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立浪部屋、明生力が語る「フィジカルトレーニングを相撲に生かす」

――トレーニングを実施するようになり、稽古や試合のパフォーマンスなどにどのような影響がありましたか。
明生 めちゃめちゃいい影響がありました。腕を怪我した当初は、何をするにしてもつらかったんです。ペットボトルを持つだけで痛みが走りました。また、自分の相撲は左四つ、つまり左腕を使います。怪我をしてその左が使えなくなったのですが、トレーニングを指導してもらうようになって筋力が戻り、以前のような相撲が取れるようになってきました。また、同じ相撲を取っていたら同じところを怪我をしてしまうと思い、他の部位の筋量· 筋力もつけていくようにしました。

――主にどういった種目を実践しているのですか。
明生 ベンチプレス、スクワット、デッドリフトがベースにあり、そこから細かな種目に枝分かれしていきます。その日その日で松原先生がメニューを変えてくれて、自重で行うトレーニングをやることもあれば、ジャンプスクワットなどジャンプ系の種目なども入ってくることもあります。今はできていないのですが、以前はタイヤを持ち上げるトレーニングも行っていました。

――瞬発系の種目もやられているのですね。
明生 自分一人でトレーニングをやっていた時期は、どこに効かせればいいのか、あまり分からずにやっていました。とにかく全身を使えばいいんだろうと。松原先生に教わりながら続けていくことで、トレーニングがすごく楽しくなってきました。 スクワットも、普段のトレーニングでは普通のスピードでやっていても、場所に入ってからは下で一旦止めてから爆発的に立ち上がったり。場所前は筋力を上げるためのトレーニングなんですが、場所の1週間前から場所中にかけてはそういったトレーニングに切り替えます。

――そうしたトレーニングは相撲という競技にどのように生きてきましたか。
明生 立ち会いが目に見えて速くなったり、上体が起きなくなったり、強い相手とぶつかっても当たり負けしなくなったり、四つを組んだときに力負けしなくなったり。全ての面ですごく生きています。

――相撲を取る上で、特に重要性を感じている部位はどこになりますか。
明生 一番大事だと感じているのは首です。首の筋力が弱いと、まず相手に当たることができません。また、(組んでいるときに)首をずらされると、崩されやすくなってしまうんです。自分の場合は頭から当たるので、最初の衝撃が首にきます。その衝撃に負けないようにする必要はあります。シュラッグなどはメニューに組み込んでいます。徒手抵抗の首のトレーニングも毎回入れています。 また、相撲では低い体勢を保つことが大事なんです。それには足首や股関節の柔軟性が必要です。先生に教えてもらうようになって股関節、足首も柔らかくなってきたと思います。

――相撲とトレーニングを両立させる上で意識していることはありますか。
明生 やはりメインは相撲です。前日のトレーニングが効きすぎて相撲が取れなくなるということではいけません。トレーニングをしても次の日にしっかりと相撲が取れるというのが大事だと思っています。

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