ボディビル世界チャンピオンの鈴木雅選手が、日本ボディビル界で腹筋最強と絶賛した三井一訓選手のトレーニングとは?最強腹筋を手に入れるためのヒントはあるのか?
文_IM編集部 写真_t.SAKUMA、三井一訓 取材_藤本かずまさ
アイアンマン誌2020年6月号の企画で鈴木雅選手が「現役最強の腹筋で、腕を上げても凹凸が消えないのがすごい」と絶賛したのがボディビルダーの三井一訓選手。今年のボディビル東京選手権で「ミスター東京」最右翼と目される実力派だ。三井選手の腹筋はボコボコとした深い溝が特徴的だが、どのようにして作られたのだろうか?三井選手のコメントは意外なものだった。
「腹筋のトレーニングは何もしていません。大会1か月前はさすがに週1でマシンを3セットのみやっていましたが、それ以外は何もしていないです。ただ、自分は普段のトレーニングボリュームが非常に多く、平均すると65セットぐらいやっています。あらゆる種目で腹圧を使っているので、それが結果的に腹筋に効いたのだと思います」
腹筋単独のトレーニングは行わない!その真意を聞くと「腹筋は本来、体幹部を支えるために存在する筋肉だと考えているので、トレーニングでは腹圧をしっかりかけて体幹部を支え、高重量をかけることを重視したほうが、より強固に腹筋を鍛えられる」と、持論を語る。意見は分かれるが、このようなアプローチは、実はボディビルダーの中には少数派ながら存在しているのも事実だ。
でも、これでは参考にならない?という方にもう少しアドバイスを。「腹筋というとどうしても収縮種目に意識が行きがちですが、自分はストレッチ種目重視の方がいいと思います。これはどの部位にも言えることですが、バルクをつけるにはやはりストレッチでの負荷が大事です。特に腹筋が伸びた状態でも目立たせるには、腹筋が伸びた状態で効かせることが有効です。また、腹直筋だけでなく外腹斜筋や前鋸筋などもまんべんなく鍛えることが大事で、マシンのプロオーバーなんかはすごくいい種目だと思います」
ストレッチでの腹圧を意識することが、鈴木選手が評価する「腕を上げた状態でも凹凸が消えない」要因になっているだろう。多くの腹筋種目が収縮を意識するものになっているが、三井選手の考えを取り入れ、ストレッチ状態での腹筋を意識することは、最強腹筋づくりのカギになるかもしれない。
アイアンマン2020年6月号の「究極の腹筋BEST25」で選出された選手の中にはアブローラーを使用していた方も複数いた。アブローラーも収縮だけではなくストレッチでの腹筋の意識が大切になるので、ホームトレーニーはトレーニングに取り入れてみるといいだろう。
三井一訓(みい・かずのり)
1985年10月12日生まれ。岐阜県岐阜市揖斐郡大野町出身。身長170㎝体重75kg(オン)80kg(オフ)。2016年、東京オープン選手権75kg 級で大会デビュー。2017年 東京クラス別選手権70kg以下級優勝/東京選手権9位 2018年 東京クラス別選手権75kg以下級優勝/東京選手権4位 2019年 東京選手権3位/日本クラス別選手権75kg 以下級6位/ジャパンオープン選手権8位
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