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【筋トレ1分コラム】デッドリフトは重心位置で効く筋肉が変わる

ボディビル世界チャンピオンの鈴木雅選手(撮影:北岡一浩)ゴールドジムアドバンストレーナーでボディビル世界チャンピオンの鈴木雅選手がトレーニングをひも解いていくIRONMAN誌の人気連載『トレーニングアップデート術』から、1分で読めるトレーニングワンポイント解説を紹介するこのコーナー。テーマは重心。今回はデッドリフトによる重心位置と効く筋肉の違いについて。

【写真解説】デッドリフトによる重心位置と効く筋肉の違い

体には「アナトミー・トレイン」と呼ばれる筋膜のラインがあり、そのラインに沿って筋肉は連動します。まずは「スーパーフィシャル・バックライン」。これはカカトからアキレス腱、ハムストリング、脊柱起立筋などにつながっているラインです。

次に「スーパーフィシャル・フロントライン」。これはつま先から前脛骨筋、大腿四頭筋、腹直筋などにつながるラインになります。さらにはくるぶしの下から長腓骨筋、大腿筋膜張筋、中殿筋など体の側面の筋肉につながる「ラテラルライン」。親指の下(母指球)から内転筋群、大腰筋など体の中央部の筋肉につながる「ディープフロントライン」などがあります。

重心の位置によって、これらの作用するラインは変わってきます。

カカトに重心をかけた場合はスーパーフィシャル・バックラインの筋肉、アキレス腱、ハムストリング、脊柱起立筋などが働きやすくなります。同様につま先に重心をかけると大腿四頭筋や腹直筋など、母指球に重心をかけると内転筋群、大腰筋などを使いやすくなります。

逆に言えば、カカトで踏めない人はハムストリング、つま先で踏めない人は大腿四頭筋、母指球で踏めない人は体幹などが使いづらい傾向にあります。つまりトレーニングの足の踏み方(重心のかけ方)によって使いやすい筋肉、使いづらい筋肉が出てきて、それは筋肉の発達の差となって表れてしまいます。それではデッドリフトを例に重心位置と効く筋肉の違いをみてみましょう。

デッドリフトによる重心位置と効く筋肉の違い

つま先に重心をかけた場合
ディープフロントラインに沿った筋肉に効かせやすい。内転筋群や体幹部など

くるぶしの下に重心をかけた場合
ラテラルラインに反った筋肉に効かせやすい。大腿筋膜張筋、中殿筋など

カカトに重心をかけた場合
スーパーフィシャル・バックラインに沿った筋肉に効かせやすい。ハムストリング、大円筋など

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鈴木 雅(すずき・まさし) 1980年12月4日生まれ。福島県出身。身長167cm、体重80kg ~83kg。株式会社THINKフィットネス勤務。ゴールドジム事業部、トレーニング研究所所長。2004年にボディビルコンテストに初出場。翌2005年、デビュー2年目にして東京選手権大会で優勝。2010年からJBBF日本選手権で優勝を重ね、2018年に9連覇を達成。2016年にはアーノルドクラシック・アマチュア選手権80㎏級、世界選手権80㎏級と2つの世界大会でも優勝を果たした。

取材:藤本かずまさ 構成:FITNESS LOVE編集部 撮影:北岡一浩

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