トレーニング

身体づくりに大切な「食材選び」について

肉体改造を目指して計画的にトレーニングを行い、食事を続けてきた人たちにすれば、「今さら賢い食事の極意?」などと思うかもしれないが、皆さんは本当に身体作りに役立つ食事について十分に理解を深めているだろうか。知っていることも多いだろうが、知らないこともある。今回は知らなかった事実を理解し、さらに効率を上げて目指す体を作り上げていこう。

文:Jenny Westerkamp, RD, CSSD
翻訳:ゴンズプロダクション

私たちが日々摂取している食事には、200 種類以上の食材から選択されたものが使われている。スーパーに行けばもっとたくさんの食材が売られているが、トレーニングを行う私たちは、およそ200 種類くらいの中から食材を選択していると言っていいだろう。自分が選択した食材に間違いはない!と思っている人も多いだろうが、まだまだ知らないことはたくさんあるはずだ。

ところで、体作りに役立つ食事のエキスパートになろうと思ったら、一番最初にすべきことは買い物の仕方である。最後に買い物に行ったときのことを思い出してみよう。店に入り、カートを押しながら、店の端から順に陳列されている食材を見ていく。そうしてその中で気に入ったものがあれば、それをカートに入れていく。大半の人の買い物のやり方はそんな感じだ。

実際のところ、買い物客の60〜70%の人たちは買うものを決めずに店に入っていることがアンケートで示されている。このアンケートは『リード・イット・ビフォー・ユー・イート・イット(食べる前に読みなさい)』という本の著者であり、管理栄養士をはじめとする栄養学の資格を数多く所有するボニー・トーブ・ディックスによって主導されたものだ。彼女は食材の買い物について次のように述べている。

「買い物に行くときは、あらかじめ何を買うのかをきちんとリストにしておくほうがいいですね。また、どんな食材を買うときも、必ず商品のラベルを読む習慣をつけておくこと。もちろん、そのためにはラベルを正しく理解するための知識も必要です。ちなみに、私の言うラベルというのは、具体的に成分名や含有量が記載されているラベルのことです。よくあるのが、商品の正面に印刷されている“オールナチュラル”とか“オーガニック”などの言葉だけで安心してしまうというケース。そのような表記は私たちがイメージしているナチュラルやオーガニックとは定義が違うこともあるので、正面の印刷ラベルだけで安心してしまわないことが大切です」

オーガニック以外の選択肢

自分が食べる食材の全てを地元で採れる有機栽培や有機畜産されたものでまかなうことができれば理想的だ。しかし、現実はそううまくはいかない。どうしてもそれ以外の方法で栽培されたり育てられたりした食材を買わざるを得ないことはたくさんあるのだ。どうしてもオーガニックを選択できないのであれば、少なくとも地元で採れる食材が売られている八百屋や肉屋で買い物をするといい。

欲しいものが全て揃う大型のスーパーマーケットのほうが便利なのは分かる。しかし、便利さよりも品質にこだわりたいのであれば、地元の品を販売する地元密着型の店舗で購入するのがベターだ。なぜか。最大の理由は食材の鮮度だ。遠方から入荷してきた食材は、輸送時間がかかることで鮮度が落ちてしまう。それに比べて、地元の食材は採れたてであることが多く、食材に含まれる栄養素の変性が起きにくいという長所がある。つまり、鮮度が高いということは栄養素が損なわれにくいということであり、食材としての価値も高いと言えるはずだ。

また、地産の食材は鮮度を保つための薬品などは不要であり、栽培の過程で過剰な薬剤が用いられずに育てられていることが多い。それでも薬剤が気になって仕方ないというのであれば、できるだけいろいろな種類の果物や野菜を食べるようにすることを勧める。なぜなら、いろいろな食材を食べている限り、特定の薬剤が体内に多く入るのを防ぐことができるからだ。薬剤は育てる食材によって異なっていることが多いため、豊富な種類の食材を食べるようにすれば、特定の薬剤ばかりが体に溜まっていくのを避けられるはずだ。

さらに、皮が固い、分厚い、滑らかであるという特徴を持つ野菜や果物は、たとえ栽培の過程で表面に薬剤が塗布されても中まで染みこみにくい。逆に、皮が薄く、柔らかく、ぷつぷつと気泡のような穴が開いている食材は十分な注意が必要であろう。前者の食材に比べれば、塗布された薬品が中に浸透する確率は高まるからだ。

オーガニックを選ぶべき食材

農薬が怖いというのであれば、ぜひ覚えておいてほしいのが「ダーティー・ダズン」の食材だ。アメリカでは農薬による汚染が高いと思われる食材をダーティー・ダズンと名付けたリストに分類し、消費者に注意を呼びかけている。このリストを作成しているのは「エンバイロメンタル・ワーキング・グループ(EWG)」と呼ばれるアメリカの環境活動グループであり、彼らは以下の12種類の食材について特に注意を喚起しているのだ。
●セロリ
●桃
●イチゴ
●リンゴ
●ブルーベリー
●ネクタリン(桃と似た果物で、皮の表面に桃にあるような産毛がない)
●パプリカやピーマン
●ほうれん草
●ケール
●サクランボ
●ジャガイモ
●輸入ブドウ
なお、ダーティー・ダズンの食材を選択するときは、地元で栽培されているものではなく、鮮度を犠牲にしたとしても厳密なオーガニック製品を選んだほうがいい。なぜなら、オーガニック認定を受けている農家の食材は、栽培や飼育の過程で農薬の使用が最小限に制限されているからだ。鮮度は落ちてしまうかもしれないが、前記の12食材に関しては鮮度よりオーガニックを優先したほうが賢明だろう。


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