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デッドリフトを筋トレメニューに加えるべき理由と正しいやり方

初級者のデッドリフト

トレーニング歴の浅い初級者がデッドリフトを行う場合、頻度は週1回、背中のワークアウト日の最後の種目にするといいだろう。また、その場合は以下の要領で4セットやってみよう。
①10~12レップ×1RMの50~60%の重量(1~2セット目)
②8~10レップ×1RMの60~70%の重量(3~4セット目)
※基礎筋力が伸びてきたらデッドリフトの頻度を週2回にしてみる。

中級者以上におすすめのデッドリフト

中級者以上のトレーニーはデッドリフトを週2回行うといい。その場合、2回のデッドリフトは同じことをやるのではなく、1回目は「高重量×低レップ」、2回目は「中重量×ハイレップ」で行うようにする。

高重量×低レップと中重量×ハイレップのやり方は、どちらを先にやってもかまわない。肝心なことは同じやり方で2回やるよりも、やり方を変えて常に新鮮な刺激が得られるようにすることなのだ。

中級者以上のトレーニーが週2回の頻度でデッドリフトを行うなら、次のようなやり方を試してみよう。

1回目:高重量の日

①10~15レップ×1RMの50~60%の重量(1セット目)
②10~12レップ×1RMの65~75%の重量(2セット目)
③8~10レップ×1RMの75~85%の重量(3セット目)

2回目:中重量の日

①15~20レップ×1RMの55~65%の重量(1セット目)
②15~20レップ×1RMの55~65%の重量(2セット目)
③10~15レップ×1RMの65~70%の重量(3セット目)
※ボディビルダー用のデッドリフトであるため、高重量×低レップといってもパワーリフターのようなセットあたり3~4レップしかできないほどの高重量を扱うわけではない。また、1RMはトレーニングを続けるうちに確実に向上するので、定期的に1RMをテストし、デッドリフトで用いる重量についても見直しをすること。筋力が伸びているのに使用重量を見直さないでいると、せっかくの伸びも停滞してしまうので注意しよう。

デッドリフトのバリエーション

デッドリフトにはさまざまなバリエーションがある。もちろん、基本的なデッドリフトを完全にマスターすることが何よりも先決だが、正しいやり方のレギュラーデッドリフトをマスターしたら、バリエーションにも挑戦していこう。やり方が少し変わるだけでも刺激の種類が変わるので、それが筋肉に新鮮な刺激となって発達反応を促すことができる。

また、デッドリフトのバリエーションによっては、特に発達を促したい部位や部分に焦点を当てて刺激することができるので、弱点を改善する目的がある場合にもバリエーションに挑戦することは大いに役立つはずだ。

トラップバー・デッドリフト

トラップバー・デッドリフトは菱形に溶接された特殊な形状のバーを使って行われる。トレーニーは菱形の枠の中に入り、体の真横にあるハンドルを握って保持し、デッドリフトの動作を行う。

この種目の長所は、動作のどの地点であっても負荷が体の中心にかかることだ。例えばバーベルを使うレギュラーデッドリフトでは、どうしてもバーが体から離れてしまって下背部への負担が増してしまうという人や、なかなか正しい姿勢でデッドリフトができないという人にとっては安全に動作ができる種目だ。

ラックプル

上背部や僧帽筋を徹底的に強化するならラックプルに挑戦しよう。ラックプルは、パワーラックのラックに乗せたバーを上げ下ろしするやり方で、ラックがバーを受け止めてくれるので、かなりの高重量を扱うことができる。また、床までウエイトを下ろさないので、下背部への負担が軽く、その点もまた高重量に挑戦することができる理由である。

スモウスタイル・デッドリフト

両足を広く開いた姿勢で行うのがスモウスタイル・デッドリフトだ。ワイドスタンスで行うので動作の可動域は狭くなるが下背部への負担は軽くなる。その代わり股関節周辺、ハムストリング、大腿四頭筋への刺激を強めることができる。

ルーマニアンデッドリフト

ルーマニアンデッドリフトの特徴は膝をほとんど曲げず、バーベルを床まで下ろさず、動作中は股関節の屈曲と伸展だけでバーベルを上げ下ろしするということだ。可動域はレギュラーデッドリフトより狭いが、運動による刺激の大半がハムストリングや殿筋にもたらされるので、特に下半身の背面を強化したい場合はおすすめだ。

片脚デッドリフト

ハムストリングや殿筋の筋力に左右差がある人は、できるだけ早期にバランスを改善したほうがいい。左右の筋力がアンバランスなままだと、どうしても弱い側のハムや殿筋に運動強度を合わせることになってしまう。

片脚デッドリフトは、弱い側のハムと殿筋を強化していくことができるのでおすすめだ。バランスが改善されるにつれて左右均等に力が出るようになり、それに伴って姿勢も安定してくる。姿勢が安定してくれば胴部の緊張もしっかり高められるようになり、より大きな力を発揮してデッドリフトに挑戦することができるようになるはずだ。

スナッチグリップ・デッドリフト

バーを握るときのグリップにスナッチグリップというのがある。スナッチという種目を知っている人ならピンとくるだろう。つまりは極端に広いグリップ、ワイドグリップのことである。ワイドグリップでデッドリフトを行うと、刺激の大半は背中、特に僧帽筋に集中する。ただし、ワイドグリップでは、レギュラーグリップのデッドリフトよりも使用重量は軽くせざるを得ない。それでも僧帽筋を特に極めたいと思うなら、レギュラーデッドリフトのセットの中にスナッチグリップを織りまぜて挑戦してみるのもいいだろう。

ボディビルダーにとってデッドリフトはとても有用な種目だし、その考え方は決して最近のものではない。昔からスターと呼ばれた多くのボディビルダーたちはデッドリフトをしっかり行っていたのだ。巨大な筋肉をつくり、極められたコンディションを手に入れるためにはデッドリフトは必須種目といっても過言ではない。

デッドリフトはパワーリフターのためだけの種目ではない。迫力があり、洗練されたコンディションを求めるなら積極的にデッドリフトを行って、自分の理想とするフィジークを完成させよう。


Sarah Chadwell
プロのライター、フィットネスライフ提唱者、パーソナルトレーナー、グループワークアウト・インストラクター、ナチュラルトレーニー、ボディビルダー、ビキニアスリート、フィギュアアスリート。


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