女性にとって気になる部位である「お尻」・・・。
トレーニングでは、なかなか効かせにくい場所でもあり、お尻の構造・正しいトレーニング方法を知ることが大切です。
そこで今回は、筋肉博士・石井直方先生に、ヒップアップの完全攻略法について解説いただきます。
ヒップアップに効果的な種目はデッドリフト！？
森 ところでジムでのトレーニングで、ヒップアップのためのおすすめトレーニングを教えていただけますか？
石井 鍵になるのは大殿筋と大腰筋です。大殿筋の張りがなくなると、肉が下がってきてしまいます。また、骨盤を立たせるために重要なのが大腰筋です。大腰筋が腰椎を前方に引っ張ることで骨盤が起きてきます。ヒップアップには、大殿筋と大腰筋をどちらとも鍛えることが必要です。ふたつの筋肉がバランスの良い状態をキープするために腹横筋が使えていれば理想ですね。
森 たとえばスクワットをお尻に効かせたいのであれば、オーソドックスなフォームと違うやり方のほうがいいですか？
石井 そうですね。オーソドックスなスクワットだと大腿四頭筋に効く割合のほうが高いです。特にお尻に効かせるには、やはりフォームを変えてあげないといけないですね。
森 私はお尻に効かせるため、お尻を後ろに引くようなフォームでスクワットをしています。
石井 膝のポジションが動かないようにしてお尻を引きながらしゃがんでいけばいいと思います。
力の入れ加減は、後ろと前で半々、あるいは６：４ぐらいがいいと思います。
森 （実践してみて）あれ、もはやデットリフトですか？
石井 ヨーロッパスタイルのデッドです。ジャパンスタイルのデッドではお尻の奥の筋肉に加えて、内転筋と、大腿部付け根あたりからをよく使いますね。日本ではデッドを普及させてこなかった歴史が関係してくるんですが、ちゃんとした形で教えられる指導者がいれば、実はヒップにはいちばんデッドが効くんですよ。ですから、これにスクワットを加えるなら、脚をワイドにして、つま先を外側に向けて、グッと締めながらの“相撲スタイル”のスクワットがお尻の奥も鍛えるという意味で良いですね
森 お尻の深部にアプローチできますね。バレエのプリエのようです。でも「すもうスクワット」という名称は、女性うけが悪いかも…。
石井 じゃあ、“プリエスクワット”に、名前を変えましょうか（笑）。お尻というのは何層もの筋肉でできているので、多面的に攻めないといけない箇所です。一種目だけではなく、何通りかで攻めてほしいです。
