「トレーニングも吐故納新し続けること」全国大会初出場でいきなりトップ3に入った職人派イケメンフィジーカー
一昨年のゴールドジムジャパンカップ、メンズフィジーク168㎝以下級で日本一になると、翌年は初出場でオールジャパンメンズフィジーク168㎝以下級でいきなり3位に入り、新しい風を吹き込んだのが松原大貴である。トレーニングで鍛えぬいた密度感ある身体、美しいバランスが持ち味。表情もメンズフィジークらしい爽やかな出で立ちである。
【写真】綺麗に割れたシックスパック、デカい肩、爽やかイケメンマッチョな松原選手
松原選手が筋トレを開始したのは高校生のはじめのとき。いわゆる部活の補強としてトレーニングに出会う。
「初めてバーベルに触ったのは高校1年生のころです。当時所属していたアメリカンフットボール部のメニューにBIG3などがあり、トレーニングが生活の一部になるのにそこまで時間はかかりませんでした。ただ、そのころはボディメイクというような感覚はなく、あくまでアメリカンフットボールの練習の一環として行っていましたし、重量至上主義の環境だったので重量を持てるタイプではない自分にとって、トレーニングはどちらかといえば嫌いなものでした」
部活のためのトレーニングに取り組んできた松原選手。今ではすっかり日本メンズフィジークの顔になってきた松原選手も、最初はトレーニングは嫌いなものという感覚さえあった。
大学に進学し、そのままアメリカンフットボールを続けるも、あるとき大きなケガに遭遇してしまう。
「大学でも強豪校のアメリカンフットボール部に所属するのですが、2年生のときにヘルニアで選手を続けることが難しくなってしまい、マネージャーとなりました」
そしてここで、今の競技に繋がるトレーニングの転換期が訪れる。
「1日のほとんどを過ごすアメフト部のクラブハウスでの業務外の息抜きと、運動習慣継続のためにトレーニングを再開したところ、仮説と検証が楽しくて徐々にボディメイク文脈でトレーニングをするようになっていきました」
現在メンズフィジーク競技選手として、仕事をしながら競技に取り組んでいる。トレーニングでは毎日腹筋を行うことから、現在の完成度が高い腹筋が作られてきた。
トレーニングについては、変化を付けなど松原選手のこだわりは、ある意味“職人”気質とも言える部分がある。
「分割は飽きたり、仮説が生まれたりする度にころころ変わるので、あくまで今はこの分割という感じです。時期によってテーマを変えていて、拮抗筋をテーマにしたり、連動性をテーマにしたり、逆に『その日筋肉痛が一番少ない部位を鍛える』みたいに何も決めない期間も作ったりして、変化を楽しんでいます。もちろん、オーソドックスな分割もしています。ただ、分割を変えても各部位のボリュームは同じくらいになるように気をつけています。トレーニングは出社する前に行くので2時間以内に終わるように気をつけています」
一つのやり方ばかりに囚われずに、変化させながら、さらにトレーニングを楽しみながら日々取り組む。
「骨格や筋腹の長さ、関節の強さや刺激の種類に対する反応の良さは人それぞれだと思うので、あまり一般的なHow to論にこだわらずに自分の身体に合ったやり方を模索し続けています。ジムでボーっとしているときに直感的に新しいアプローチを思いつくことが多いので、たまに30分~1時間くらいジムで“遊び”の時間を設けることもあります。皮膚や細胞が代謝するのと同じように、トレーニングも生き物みたいに『吐故納新※』し続けることを意識しています」
※吐故納新:古いものを捨てて、新しいものを取り入れること
松原選手の次なる目標は、昨年銅メダルに輝いたオールジャパンの表彰台の頂に立つこと。そしていつの日か、そのバランスの取れた筋肉でボディビルのステージに上がること。20代の若きスターの成長はより加速していく。
取材:FITNESS LOVE編集部 撮影:中島康介
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