理学療法士のサトウナツキさん(30代)は禁煙したことがきっかけで15kgも太ってしまった。健康を意識して始めた禁煙だったにもかかわらず暴飲暴食をし、不健康な生活は改善されずにいたが、『理学療法士』という職業にふさわしい健康的な身体になるためにダイエットを開始した。1年間で20kg減に成功したサトウさんのビフォーアフターと減量方法を紹介する。
【ビフォーアフター写真あり】1年後に20kg減!現在のサトウナツキさん
「禁煙したことがきっかけで激太り(+15kgくらい)してしまい、元に戻りたいと思ったので2022年2月から減量を始めました。多種多様なリハビリを行う『理学療法士』という職業柄、患者様に示しがつく体型に戻りたいと思ったことも大きいと思います」
禁煙したことで暴飲暴食が止まらず、デカ盛り弁当など、とにかく「デカい」食事ばかりを続け、健康のために禁煙したにもかかわらずかなり不健康な生活を送っていたようだ。当時の体型は身長173cmに対して体重は91kg、体脂肪率は23%だった。
「太っていたときの食事は、朝は時間がないのでデカいエナジードリンクのみで済ませて、昼はデカいお弁当を適当に選び、加えて大量のプロテインを飲んでいました。夜は「揚げ物定食にライス大盛り」「背脂大量の大盛りラーメンと大盛りライス」「デカいハンバーガー」「大盛牛丼」など、“デカいもの”を日替わりでローテーションしていました。夕食の後は〆で缶チューハイやビール、ハイボールなどを飲んでいて、とにかく1日3食を欲望のままに食べていました。トレーニングはここ数年やっていましたが、食事はご覧の通りでした」
トレーニングを始める前は、陸上競技を6年(走り幅跳び、3段跳び、4×100mリレーなど)やっており、補強として自重トレーニングやバーベルベンチプレス、バーベルスクワットなどを行っていたという。ダイエットのためにトレーニングを始めることになったサトウさんは、ゴールドジムに通い始めてBIG3を中心とした部位別(4〜5分割くらい)のウエイトトレーニングを始めるようになった。加えて、有酸素運動も行ったという。
「休養、運動、栄養は職業柄、理解しているので特に意識していました。食事は自分の中で3段階くらいの減量レベルに分けていて、初めはYouTubeで観た減量食を試したりジャンクフードを止めることから試しました。次に、PFCバランスの意識、最終的には、摂取カロリーより消費カロリーが上回るように意識しました」
◆レベル1:筋トレYouTuberの減量食を真似してみる。まずはとにかくジャンクな食べ物をやめる。
◆レベル2:PFCバランスの意識。タンパク質を体重数値×1.5〜2倍は取ること、脂質は控えめ。
◆レベル3:自分が1日で消費するカロリー(基礎代謝+日常生活での消費カロリー)が、口から摂取するカロリーより上回っていることを強く意識。PFCバランスに対する意識は継続。
食事は試行錯誤しながら、自分にとって腹持ちが良くておいしく食べられるものを探し、実感としてよかったものは継続していったという。
「食事は総摂取カロリー1400kcal〜3500kcalくらいの幅の中で身体が慣れないようにある程度ふり幅を大きくして揺さぶっていました。また、水分は1日5〜6リットル摂っていて、塩分もかなり多めに摂取しています(血圧は110/70前後と至って正常です)。個人的な肌感覚ですが、食事を減らしているのに塩分、水分まで減らすと電解質のバランスが崩れて露骨に体調が悪くなると感じたため、その対策でした。とにかく継続が大切です。しかし、定期的な息抜き(自分で決めた頻度のチート、ハイカーボデイなど)も大事です。継続するには人間らしい生活を意識することが大切だと思います」
いろいろな減量法を試した結果、自分に合ったストレスのない継続できる方法が見つけられたサトウさん。誰かにとって効果的な方法だとしても、自分に合っていなければ長く続けることは難しいだろう。
「継続するためにはストレスが大敵であり、自分に合った減量法を行うことが大切です。よく消化吸収効率の観点から食事をすごい小分けにして食べる方がいますが、自分の場合は小分けにしすぎると、血糖値乱高下の影響なのか強烈な空腹感に襲われて、キレ食いをしそうになってしまいます。そのためプロテインやBCAAなどのサプリメントの摂取を含めて、1日4食くらいにしています。腹持ちの良いリーンな食事を一度にたくさん食べた方がストレスが少ないと感じています。糖質、脂質ともに多いクロワッサンを1日3〜4個食べながら減量しているトップビルダーもいますし、自分で決めたルールの中でストレスなく継続することが何より大事かと思います」
仕事は片道1時間40分以上かけて、職場まで電車通勤しているサトウさん。それでもトレーニング時間を確保し、限られた時間の中で集中してトレーニングを行っている。
「ゴールドジムでのトレーニング時間を確保するのが大変です。僕は独身なので自由な身ではありますが、仕事を定時で上がることが少し大変です。脳みそをフル回転させて日々のお仕事に取り組んでいます。トレーニングは筋トレBIG3を中心としたフリーウエイトを漸進性過負荷の原則に従って行うことを最も大切にしています」
息抜きしながら継続し、ストレスのないダイエットを見つけた結果、体重91kg、23%あった体脂肪率が1年間で体重71kg、体脂肪率9%にまでに減らすことができた。
「『マイナス20kg』となると身が露骨に軽くなります。階段を登ったり、走ったりしてもそれほど息切れしなくなり助かっています。ベンチプレスが120kg上がっても他人からはあまり共感してもらえませんでしたが、割れた腹筋や絞れた身体を見せると言葉不要でいろいろと共感してもらえるのが嬉しいです。ボディビルをやっていると仕事上でも話題に困らないため、そこも良かったと思います」
理学療法士のサトウさんが改めて感じていることは「『健康』がなにより大切」だということ。今後も健康維持を目的に、トレーニングとある程度の食事管理を続けていきたいと話す。
「健康診断で引っかかっていた項目が、減量によりすべて正常値になったのは大きな喜びでした。また、30代でもマイナス20kgの減量に成功し、やればできるんだということが証明できて嬉しいです。今年は3月と4月のマッスルゲートでボディビルとクラシックフィジークに出場する予定ですが、大会が終わった後も腹筋が少し割れているくらいの状態はキープして過ごしたいと思っています」
取材:FITNESSLOVE編集部
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