一昨年、日本ボディビル選手権で21歳という若さで優勝し、昨年も連覇した相澤隼人選手には、5歳年上で同じボディビルダーの双子の兄、飛鳥選手、翼選手がいる。この双子、過去に『マッチョ29』という筋肉エンターテインメントグループでアイドル活動をしていた。
1994年9月27日に生を受けた双子。神奈川県相模原市の出身で、自家用飛行機パイロットの父のもとに生まれた。双子の赤ん坊の名前には“空”に由来する名前の「飛鳥(兄)」、「翼(弟)」が付けられた。そんな父の影響で、ものごころついたときから飛行機が大好きな少年に成長していった。
保育園、小学校、中学生、高校と、2人は同じ進路に進む。同じことをして遊んだり、家族で旅行に行ったり、父の操縦する飛行機で離島に遊びに行ったりと、のびのびとした日常を過ごす。
筋トレに最初に目覚めたのは弟の翼選手。小学校4年生のときに2人とも柔道を始め、そのときに父が書店で買ってきた『月刊ボディビルディング』を特に翼選手が気に入り、一気に自宅での筋トレにハマる。
「相澤兄弟で一番最初に筋トレを始めたのは私です。というか、筋トレも含めて言えますが、相澤兄弟の中で様々なブームがありました。中学生のときに長渕剛さんの歌に私がハマった途端、飛鳥も聞き始めます。その後にサザンオールスターズにハマったら、またまた飛鳥が続いて。ボディビルにハマったら、数年後に飛鳥と隼人がやり始めて、という感じで、私が兄弟の中のブームをたくさん作っていったんです(笑)」
翼選手はいろいろなことに興味を持ち、自分から率先して趣味を作っていった。また、2013年に高校卒業後、自転車の専門学校へ入学し、新たな趣味、そして自転車業界人になるための活動を始める。そのころには筋トレ熱は完全に冷めており、マウンテンバイクや競輪に興味が傾く。そしてアイドルグループに熱中し、バイト代をたくさんつぎ込む日々を過ごしたという。
飛鳥選手は高校生時代、翼選手と共に柔道同好会で活動する傍ら、校舎内のトレーニングルームで筋トレにハマっていき、ボディビル選手を目指すようになっていく。柔道同好会の他、陸上競技部、合唱部にも入部していた飛鳥選手は、高校生3年生のときには生徒会長も務めた。卒業後の進路は、大学生ボディビルの名門でもある『神奈川大学』へ進学。ここからついにボディビル選手としての活動がスタートした。
「父の影響なのか、昔からデカいモノに憧れがありました。大きな飛行機、船とか、筋肉とか」
2015年初頭、飛鳥選手が19歳の時に大きな出会いがあった。それが『マッチョバスツアー』だ。その後、『マッチョ29』を結成させた代表と出会い、筋肉アイドルとしての活動が始まったのだった。
先にマッチョバスツアーのメンバーとして加入していた飛鳥選手が、翼選手に「お前も筋トレして絞ったら女子にモテるからトレーニングやってみ?」と言われ、その後、翼選手も本格的にジムに通い出し筋トレに目覚める。「モテたい」という一心で、ジムに通い始めてから最初の1カ月で約10㎏の減量に成功した。
そして2015年の6月10日、初となるであろう筋肉アイドル、『マッチョ29』がデビュー曲『ビバ!マッチョ』を引っさげてデビューした(続く)。
取材:FITNESS LOVE編集部 写真提供:相澤飛鳥・翼