ければ多くのことが良い方向に動きますし、ケガを防げます。なのでお客様に指導を行うときも、しっかりとコンディショニングの重要性を伝えていきます。
現在目指している今年の大会は、ジャパンオープン選手権、日本クラス別選手権、日本クラシック選手権です。特に日本クラシック別選手権は昨年2位という順位をいただけたので、今年は優勝を目指しています。そして来年以降は日本選手権でも上位に入れるように、一層磨きをかけていければと思います。初戦に向けて1月から徐々に減量を始めて、3月から本格的になりました。ですが、食べることが好きなのでラーメンやスイーツを普通に食べしまうこともあって少し心配です(笑)。

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