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筋力アップ&パワーアップに役立つ5種目

筋力アップ、パワーアップを目指すには大きなモーターユニットを作動させ、ATP−CP系のエネルギー供給システムを使うような運動が必要である。具体的にどのようなものがそれに相当するのか。これから紹介する5つの種目はまさに筋力アップ、パワーアップを目的としているトレーニーのためのものだ。これらの種目では高重量が用いられ、しかも素早い動きでの動作が求められる。だからこそ、筋肉の大きなモーターユニットが働き、ATP−CP系のエネルギー供給システムが作動するのだ。

文:Raphael Konforti, MS, CPT
翻訳:ゴンズプロダクション

素早い動きが必要といってもフォームが崩れてしまうほどのスピードはむしろマイナスだ。しかし、疲労困憊する前に高重量で3〜5レップは行えるだけのスピードは必要だ。また、レップのスピードはセット内で常に一定に保たれなければならない。疲労によって4、5レップ目が遅くなったり、後半のセットが1セット目より遅いスピードでしか行えないというようなことは避けたい。つまり、もう1レップも行えないというレベルまで追い込むのではなく、「同じ速さでもう1レップも行えない」というレベルがゴールである。これはとても重要なポイントなのでしっかり頭に入れておいてほしい。スピードと重量を組み合わせて対象筋を限界まで追い込もう。

パワークリーン

パワークリーンは強くなりたいと願うトレーニーにとって、必須といっても過言ではない種目だ。この種目は全身の筋肉を刺激するため、自分が思っている以上の高重量に挑戦できる。パワークリーンと聞くと、オリンピックリフティングのアスリートだけが行う種目だと誤解している人もいるかもしれない。確かにこの種のパワー系種目を行う彼らより筋力が強いアスリートは滅多にいないのだが、どんな競技を行う人にとってもパワークリーンは有用であり、自分とは無関係だと敬遠せずにワークアウトに取り入れていこう。

あるいは、最近人気のクロスフィットの中でパワークリーンを行っているという人もいるだろうが、クロスフィットのパワークリーンと私が推奨するパワークリーンは同じものだろうか。答えはノーである。クロスフィットで行われるパワークリーンはハイレップで行われるケースが多く、そもそも目的が異なる。クロスフィッターのパワークリーンは体の代謝を高めたコンディションづくりが目的なのだ。今回、皆さんに行っていただきたいパワークリーンは筋力アップ、パワーアップのためのパワークリーンであるため高重量、低レップ、ハイスピードだ。

ダンベルスナッチ

ダンベルスナッチも全身を使った、とても効果の高い種目のひとつだ。バーベルでやるのが一般的だが、ダンベルだとバーベルほど高い柔軟性は求められない。そのため、この種目を正しく行う自信がないという人でも導入しやすいはずだ。また、ここでは片側ずつ動作を行うので意識も集中しやすい。

この種目は可動域が非常に広い。ボトムではウエイトが床に近い位置にあり、トップではウエイトが頭上に押し上げられている。この広い可動域を使って素早い動作で行うので、全身の筋肉にかかる負荷はとても大きい。このことを考慮すると、セットあたりに行うのは片側にそれぞれ3〜5レップが適切である。片側に1セットを終えたら反対側にも1セットを行う。その後、十分な休憩を得てから左右にそれぞれ2セット目を行う。

最初に片側だけに指定のセット数を行ってから、反対側にも同様のセット数を行うやり方(ストレートセット)だと、セット間の休憩が長く必要になるので、この種目を終えるだけでも相当な時間を要することになる。したがって、このような種目を行うときは、片側ずつ交互にセットを行うようにするのがベストである。

トラップバー・デッドリフト

再度確認しておくが、今回のトレーニングはパワーアップ、筋力アップのための方法を最優先して解説している。柔軟性や連動性については二の次だ。そのことを踏まえた上でぜひ皆さんにやってほしいのがトラップバーを使ったデッドリフトだ。トラップバーを使うことで、トレーニーは従来のデッドリフトをよりパワフルに行うことができる。

また、通常のデッドリフトより高重量を扱うことができるという点もパワーアップ、筋力アップに大いにプラスになる。一般的なデッドリフトではストレートバーが用いられるが、ここではトラップバーを使い、枠の中に立って、枠を上げ下ろしする。トラップバーを使ってみると分かるが、一般的なデッドリフトに比べると柔軟性に多少難のあるトレーニーでも高重量が扱えることに驚くはずだ。その理由は、トラップバーを用いると体の中心に負荷がかかってくるため、不自然な体勢でウエイトを上げ下ろしする必要がないからだ。体の中心に負荷がかかるので、体をまっすぐに保つことができ、下半身から上半身にまっすぐに出力ができるのである。

プッシュプレス

下半身を運動に参加させることでさまざまなプレス系種目での出力レベルを高めることができるわけだが、プッシュプレスはまさに出力を一気に高めるための種目だ。この種目を行うことで、さまざまなバリエーションでのベンチプレスや、頭上にウエイトを押し上げるオーバーヘッド系の種目での挙上重量を確実に伸ばすことができる。強さをアピールしていきたいならプッシュプレスはマスト種目のひとつである。

バーベル・シール・ロウイング

自分に力があるかどうかを知りたいと思っている人は大勢いるはずだ。そんな人にぜひ試してほしいのがこのバーベル・シール・ロウイングだ。この種目で自分の怪力度を確認するなら、まずは普段のワークアウトで行ってきたバーベルロウイングをこの種目に置き換えて2、3週間は様子を見てみよう。一般的なバーベルロウイングと比較すると、このバーベル・シール・ロウイングは反動が一切使えない。また、背中全体に強烈な刺激が行きわたるので、いやでも背中の筋肉は反応するはずだ。非常に効果が高い種目なのでぜひ挑戦してみよう。


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