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関節の安定や肩こりなどにも効果的!簡単ケトルベルエクササイズ

今回はKBプレスのバリエーションをいくつか紹介します。より重いKBを上げたい、もっとジャークの回数を伸ばしたいなどという時は今回の解説を参考に補助または強化トレーニングにぜひプレス種目を取り入れてみてください。

文・写真:Nazo

ケトルベル(KB)・プレスのバリエーション

今回はKBプレスのバリエーションをいくつか紹介します。写真モデルをお願いしたインストラクターは、アメリカ中西部ネブラスカ州でジムを経営していたアメリカトップKBリフターの一人ビル・エッシュです。“ケトルベル・ウォリアー”ことビルはロングサイクル・プロ種目でアメリカ初のMSIC(マスターオブスポーツ・インターナショナルクラス)を獲得、数々のアメリカ記録保持者です。去る2月カリフォルニアで行われた世界大会では世界チャンピオンのデニス・ヴァシレフに次いで2位、数度目のMSタイトルを獲得しました。
KBの上げ下げやスイングなど、KBスポーツに限らずKB全般のトレーニングにおいて最も使われるのは下半身とともに肩周りの筋肉群です。より重いKBを上げたい、もっとジャークの回数を伸ばしたいなどという時は補助または強化トレーニングにぜひプレス種目を取り入れてみてください。プレス種目で最も鍛えられるのは、ローテーターカフ(回旋筋腱けん板)です。ローテーターカフは肩周りにある4つの筋肉(棘きょく上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)の総称ですが、これらのインナーマッスルを鍛えると、日常生活で重い荷物を移動させる、ボールなどを投げる、水泳、ラケットスポーツから格闘技などあらゆる場面で効果があります。また肩を使う運動において肩周りの関節の安定や肩こりなどにも効果が期待できます。今回は肩周りだけでなくコアや下半身も同時に鍛えられる種目も併せて紹介します。

1 KBデクライン・プレス

①あおむきに寝て左右からベルを握る。この時、脇をしっかり締めること(矢印)。そのあと写真のように両膝を立て胸部から膝までを浮き上がらせる(デクラインさせる)。※踵かかとがしっかりと地面についていること。
②立てた足を踏ん張り、コア、腹 筋、殿筋、大だいたい腿部にしっかりテ ンションをかけながらベルを真っすぐ上に上げる。
③腕が上まで伸びきったところで 腕をロックアウトさせ、一瞬完全に静止させた後、ゆっくり腕を下げて①にもどる。

2  オルタネート・ソッツプレス

スクワット状態からベルを左右交互にプレスする種目です。まずは立っている状態で練習し、そこでプレス可能な重量より1段階軽いベルからソッツプレスに挑戦します。肩周りだけでなく体のコアストレングスおよび体幹の安定性を強化できます。

①まず立った状態でダブルベルをクリーンした後スクワットする。  ※運動の安定性を保つためにここでも踵をしっかりとつけた状 態で行うこと。
②コアを引き締めながら(写真では右手の)ベルをプレスする。
③トップでベルを一度しっかりロックアウトさせ素早く息を吐く。
④ベルをラックポジションに戻す。
⑤今度は反対側の(写真では左手の)ベルをプレスする。
⑥③と同様ベルをロップアウト。
⑦再びラックポジションに戻る。 ①~⑦までが1レップで5レップスを1セットとし3セットほど行う。

3 ダブル・ソッツプレス

2番のエクササイズの応用編で、この種目はまずオルタネート・ソッツプレスができるようになってからトライをすること。

①ダブルクリーンをしてからスクワットする。
②コアを引き締めながら左右のベルを同時にプレス。
③オーバーヘッドでキッチリと一瞬ロックアウトさせ素早く息を吐く。
④KBスポーツではトップから一気にベルをラックへ戻すが、ここではスクワット状態なので、バランスを崩さないために気を抜き過ぎずにラックまでベルを戻す。
⑤ラックに戻ったら②に戻ってプレスを繰り返す。※側面写真の通り、ラックポジションでもトップでも背中は真っすぐに、そして前のめりにならぬよう注意。

4 クリーン・アンド・プレス

①スタートポジション。
②腰を後ろに引くような感じでベルをバックスイング。※背中が 湾曲しないこと。つま先が浮かないよう注意。
③ラックポジション。ベルを胸に収めるときに息を吐く。
④腰から下を全く動かさないまま 腹筋を引き締め、ベルをプレスする。
⑤腕を完全にロックアウトさせて息を吐く。このあとは④~③~②と戻り、クリーンとプレスを最低5レップスを1セットとして数セット行う。※側面写真では、3の場面で踵が浮いてしまわないよう注意(矢印)

Nazo
ケトルベル(KB)・インストラクターおよびコーチ。OKCJ代表・ヘッドコーチ。元OKCインターナショナル・ディレクターおよびヘッドコーチ。国際ケトルベル連合の元日本代表。2015年のIUKL世界大会には日本から初めてナショナルチームを引率しアイルランドのダブリンへ行く。日本で初めてKBスポーツ競技会の開催を始めたKBスポーツにおける日本の開拓者(フロンティア)でもある。訪日イベントでは、資格コースの指導者であるとともに通訳、マニュアル本の制作と翻訳も行う。また、米国フィットネス雑誌アイアンマンの日本版、アイアンマンジャパンではケトルベル記事を執筆。現在はジム勤務や競技生活の現役をリタイアし、主に個人指導、トレーニングのプログラミングおよびオンラインなどでKBやフィットネスの執筆活動などを行なっている。


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