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アメリカのトップ選手から学ぶビギナー向けケトルベルエクササイズ 前編

今回のモデルはラスベガス在住の私の友人トニーです。彼はロングサイクル種目でМSタイトル、バイアスロンとトライアスロンではCMSタイトル保持の現役選手およびインストラクターです。シリーズ初回はビギナー向けのシンプルな種目を紹介します。

文・写真:Nazo

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1 リクラインド・プルオーバー

広背筋、肩周りの筋類、前腕そして腹筋を鍛えられる種目です。
最初は軽いベルから。まず手を上に伸ばし切って球体をつかめるところにベルを置きます。

1 リクラインド・プルオーバー

 

①あおむけに寝て腕を上に伸ばしベルの底が上に向くようにボディー(球体)をつかむ。トニーのように手が大きくないという人は手を広げてつかみ安定感を 出す。当然ながら、ベルを頭に落とさないよう注意!
②腹筋を締め、胸郭を下方に引っ張る感じでベルを床と垂直方向に動かす。より効果を出すためにはゆっくり行う、そして写真のように腕を真っすぐに。きつ い人は始めは肘を曲げて行うと効果は薄まるがやりやすい。
③写真3のように腕が床と垂直になったら再びゆっくり1の姿勢に戻って1~3を最低5レップ1セットを繰り返す。親指をべルの取っ手の中に入れると安全性が増す。

2 スタッガード・スタンス

・デッドリフト スタッガードとは、互い違いに、という意味ですが、バスケットボール用語などではスタッガード・スタンスというと、利き足をわずかに前方に出すスタンスを言います。前に出ている方の足に負荷がかかるため前足のハムストリングスやヒップの運動機能性と柔軟性を高めます。またバランス感覚も養えます。

2 ス タッガード・スタンス・デッドリフト

①利き足(写真では右足)を写真の足の位置ほど前に出す。写真の2つのベルを置く位置に注目。
②このエクササイズの最も重要ポイントは、写真1から2、5から6にかけて動く際、ヒップをできる限り後方に突き出し、殿 筋や前足のハムストリングにきっちりテンションがかかるようにすること。フィンガーフック で握り、強く握り過ぎないよう注意。
③ヒップをしっかり突き出すと自然に背中が真っすぐになる。上半身を動かして直立するのではなく、ヒップに意識を集中させたままヒップを前に突き出す要領で体を戻す。
④~⑤テンションを緩めて直立。
⑥~⑧1から4の動作を同じスタンスのまま10レップスほど行ったら、今度は利き足ではない方の足を前に出して同レップ数行う。5~8は斜めから見たところ。

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3 スタンディング・プルオーバー

肩周り、胸筋、腹筋そして広背筋に効く種目です。効果を高めるため全体をゆっくり行い、筋肉の収縮や動きをしっかりコントロールしながら行うのがポイントです。

3 スタンディング・プルオーバー

①足のスタンスは肩幅ほどでベル は取っ手のサイドをボトムズアップ(逆さ)状態で持って立つ。脇と肘を締めること。
②頭や体は動かさずに腕を真っすぐ上方に上げる。
③肘を曲げ腕をさらに上げてベルを頭の後方に持って行く。実際には上半身も上に伸びて行くが、意識的には肋骨を下に下げるような感覚で行う。胸筋は徐々に上にストレッチされてゆく。
④上腕が突っ張り上げられ、肩や腕に柔軟性のある人ならベルが背中に着くところまで行く。ここで2~3秒静止する。この際、肘が開いてしまわないよう注意。肘先が天井を指しているようにする。
⑤ゆっくりとベルを戻しにかかる。このときも肘が外側に開いてしまわないよう注意。
⑥ベルを上から真っすぐ下におろす。頭がぐらつかないようにすること。
⑦1のスタンスに戻り、2から再び繰り返し5レップを1セットにして数セット行う。始めは軽いベルからトライ。

3 スタンディング・プルオーバー3と4の側面写真。

※この動作中、腰を反らすと腰の故障を引き起こす可能性があるので矢印大のように足から腰を通って肘までが真っすぐになるようにすること。
※矢印小では上腕二頭筋がしっかり伸長されていることを確認。理想としては上腕が耳の横にくるようにすること。
※ベルが背中に着くほどの柔軟性のない人は無理せず、行けるところまで行って数秒停止。ただその際も肘は外側へ向かわないよう注意する。

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Nazo
ケトルベル(KB)・インストラクターおよびコーチ。OKCJ代表・ヘッドコーチ。元OKCインターナショナル・ディレクターおよびヘッドコーチ。国際ケトルベル連合の元日本代表。2015年のIUKL世界大会には日本から初めてナショナルチームを引率しアイルランドのダブリンへ行く。日本で初めてKBスポーツ競技会の開催を始めたKBスポーツにおける日本の開拓者(フロンティア)でもある。訪日イベントでは、資格コースの指導者であるとともに通訳、マニュアル本の制作と翻訳も行う。また、米国フィットネス雑誌アイアンマンの日本版、アイアンマンジャパンではケトルベル記事を執筆。現在はジム勤務や競技生活の現役をリタイアし、主に個人指導、トレーニングのプログラミングおよびオンラインなどでKBやフィットネスの執筆活動などを行なっている。


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