定期的にジムへ通い、計画的なトレーニングを継続して行うのが誰しもの理想ですが、現実は必ずしもそうはいかないもの。今回はそんな壁にぶつかりがちな日常生活でのトレーニング、さらに切っても切れない食事とサプリメントについて石井先生にお聞きしました。
使わないことに対して筋肉はすごく敏感
森 今回はライフスタイルとしてのトレーニングをテーマに、トレーニングだけでなく周辺的なこともお伺いしたいと思います。
普通に生活を送っていると、トレーニングを生活の中心に置くことは難しいため、コンスタントにトレーニングそのものを諦めてやらなくなってしまうという方もいらっしゃるのですが、仮にしばらく運動をしないとどれぐらい筋肉が落ちてしまうものなのか、数値的に示すことは可能でしょうか。
石井 まるっきり動かない例ならば、データがあります。ギブスで筋肉を固めてベッドに寝たままで全く筋肉を使わない状態だと、大腿四頭筋=太ももの筋肉は1日0.5%ぐらい減少するというデータがあります。ですから10日で5%減少する計算になります。
森 では、もし年末年始にゴロ寝をして過ごすようなことがあると思いの外、筋肉が減ってしまうと……。
石井 完全に動かさないということはないので極端なことは起きませんが、脅かすようなことを言えば2日で筋肉が1%落ちるということにもなりかねませんね(笑)。
例えば太ももの筋肉は落ちやすくて、1歳年を取ると1%減少すると言われています。そうするとゴロゴロして動かないでいると、たった2日で1年分筋肉が減ることになります(笑)。
実際はトイレに行ったり、完全に筋肉を使わないなんてことはありませんが、使わないことに対して筋肉はすごく敏感なんです。
森 頻繁にジムへ行くことのできない忙しい方は、ジム以外、家などでのトレーニングで維持に努めざるを得ないのですが、たとえば先生御自身はどうされていますか?
石井 自宅にバーベルやダンベルがあればさぞトレーニングするだろうと思うのですが、それは少し浅はかなところがあって、私自身も経験があるんです。
ガチガチに現役でやっている時、1年間研究のため実験場へ住み込みで生活しなければならない時期があって、ジムでのトレーニングができないのでバーベルとダンベル、ベンチ台を買って宿舎の横にホームジムを作ったんです。いつでもトレーニングできる状況にもかかわらず、よっぽどやる気が起きないとかえってやらなくなる(苦笑)。ですからジムへ向かって歩きながら少しずつ心の準備をして、周りの人が一生懸命やっている中へ入って自分もトレーニングをするというプロセスの意味は大きいです。ホームジムを作って一人孤独にトレーニングするというのは、とても強いモチベーションと意志が必要になります。
森 実は私もホームジムを持っていてパワーラックから何からあるんですけど、一人でトレーニングしてクオリティを確保するには相当気合いが必要だと感じています(苦笑)。子育てでジムに行けないから何とか維持しようという時は頑張ったんですけど、やっぱりジムへ行った方が断然モチベーションは上がります。
石井 そうですね。ジムへ行った方がずっと質のいいトレーニングができるんです。むしろ自宅でやる場合は道具をそろえてジム同様にしなくてもよいと思います。チューブ程度の用意で少し工夫をして自分の体重を使ったトレーニングをジム通いのつなぎとして行う、それぐらいのつもりでいいと思います。
自宅でトレーニングを始めようと思ったけどできなくて、ダメだ意志が弱いとか悲観することはありません(苦笑)。これはトップレベルの選手でもそうですし、誰でもそうなんです。意志が弱い訳でも何でもなくて、そういうものだという意識を持つことも必要だと思います。
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