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ビキニ女王が解説!憧れの“くびれボディ”をつくる最重要ポイント【私のカラダを劇的に変えた筋トレ】

“メリハリ”をつくる秘密は「つけるべきところにはしっかりボリュームを、つけてはいけない部分にはトレーニングの細部に工夫を」とダンシーあずささん。2022年にはIFBBビキニフィットネス世界選手権大会で日本人初のビキニ一般の部160cm級で3位入賞を果たしたダンシーさんに、その使い分けと共に、憧れのくびれボディの最重要ポイント「お尻のトップ部分」と「柔軟性」についてもレクチャーしてもらった。

【写真&解説】“ぷりん”としたお尻のダンシーあずささんのコンテスト写真とトレーニング解説

ビキニフィットネスは肩の丸みと広がりに対して腕は筋肉をつけすぎずしなやかに、またウエストを絞りながらお尻は丸みとボリューム感を出すなど、メリハリが大きな評価ポイントとなります。この競技をつき詰めるにあたり、女性らしい華奢な部分を残しながらターゲット部分にしっかりボリュームをつけていくことにすごくこだわっていますし、そこにこだわりだしてから全身のアウトラインが変わってきたと思います。

メリハリをつける工夫ですが、例えば上半身では前腕の筋肉や上腕二頭筋、三頭筋をなるべく使わないようにしています。ダンベルのときも、親指を握ると前腕に力が入ってしまうので、基本的には親指を外して持ちます。ただ、この握り方ではどうしても滑りやすくなってしまう。そこで、私にとって欠かせないのがガーデニング用の手袋です。

レザー製だと手汗をかいても洗えませんが、これならワンコインで買えて、すぐに洗い替えができます。軍手より指にフィットするし、マメができづらい気もするので、ボディビルダーの横川尚隆選手に教えてもらって以来、愛用しています。

また、5㎏以上のダンベルではパワーグリップも使います。イメージとしては背中のトレーニングやバーを引くときに使うものですが、私の場合は握力の補助が目的です。こんなふうに日頃からちょっとずつ工夫しているので、扱っているボリュームに対して腕は細いと思います。

私の身体についてよく評価していただくのが「お尻に高さがある」。セミナーに呼んでいただくときも、最近では「お尻かウエストをテーマに」というリクエストが急増しています。お尻に関しては、骨盤が広くてボリュームが出やすいことや、絞り切ってもお尻の脂肪が残り丸みが出やすいことなど、もともとの特性もありますがトレーニングの成果でもあるかなと思っています。

お尻の高さを出すために大切なのがウエストとヒップの対比です。ウエストはドローインなどで細さをキープしつつ、ウエストに一番近いお尻のトップ部分にかなり注力してボリュームを作るようにしています。もともとアジア人の骨格は、このトップ部分が凹んでいる形状なので、より意識してトレーニングしないと〝ぷりん〟という高さのあるお尻ができないんですね。このトップ部分の種目に対するこだわりや、重さを求め過ぎずにしっかり収縮しきれる重さでやるといった工夫が、私にとってウエストとの対比を作り出す一番のカギになっていると思います。

また、背中の中でもお尻に近いところにある脊柱起立筋の厚みは、あまり作らないようにしています。昔は下から引く床引きデッドリフトで起立筋にも効かせていましたが、そこを落としたことによって、横から見たときのウエストの厚みがなくなり、お尻のトップをつけたこととの相乗効果で、横から見たときのカーブがより大きくなってきました。

お尻のトレーニングでもう一つ重要になってくるのが、腰椎や股関節などの柔軟性です。身体が硬い人はどうしても最大のストレッチと収縮がかかり切らないので、お尻の筋肉にも最大の刺激が入りづらいんですね。デッドリフトにしても、柔軟性を高めて骨盤より恥骨が前に突き出るくらいまで締めないと、お尻のトップに刺激が入りません。

私もフォームローラーを当てるなど、なるべくほぐしてからトレーニングしていますし、トレーニング前に時間がないときは、全身の柔軟性を上げるために毎晩、自宅でストレッチをしています。ステージ上でお尻が目立つのも、腰椎が柔らかく、ポージングでお尻の高さを表現できているからかもしれません。

お尻の高さを出す種目を今回2つご紹介しますが、じつは実施する順序も大切です。ルーマニアンは腰まわりのストレッチも兼ねた種目なので、最初にこれでしっかり可動域をつけられるようにしてから次の種目に入っていくとよいと思います。

いきなりヒップスラストなど収縮系から始めると、関節まわりやハムストリングを優先して使ってしまい、絶対にお尻に刺激が入らないんです。ストレッチ系をしっかりやった上で収縮系をメインでやっていったほうが効果も得られ、ケガや痛みも回避できます。

お伝えしたのは大会に向けての身体づくりですが「つけてはいけない部分とつけなければいけない部分の使い分け」や「ストレッチ+筋トレ」を意識することは、メリハリのあるしなやかな身体づくりの基本だと思うので、少しでもみなさんのヒントになったら嬉しいですね。

取材・文:藤村幸代 撮影:中原義史 (初出:Woman’sSHAPE Vol.24)

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