4月9日、「マッスルゲート北関東1」が開催され、ビキニ(一般の部)では、これまでSUMMER STYLE AWARD(通称サマスタ)のビューティーフィットネスモデルに挑戦していた小野寺紗希さん(29)が優勝した。今大会のマッスルゲートは小野寺さんにとって、大会出場を締めくくる『最後の大会』として出場したものだった。
「サマスタで、ある程度納得できるところまでいったので大会出場は一旦お休みしたいなと考えていたところ、通っているゴールドジムのパーソナルのコーチの方に、マッスルゲートの『ビキニが向いているんじゃない?』と勧められました。『ビキニ』はずっと気になっていて、せっかくだったら挑戦してみようかなと思いました。他にやりたいことがあるので、今回で大会出場を最後に、締めくくりのつもりで頑張りました」
そもそものトレーニングのきっかけは、2年前に始めた「ダイエット」だった。
「すごく太っていたというわけではなかったのですが、夏に向けて痩せたいなと、気軽な感じでトレーニングを始めました。小さい頃から運動する習慣はあったんですけど『ジムに行く』という習慣はなく、一人だと通わなくなるなと思って初めからパーソナルトレーニング(2~3カ月)で、強制的にトレーニングをする習慣を付けました。その後は、やっぱりもっと続けていかないと理想の身体にはならないなと思って、継続のために『大会に出場する』という目標を作りました」
大会出場という目標がなければ途中でやめていたかもしれないと話す小野寺さんは、トレーニングを始める以前から美容皮膚科の看護師の仕事をしていて、現在もトレーニングとうまく両立している。美容皮膚科で働いているということもあって、肌はツヤツヤとしていた。
「定期的にお肌はメンテナンスしていますが、食生活が重要だと思います。コンテストに向けての質素な生活をしていたら自然と肌もキレイになりました。逆に大会が終わった後、食生活が乱れたときは思いっきり荒れてしまっていたので、やっぱり身体は食べ物で作られているんだなというのはすごく実感しますね」
「減量期間中は仕事かトレーニングくらいしかしていなかったですね......(苦笑)」と“最後の大会”への熱意を感じられた。
「今回は減量期間が3カ月よりも短かったのですが、週5日、仕事終わりにトレーニングをしていました。大会に出ない期間(オフシーズン)は普通に好きなものをなんでも食べてしまいますし、トレーニングはもとから『すごく大好き!』というほどではなくて、目標があるから頑張れるっていう感じです」
大会前は、食事などで制約が多かったはずだが、それでもトレーニングを始める前と比べて、今の日常生活はポジティブに変わっているようだ。
「トレーニングを続けてきて身体が理想に近づいてくると、自信がつくようになってきました。あとは、日常生活の中で“幸せ”の瞬間を感じられるようになりました。当たり前に食べられることなど小さな幸せに気づけたり、フィットネスを通じて友達もたくさん増えて、今日も応援に来てくれてすごく嬉しいです」
今大会はコロナ禍の事情により制限されていた『観客の声出し』が解禁されていた。新たな人生を踏み出す小野寺さんを後押しするように会場からは大きな声援が響いていた。
「大会は一人で出るけど、やっぱり周りのサポートがないと頑張れないと思いました。今後は大会からは一旦離れますが、トレーニングは続けていきたいし、いつかまた身体を仕上げたらその時はJBBFの大会に挑戦して、ステップアップしたいと思っています」
取材:FITNESS LOVE編集部 撮影:中島康介