4月9日(日)、埼玉・久喜総合文化会館でマッスルゲート北関東1が開催され、メンズフィジーク176㎝以下級とボディビル75kg以下級で、セミパーソナルジム「ゼロワンジム登戸」経営者の山口翔矢(やまぐち・しょうや/31)選手が2カテゴリーでの優勝を果たした。
スマートさや清潔感を重視し、全体のトータルパッケージやアウトラインで競うメンズフィジークと、究極の筋肉美を目指し、各部位の筋肉量、ボリューム、密度で競うボディビル。この2カテゴリーで、山口選手は優勝を果たした。
「以前から、フィジークとボディビルどちらにも出場していました。ですが本腰はボディビルに置いており、いずれはボディビル一本で勝負したいと考えています。やはり究極はボディビルだと思いますので」
山口選手は高校の陸上部の補強練習としてウエイトトレーニングを始めた。トレーニングを続けていくうちに大会への意識が強まり、2016年のベストボディ・ジャパンで大会デビューを飾った。その後の2018年、タイのフィジーク大会にも出場したことがあるという。
「前職でラオスに海外赴任をしていて、その際に隣国であるタイのフィジーク大会に出場しました。結果は8位入賞で、そこがフィジークのデビュー戦でした」
その後帰国し、本格的にボディビルへの挑戦を始めた山口選手。2021年にはマッスルゲート愛知大会でメンズフィジーク優勝、ボディビル75kg以下級4位の成績を残した。そして2年後のマッスルゲート北関東1では、見事ボディビル75kg以下級での優勝を勝ち取った。
「ボディビルに出場するにあたり、ポージングを最も意識しました。ポージングのパーソナルレッスンを受けたり、トレーニング中にポージング要素をふんだんに取り入れることで、ポージングの技術と同時にトレーニングの質も上がっていきました。また、自分の中で自信がある部位は、背中です。特に高重量のデッドリフトで背中を強くしていきました。重量は、床からのデッドリフトで170kg、ハーフデッドリフトで230kgで行っています。加えて、セット時の最終レップで筋肉を収縮させたまま10秒間保持することも意識的に行っています。それにより、ポージング時のカットやキレも増しました」
セット時の最終レップでの10秒間保持は、かなりのハードさである。そのハードなトレーニングの積み重ねが、山口選手の迫力のある肉体を作り上げたのだろう。山口選手の今後の目標は、ボディビル日本選手権でファイナリストに入ることだ。圧倒的な背中を武器に、どこまで駆け上がるのか。
取材・文:FITNESSLOVE編集部 撮影:中島康介