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「プログラム大公開」メンズフィジークの黎明期を支えた有馬康泰の三角筋が最も大きくなった時期のメニューとは

見栄えのする体、コンテストで勝つ体をつくるには大きくて丸い肩が必要不可欠。「肩」は筋肉痛がきづらく、多くのトレーニーが頭を悩ませる部位の一つである。日本メンズフィジーク界の黎明期を支えた有馬康泰氏に実践的な肩のトレーニングメニューを紹介していただいた。(IRONMAN2016年6月号から引用)

取材:藤本かずまさ 撮影:北岡一浩

「肩」の重要性について

Vシェイプはカッコいい体の代名詞。引き締まったウエストに6パック、そして胸、肩、背中の広がりと厚みによりVシェイプが作られます。とくに肩は体の一番外側に位置しており、肩の外側の丸みはVシェイプをより引き立ててくれます。また、前部と後部をしっかり強化することでコンテストにおけるサイドポーズの肩のインパクトを際立たせることができます。肩のラインをいかに充実させるか。これはコンテストでも重要な意味を持っていると思います。

トレーニングメニューの組み方

肩のトレーニングでは、メイン種目を高重量で4〜5セット行います。バーベルのバックプレスやフロントプレスなどです。スミスマシンやダンベルを使うときもあります。それ以外の種目は8〜12回の重量で3セットほど。トータルで6〜7種目になりますが、ラスト2種目は加圧で行います。かなり疲労している状態なので、加圧の種目ではバランスやスキルをあまり必要としないマシンなどを用います。イメージとしては高重量を扱う種目や、しっかりとウエイトをコントロールしたトレーニングを5種目程度行って、肩に強烈な刺激を与え、ラスト2種目の加圧で乳酸を溜め込み、 成長ホルモンを分泌させる。加圧をやらず、ラストの種目はハイレップスやチーティングを使ってネガティブを重視したエクササイズでオールアウトするケースもあります。

フォームについて

フォームで意識しているのは、スティッキングポイントでしっかりと腹圧をかけ、体幹を崩さないこと。またレイズは小指側、プレスは親指側でしっかりグリップすることと、呼吸が浅くならないこと(とくにキツイとき)です。現にショルダープレスでは呼吸がしにくいという方が多くいらっしゃいます。日常生活ではデスクワークや車の運転など体の前面での作業が圧倒的に多く、腕を側面または上方へ動かすことはありません。それは現代人にとっては楽ではない動作だからです。負荷をかけていなくても、苦手な動作では体幹をキープしながら呼吸をしっかり行うことも容易ではない。ですので、昔あった「ぶら下がり健康器」はすごくいい器具だと思います。肩の可動域を確保するには、すごくいいと思いますよ。僕も必ずウォーミングアップではぶら下がっています。

「伸びしろ」を探そう

バーベル、ダンベル、ケーブルマシンを使っていろいろなフォームで行い、心身ともにマンネリが起きないよう心掛けています。エクササイズの順番は、メイン種目を最初にやり、あとはプレスとレイズを交互にやったり、その逆でやったりと日によって変えています。プログラムを見直すときは、レップ数が伸びたり、重量がアップしていたりする種目は継続します。これはどの部位にも言えることなのですが、誰にでも苦手な種目や効かせにくい種目があると思います。どうしても、そういう種目は避けがちになってしまう。でも、そこには「伸びしろ」があるんです。肩が大きくなった時期は、あえて苦手な種目や避けていた種目を積極的に取り入れました。いろいろ種目を知って、引き出しを多く持っておいたほうが楽しくトレーニングができます。マンネリ化を防ぐためにいつもマシンやケーブルを活用するのもいいと思います。

ウオーミングアップは重要

肩は上半身のほとんどの種目で使うため、疲労を抜くのが難しい部位だと思います。ですので、肩のトレーニングの前日、翌日はどの部位のトレーニングを行うかが非常に重要になってきます。肩をやった翌日に胸のトレーニングを行うのは、パフォーマンスが上がらないどころかケガのリスクが大きいと言えます。また、肩を発達させるには ウオーミングアップをしっかり行い、肩関節が正常に動く状態を作る必要があります。さらには、ケアをしっかり行い疲労を速やかに除去することも重要です。疲労をどれだけ抜けるかがパフォーマンスに大きく関わってきます。私は最近、Vyper(バイブレーション機能付きのフィットネスローラー)を使い、凝り固まった筋膜をリリースするよう心掛けてます。Vyperで脇の下をほぐすと、その部分の筋肉が緩んで腕が上げやすくなります。実感しやすいですし、私はショルダープレスやラットプルダウンを行う前には必ずほぐしています。

プレスか? レイズか?

ケースバイケースなのですが、高重量でのレイズをメインに持ってくることもあります。側面の丸みをつけるのでれば、レイズ系をメインにやるべきだと思います。ダンベルだけではなく、ケーブルなども使って、いろいろなバリエーションで行うのもいいと思います。すべての種目においてというわけではないですが、高重量のトレーニングは必要だと思います。プログラムのなかに1、2種目は入れたほうがいいでしょう。あくまで私の場合は、メイン種目をプレス系で行ってからレイズ系に入ることが多いです。レイズ系とプレス系をサンドイッチにして行うイメージです。ただ、最初にレイズ系で効かせてから、その後に三頭筋を補助で使うプレス系を行う場合もあります。ここはどこに目的を置くかで変わってくると思います。

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