かっこいい身体を作りたい人や、ボディビルやフィジークコンテストで上位に入りたいという人たちは、積極的に腹筋を割ろうとする。そのために腹筋運動だけではなく、ファシアリリースを積極的に行うことが近道になる。
文:Sarah L. Chadwell, NASM-CPT 翻訳:ゴンズプロダクション
硬くなった腹筋が姿勢を崩す
腹筋の柔軟性が失われると、次第にこの部分が硬くなっていく。硬くなった腹筋は機能しなくなり、肋骨を立てて引き上げた状態を維持することが難しくなる。そのうち猫背になり、上体が前に倒れてきて、正しい姿勢が損なわれていくのだ。
ところで、かっこいい身体を作りたい人や、ボディビルやフィジークコンテストで上位に入りたいという人たちは、積極的に腹筋を割ろうとする。アスリートでなくてもシックスパックはみんなの憧れであり、そのために多くの人がやっていることといえば、高回数のクランチやシットアップだろう。おそらく、高回数の腹筋運動を習慣にしているという人は、年間に何千レップものクランチやシットアップを行っていることになるはずだ。
しかし、このような高回数の腹筋運動は腹の筋肉をガチガチに硬くしてしまい、腹筋の機能低下を招く恐れもあるのだ。
だからといって腹筋運動をするなと言うのではない。肝心なことは、腹筋運動を継続しながらも、腹筋の柔軟性を損なわないようなストレッチをしっかり行ってほしいということなのだ。
正しい姿勢が損なわれないように、日頃から体幹部の筋肉を十分に伸ばすようにする。柔軟性を養い、筋肉の長さを伸ばすために、呼吸法をマスターし、ファシアリリースを積極的に行うようにしよう。体幹部の筋肉が硬くなることで姿勢が崩れ、腰の痛みや肩こりなど様々な不調を招くことになるので注意しよう。
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呼吸法でさらなる効果を引き出す
体幹部を柔らかくして動かす習慣をつけると、しっかりした呼吸が身につく。そうなれば高重量を挙上するときにもプラスになるはずだ。
体幹部の筋肉と呼吸は強く連動しているのだ。実際、トレーニング中の呼吸がしっかりできているときは、そうでないときと比べて、いつもの高重量がいくぶん楽に感じたりする。これは呼吸によって体幹部がしっかり機能するからなのだ。
呼吸は体幹部をしっかり働かせるだけでなく、酸素を対象部位に運搬し、エネルギーを作り出すためにも不可欠だ。
高重量を扱っている最中に呼吸を止めてしまうと血圧が急激に上昇し、意識を失って倒れてしまう場合もある。今さら言うまでもないが、トレーニング中は決して呼吸を止めないようにしたい。
呼吸には腹式呼吸と胸式呼吸があることはよく知られているが、大切なのは横隔膜呼吸であるということを覚えておいてほしい。横隔膜を上下させる呼吸法をマスターすると、体幹部の筋肉が様々な動作で機能を発揮するようになる。そして、どの部位であってもウエイトトレーニングの効果を高めてくれることになるのだ。
このことはファシアリリースでも活かすことができる。ファシアリリースをやっているときもこの呼吸法を意識して行えば、体幹部の筋肉はより活性化され、脂肪の燃焼も積極的に促されるので、コンディショニングにもプラスになるのである。
腹筋の長さを伸ばす
ファシアリリースは、対象となる筋肉の長さを伸ばし、より絞れた状態を作るのに役立つことが知られている。長い筋肉、そして脂肪の少ない筋肉は、言うまでもなくステージ映えするので、ボディビルダーやフィジークアスリートにはぜひ自分で行うファシアリリースを積極的に行ってほしい。
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