仕事100%の生活でビキニ競技に出ることをまったく考えていなかった渡邉美月選手が、昨年のオールジャパンマスターズビキニフィットネス35歳以上160cm以下級で優勝を飾った。股関節周りの筋肉の深さ、パーツの細やかさ、曲線的なウエストの逆三角形ラインがすさまじい選手だ。
当初はダイエット目的でトレーニング開始。職場の尊敬する同期がパーソナルジムに通っていると聞き、ジムに入会したところが始まりだった。そのころの渡邉選手は今の自分の姿を少しも想像していなかったという。
トレーニングを開始してからは、毎年特に脚の形がアップデートされていると話す。
「もともとは浮腫だらけの象の脚という感じでしたが、だんだん関節周りが締まってくるようになってきました! 自分の身体は、正しく努力すれば変えていけるというのは、プロポーションに恵まれていない私だから本当に『そうなんだ』と実感していますし、悩んでいる方に声を大にして伝えたいことでもあります」
「トレーニングを始める前は、運動音痴かつ運動不足で、身体も心も不健康だったなと思います。会計士という職業柄、仕事100%の生活をしていて、それはそれで自分に必要だったと思いました。でも、忙殺される毎日であまり自分のしたいことや好きなことにアンテナを張る余裕がなかったのです」
大会に出ることを決め、ビキニ選手としての生活を始めてから渡邉選手の中で何かが大きく変わっていく。
「何かに夢中になって、それを乗り越えるという時間が人生を豊かにしてくれていると感じています。この競技を行うにあたって、職場も含めていろんな方が協力してくださり、それが実現しています。本当に私は恵まれていると思っています。感謝しかありません」
昨年はオールジャパンで優勝するも、課題を残したという。今年はどのように取り組んで改善しているか尋ねた。
「課題はボディコントロールと脚の絞りの甘さでした。ポージングは小手先のテクニックではなく、自然に美しいポジションがとれるように、柔軟やピラティス、ダンスなどトレーニング以外の習い事に力を入れています。コントロールの甘い部分が絞れないのを実感していたのですが、既に今年のオフの脚の形に改善が見られているので、減量の結果が楽しみです」
渡邉選手は今年、世界の舞台に立つことを目標にしている。そして周りには渡邉選手を応援する方がたくさんいて、毎年パワーアップできているそうだ。
「一歩ずつ前に進めています。その方々の思いを形にしたいです!」
取材:FITNESS LOVE編集部 撮影:中島康介
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