脚の筋肉をしっかり鍛えるには?筋肉の構造から知るために世界王者が解説

レッグエクステンションは大腿四頭筋、レッグカールはハムストリングを鍛えるマシンということは分かっていても、座り方やグリップなどのちょっとした違いで刺激の入る箇所は微妙に変化する。また、ハックスクワットとレッグプレスは、動作としては似ていても、股関節を動かすか、膝関節を動かすかで対象筋が変わってくる。今回は脚のトレーニングマシンの使いこなし術を細かく紐解いていく。

取材:藤本かずまさ 撮影:北岡一浩 実技モデル:小笠原淳 

ハックスクワット?レッグプレス?

脚のトレーニングマシンの選び方で重要になってくるのは、まずは動作が「股関節の屈曲・伸展」か、それとも「膝関節の屈曲・伸展」かどちらが中心かという点です。プレス動作での股関節の屈曲・伸展ではハムストリングや殿筋、内転筋。膝関節の屈曲・伸展では大腿四頭筋を使います。スクワットは膝関節だけでなく股関節の屈曲・伸展もでき、下肢全体を鍛えられる優れた種目と言えます。そのスクワットの代用種目としてよく挙げられるのがハックスクワットです。ですが、ハックスクワットは股関節、膝関節の屈曲比率は膝関節が大きくなります。一方で、「担ぐ」という動作が入るため多裂筋など体幹の筋肉が使われます。
では、レッグプレスはどうでしょう。こちらは股関節を屈曲した状態で動作を行います。さらに楕円軌道のレッグプレスでは股関節を動かしやすく、ハムストリングや殿筋を使うことになります。ただし、体幹で支える、という動作は弱くなります。スクワットの代用種目として、ハックスクワットとレッグプレスどちらを選ぶべきか。それは体幹を使うか、股関節を使うかで答えは変わってきます。まずはその2つのマシンの特長から見ていきましょう。

人のしゃがみ方には「股関節からしゃがむ(股関節屈曲・伸展)」パターンと「膝関節からしゃがむ(膝関節屈曲・伸展)」パターンがある。脚のトレーニングでは、股関節の屈曲・伸展か、膝関節の屈曲・伸展かで対象となる筋肉が異なってくる。スクワットの代用種目として挙げられるハックスクワットとレッグプレスは、そのパターンの違いによって効く筋肉が変わってくる。
また、膝関節中心の動きとなるハックスクワットは主に大腿四頭筋を使う種目になるが、セッティングを間違えると内側広筋にしか効かなかったり、膝を痛める要因になったりもする。レッグプレスも大腿四頭筋を狙うか、ハムストリングや殿筋を狙うかでマシンの選び方が変わってくるため、その違いを理解しておきたい。

しゃがみ方のパターン

脊柱を丸めてしまうパターン。腹圧がかけられず、腰などを痛める危険性も。また、脚への負荷が乗りにくい。

膝関節が屈曲・伸展するパターン。主に大腿四頭筋停止部(膝付近)を使う。

股関節が屈曲・伸展するパターン。主にハムストリングや殿筋、大腿四頭筋の上部を使う。

ハックスクワットは「膝関節中心の動き」

足を置く位置が非常に重要。挙げたときも下げたときも重心が変わらない位置に足を置く。セッティングでは、シートにお尻をつけた状態で、ゆっくりと下げながら重心が足裏に均等にかかる位置に置くようにする。動作中、目線は下げずに前に向け、お尻はシートにつけたままにする。

▶足を上に置くと

下げたときに骨盤が後傾し、お尻が浮く。腹圧が抜け、腰に大きな負担がかかる。また、刺激も内側広筋にしかいかなくなる。

▶足を下に置くと

下げたときにカカトが浮き、大腿四頭筋全体というよりカーフや内側広筋の力を使いがちになる。

ハックスクワットはお尻を後ろに引けない(前かがみになれない=股関節屈曲ができない)種目のため、膝関節中心の動きとなる。そのため、主に働く筋肉は大腿四頭筋になる。重要なのは足の位置。上のほうになると、下げたときに骨盤が後傾してお尻が浮いてしまう。これでは腹圧が抜け、腰を痛める要因にもなってしまう。反対に下のほうに置くと、下げたときにカカトが浮き、カーフや内側広筋だけを使いがちになる。足は、挙げたときも下げたときも足裏に均等に重心がかかる位置に置くように。シートにお尻をつけた状態でゆっくりと下げていき、その位置を探すようにしよう。立った状態では足裏全体がフットプレートについていても、下げたときにつま先に重心がいき、内側広筋だけを使ってしまうというパターンも少なくないので注意したい。

◆目線を下げると

下を向くと膝から曲げる身体の使い方になり、膝を痛めやすくなる。

線は前を向けると股関節を動かしやすい。

ハックスクワットでは足の位置と同様に目線の向きも大切。動作中はフットプレートに目がいきがちになるが、目線を下げると膝から曲げる動きになり、膝関節に負担がかかる。目線は前(もしくは上)を向けておくと、股関節を動かしやすく、膝にかかる負担を回避できる。ただし、股関節を動かしやすいと言っても、股関節を屈曲の状態にしているわけではないので動作で優位なのは膝関節になる。

次回は▶「股関節から動かす」レッグプレスを解説


鈴木 雅(すずき・まさし)
1980年12月4日生まれ。福島県出身。身長167cm、体重80kg ~83kg。株式会社THINKフィットネス勤務。ゴールドジム事業部、トレーニング研究所所長。2004年にボディビルコンテストに初出場。翌2005年、デビュー2年目にして東京選手権大会で優勝。2010年からJBBF日本選手権で優勝を重ね、2018年に9連覇を達成。2016年にはアーノルドクラシック・アマチュア選手権80㎏級、世界選手権80㎏級と2つの世界大会でも優勝を果たした。DMM オンラインサロン“ 鈴木雅塾”は好評を博している。


執筆者:藤本かずまさ
IRONMAN等を中心にトレーニング系メディア、書籍で執筆・編集活動を展開中。好きな言葉は「血中アミノ酸濃度」「同化作用」。株式会社プッシュアップ代表。

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