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「大胸筋を割る方法」不屈のボディビル日本王者が教える胸トレがヤバい(第1回)

月刊ボディビルディングの人気企画『ガチンコトレーニングバトル』にて、ボディビル現役日本王者である相澤隼人選手が武者修行トレーニングとして挑んだ相手は、2度の日本ボディビル選手権を制し、それと共にアジアンゲームズの金メダルも含む3度のミスターアジアをも制した“鋼鉄の男”こと、谷野義弘選手だ。今回は相澤選手の希望により胸のトレーニングを行った。谷野選手の大胸筋はその迫力が凄まじく、横から見たときの輪郭はもちろんのこと、ラットスプレッドのポーズをとったときに胸に走る、まるで大胸筋がいくつにも割れているように見えるストリエーションは、他を寄せ付けない“唯一無二”のものだ。そんな谷野選手との胸のトレーニングのはずであったが、相澤選手のいつものルーティーンの中に上腕二頭筋、腹筋が含まれているため、ボリュームがてんこ盛りのガチンコトレーニングバトルとなった。今回はベンチプレスとダンベルフライの解説を行う。

【写真】気迫のこもった相澤選手と谷野選手の大胸筋

胸の第1種目はベンチプレスであるが、先にウォームアップとしてプッシュアップ(腕立て伏せ)を行った。このプッシュアップの役割は胸の神経系の活性化である。動作自体はゆっくりであり、大胸筋を使い筋肉の伸展と収縮を行う。これによりベンチプレスの際の胸の筋肉の稼働率を上げることができるという。

そしてベンチプレスは、サムレスグリップ(※1)で行う。基本はサムアラウンドグリップ(※2)で行うことが多いベンチプレスだが、サムレスグリップで行う理由としては、握ってしまうと上腕三頭筋や三角筋の参加率が増してしまうからである。そのため、サムレスグリップでバーベルを乗せるようにグリップし、肩腕はリラックスした状態で大胸筋にフォーカスして動作を行っていく。
※1:バーやグリップに親指を巻かない握り方 ※2:バーやグリップに親指を巻く握り方

バーベルを降ろす際に谷野選手が相澤選手の背中に手を回し、胸をあげ胸椎の伸展を補助的に行った。また、このベンチプレスでは降ろす局面を非常に重要視するという。バーベルを降ろす際、力を抜いて降ろすのではなく、いかに筋肉に重さ乗せながら大胸筋を伸長していくかが肝となるのである。

「重さを乗せながら大胸筋を伸ばすことで、より強い刺激を大胸筋に感じることができました。また、谷野選手の胸椎伸展補助により胸が伸び、より強い刺激を大胸筋に感じることができました」

続いて第2種目は谷野選手自身、非常に重要視していたダンベルフライである。こちらのダンベルフライはフラットベンチで行い、胸のストレッチを狙っていく。第1種目同様、こちらも大胸筋で重量を受けながらストレッチを行い、再び大胸筋でスタートポジションへ戻す。ダンベルフライといえば、腕を広げる動作を思い浮かべる方も多いかと思うが、谷野選手のダンベルフライでは前腕が常に地面に対して垂直であることがカギとなる。前腕が外側に行くと、大胸筋から負荷が抜けて腕、肘周りに負荷が乗ってしまうからである。

「イメージとしては、フライプレスを想像して頂くと理解しやすいと思います。動作範囲を広げすぎてしまっても大胸筋から負荷が抜けてしまったり、怪我のリスクが増えるため、大胸筋の可動域内でダンベルフライを行うことがポイントです」

ここまで2種目、谷野選手式の胸トレメニューを行った。しかし、これからさらにトレーニングは奥深い場所へ進行していく……(続く)。

取材:FITNESS LOVE編集部 撮影:中島康介(大会)、徳江正之(2006年大会)、Ben(トレーニング)

【写真】気迫のこもった相澤選手と谷野選手の大胸筋

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