ヨガ

私がデザイナーをやめてヨガインストラクターになった理由「誰かの心と身体の栄養となる“時間”を提供する仕事がしたい」

ヨガを通して、美しい姿勢を作り、穏やかな心を養うことができたと答えるヨギーたち。そんなヨギーたちがヨガを始めたきっかけは何だったのでしょうか。ここでは、その原点となるエピソードをご紹介します。今回ご紹介するのはヨガインストラクターのよがくらげ雅子です。

【写真】よがくらげ雅子さんの美しいアーサナ

《 私がヨガを始めた理由 》

私のヨガとの出会いはまだ幼い頃、実に30年以上も前にさかのぼります。心身の不調をなんとか改善したいと、母が沖ヨガを始めたのがきっかけでした。今でこそ海外セレブや女優さん達がこぞって行い、一般的にもヘルシーなイメージがすっかり定着しているヨガですが、当時の日本ではまだほとんど知られてすらなく、始めは怪しい宗教か何かなんじゃないかと家族が心配したほどです。

ですがその後も母はヨガの効果を身体で感じる事でどんどんハマっていき、時代もどんどんヨガに注目が集まるように流れていたので、やがて歳の離れた姉達も学生の頃から習い出すように。

同じく私も学生の頃から趣味で習い出して、仕事を始めてからも細々とヨガを続けていました。幼い頃から家でも母が行うヨガを見て育ったので、私にとってもヨガをすることは当たり前のことだったんです。

ちなみに、一番最初に母に教えてもらったのは腹式呼吸とトリコナーサナ。トリコナーサナは今でも大好きなアーサナのひとつです。

《インストラクターになったきっかけ》

デザイナーをはじめて何年かはやりがいを強く感じていました。ですが、作る、出来上がる、消耗される、のサイクルがあまりに早いデザイン業界の流れと、自分の生きるテンポに次第にズレを感じるようになりました。

たくさんの人の目に触れるデザインを作っても、気持ちが置いてけぼりになっているような感覚。ついにはタイトな時間制限の中で日々のワークに疲れ、競争社会での人間関係やストレスで自律神経が狂い身体にもえも言われぬ不調を感じ始め休職を余儀なくされることに。ヨガを本当に好きになったのはその頃だと思います。

絵を描くのもデザインすることも大好きだけど、仕上がったモノだけが結果となる仕事ではなく、誰かの心と身体の栄養となる「時間」を提供する仕事がしたい。そんな意識が芽生え始め、より深くヨガを学ぼうと決意。インストラクターに転身しました。思えば私のそれまでの人生って、自分の計画通りに歩んでいました。進学、結婚、妊娠、出産、仕事…子供はもう1人うみたいなと思っていたそんな折、なんと双子を妊娠。

双子がお腹にやってきたことで仕事のこと、今まで築いて来たキャリアと今後のヴィジョンはここで一旦リセット。イヤイヤ期真っ盛りの長女を抱えて、双子の妊娠出産を乗り切るために東京を離れる決意をし、落ち着いて生活できる地元、関西に戻り新たに生活の地盤を移します。

全ては想定外のことでしたが、とても低い確率の多胎妊娠を自分の身体が引き寄せたという信じがたい事実が、私にあっさりそれまでの土壌を手放し、方向転換するよう促してくれました。

「そうきたか、ならこうしてみよう」と流れに身を委ねる生き方へ変化しだしたのはこの頃のように思います。そしてその生き方、考え方は子育てをすることでさらに自分の中で確かな軸となっていきました。

ヨガは確かにそのルーツには禁欲的な側面がありますが、私は決して無理して取り組む必要はないと思っています。肩肘張らずにゆるゆると楽しめばいい、気持ちよく身を任せてみよう。自分のレッスンでも、メディアでの発信でも、そんな思いをモットーにやっていきたいと思っています。

もし私の発信するヨガが、誰かの小さなプラスになれば…そんなに嬉しいことは、ありません。

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佐藤奈々子選手
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