前回のこちらの記事では、慢性的な疲労の理由として、「糖化」についてお話ししました。
今回は、ダイエットで話題になった「グルテンフリー」についてご紹介します。
まずは、前回の記事からご覧ください↓
桑原 弘樹(くわばら ひろき)
桑原塾 主宰。
スポーツサプリメント『パワープロダクション』の産みの親。NESTA JAPAN(全米エクササイズ&トレーナー協会)PDA。
武藤敬司氏率いるW-1(レッスルワン)コンディショニングコーチ。
国内外のトップアスリートに対して独自のコンディショニング指導を行い、各種スポーツ誌への執筆や講演会を実施するなど多方面にわたって活動中。
グルテンフリーの効果は、「ダイエット」だけじゃない!
慢性的な疲労の原因として、前回挙げた「糖化」と、もう一つ挙げられるのが「グルテン」です。グルテンフリーは、美容やダイエットの観点から一時期大きなブームとなりましたが、今後は慢性的な疲労対策から注目されるのではないかと考えています。
グルテンとは、小麦などに含まれているタンパク質ですが、このアミノ酸構成があまりよくありません。つまり、体内に入れてもあまり利用されないのです。ところが、グルテンはいわゆる粘り気の成分で、料理において役立つため、多くの小麦はよりグルテンリッチになるよう改良されてきました。結果として、小麦を使った食べものが身の回りに多く、我々は大量のグルテンを摂取するようになっています。
グルテンを抜くことで、アレルギーの炎症反応が減っていく?
もちろん、グルテン自体は悪いものではないのですが、過剰に摂ることや長期間摂ることによって、アレルギー反応を引き起こすことなり、グルテンフリーが提唱されるようになったのです。
血液検査によってグルテンにアレルギー反応のある人は、グルテンを抜くことで体調がよくなります。ただ、グルテンフリーを徹底すると、スパゲティやピザ、パンも食べられず、お米かオートミールくらいしか食べられるものがなくなってしまいます。アレルギーでない人が、そんなグルテンフリーの生活をすることに、これまで私は懐疑的でした。しかし、オフの期間に少し試してみたアスリートたちの多くがみるみるリカバリーしていくのを見て、考えを改めたのです。
今も明確な答えは出ていませんが、現在考えられるのは、血液検査で反応が出ない人であっても、微弱なアレルギーを持っている可能性があるということ。
一般的な食生活を続けていたら、大部分の人が大量のグルテンを摂り続けていることになります。それを取り除くことで、体内で利用され切れていないものを排除できて体調がよくなるのではないか、と仮説を立てています。グルテンを抜くことで、微弱な炎症反応が減っていくイメージです。
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