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あなたの“タイプ”に合った食事法はなに?──アーユルヴェーダで体調チェック!

「トレーニングは修行ではなく、“自己との調和”なんです」そう語っているのは、アーユルヴェーダビューティーカレッジ学長の新倉亜希さん。インドの古代伝統医療を現代の日本向けにアレンジした、新しい形のアーユルヴェーダを広め、アスリートへのコンサルティング、著書『アーユルヴェーダが変えた!トレーニングの常識』も執筆している。アーユルヴェーダを実践することにより、本当に自分の身体に合っているものを(食事や運動、心の傾向までも)知ることができるという。前回の記事では、本来の自分の体質を公開した。今回は、今の体調に合った食事法を学ぶ。

▶︎本来の体質(プラクリティ)チェックはこちら

アーユルヴェーダとは?アーユルヴェーダ
アーユルヴェーダは約5000年前にインドで生まれた伝統医学。宇宙を構成する5つの元素(地、水、火、風、空)が人間の身体や心にも影響を与え、これらのバランスを整えることで健康を維持できると考える。
5つの元素
空 空間、無限の可能性
風 動きを生み出す力
火 変換の力
水 流動性持つ変化の力
土 土台を築く働きを持つ

ドーシャ(体質)
5つの元素の組み合わせによって、ヴァータ、ピッタ、カパと3つのタイプに分けたもので、どれが優勢かによって体質が決まる。肉体だけでなく、思考や性格の傾向もドーシャによって左右される。
ヴァータ=風・空
ピッタ=火・水
カパ=土・水
※ドーシャ:増えやすいもの(サンスクリット語)

不調の原因を診断

生まれつき決まっている体質(プラクリティ)と違い、「ヴィクリティ」とは環境によって変わってしまった現在の状態・体質のこと。つまり、現在の身体のアンバランス度。プラクリティとヴィクリティが一致するような生き方が居心地の良い状態だろう。ヴィクリティを優先して解消することが大切だ。下記のチェックシートを使い、ヴィクリティを診断してみましょう。最近の体調を振り返りながら、ヴァータ、ピッタ、カパ、各項目を5段階で点数をつけ、合計点を出します。

ヴァータ

・肌が乾燥している
・寝つきが悪い、睡眠不足
・下痢と便秘が交互で起きる
・便秘が多い
・おならが多い、お腹が張っている
・手足が冷たい
・フケが多い
・頭痛、筋肉痛などの痛みや痙攣が起こる
・動悸がする、呼吸が早い
・午後になると疲れる
各項目を5段階評価をする(0…当てはまらない、1…あまり当てはまらない、2…どちらとも言えない、3…まあまあ当てはまる、4…当てはまる)

ピッタ

・下痢、軟便気味、肛門がヒリヒリ
・胸焼けがする
・肌に炎症ができる
・顔が赤い、鼻が赤い
・目が充血している
・暴飲暴食、大食い
・冷たいものが食べたくなる
・喉がよく渇く。口が塩辛い
・口内炎。口臭
・イライラする

各項目を5段階評価をする(0…当てはまらない、1…あまり当てはまらない、2…どちらとも言えない、3…まあまあ当てはまる、4…当てはまる)

カパ

・寝過ぎてしまう。目覚めが悪い
・日中も眠い
・浮腫んでいる
・身体が重く、何もやる気が起きない
・湿気、冷たい気候で体調が悪くなる
・手足がだるい
・口の中がネバネバする
・アレルギー性鼻炎、鼻水や鼻詰まり
・痰や咳が出る
・お腹が空かない

各項目を5段階評価をする(0…当てはまらない、1…あまり当てはまらない、2…どちらとも言えない、3…まあまあ当てはまる、4…当てはまる)

各ドーシャの点数が20点以上のもの、もしくは、4チェックが一つでもあれば、今、見直すべきドーシャ。

タイプ別食事法

A ヴァータ(風・空)タイプ

心配ごとが多い、眠りが浅い、疲れやすい。心がなんだか落ち着かないときは、甘味、酸味、塩味のもの、暖かくて油分のある食事を取るのがお勧め。反対に、渋みや辛味、苦味は控えよう。冷えと乾燥は体内の「風」を過剰にするため、身体を冷やす生野菜や、パンや小麦など乾燥したものも避けるとよい。生活リズムの乱れにも気をつけよう。

B ピッタ(火と水)タイプ

下痢やニキビや皮膚の赤み、怒り。身体に「炎症」があるときは、甘味、苦味、渋味、冷性かつ油性の食事を取ると良い。また、辛味、酸味、塩味の食事、アルコールは症状を悪化させるので控えること。とにかく炎症を抑えることが大切なので、水分補給や休養を忘れないこと。

C カパ(水と土)タイプ

だるさや眠気、浮腫み、頭痛、咳、鼻水などの症状が表れ、メンタル面も落ち込みやすい。カパのバランスが乱れているときは、身体が重たくなっている状態なので、身体を動かして汗や排泄ができると良い。食べすぎず、飲み過ぎないこと。辛味、苦味、渋味、温かくて乾燥した軽い食事は身体に「熱」と「動き」を与えるので、お勧め。避けるべき食べ物は甘味、酸味、塩味、揚げ物などの油っぽいもの、肉や乳製品などの身体を重くするもの。

▶︎ドーシャ別・トレーニング法はこちら

監修: 新倉亜希
アーユルヴェーダビューティーカレッジ学長。メニエール病がアーユルヴェーダ医師による治療で全快したことをきっかけに、インドへ渡る。チャクラパニ病院で数年間の修行を経て、アーユルヴェーダ ヘルスコンサルタントのライセンスを取得。沖縄で自然栽培農園を開始し、日本人の体質にあった日本産のアーユルヴェーダプロダクツを開発、リトリート施設「アーユルウェルネスリゾート沖縄」にてアスリート専門プログラムも実施中。サッカー日本代表選手の体質も改善している。

執筆:松本実奈美(まつもと・みなみ)
元Yoga&Fitness編集部。退職後、ヨガ修行と一人旅を兼ねて約2カ月間インド生活を送る。WORLD PEACE YOGA SCHOOLの『200 Hour Yoga Teacher Training』講座修了

 

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