昨年の世界女子フィットネス選手権、ビキニマスターズで3位に入賞。国内大会では連覇を達成した長瀬陽子選手は現在、新人選手の育成や選手の大会出場における手助けをしながら、自身の身体に磨きをかけている。以前は2015年にミセスワールドの日本代表として、ビキニ選手となる前にも世界大会への出場経験を持つ。様々な一面を持つ“長瀬陽子”選手が、フィットネスに目覚めた経緯を探る。
長瀬選手はトレーニングを始める以前、36歳(2015年)のときに国内のミセスコンテストを経て、ミセスワールドの世界大会の日本代表として選ばれた。世界大会は2週間ホテルに缶詰状態となり、大会当日のダンスレッスンやスピーチレッスンが続いた。
「40カ国以上の代表たちと寝食をともにしことは大変疲れるものでしたが、欧米の代表たちは少しの休憩時間でもドレスからレギンスに履き替え、ホテルのジムにトレーニングに行っていました。そのレギンス姿が私にはカッコよく見えて、私も欧米のミセスたちのようなライフスタイルを送りたい。セクシーなドレスが似合うメリハリある身体になりたい!と思い、大会を終えて帰国後、すぐにゴールドジムに入会しました」
もともと細身でメリハリが全くなく、棒のように真っすぐな魅力のない体型が嫌だったという長瀬選手。トレーニングを始めて8年目の今、背中の広がりができ、殿筋が付いたことにより、以前よりも身体のアウトラインが砂時計のようなシルエットになってきたのではないかと、自身を評価する。
「私は美術大学を卒業しているのですが、自分の身体を彫刻作品と見立てて、美しい造形物を創るために付けたい箇所に筋肉を付ける。落としたいところの脂肪を落とすなど、筋トレを通して自分の身体を自分の思うようクリエイトしているんだ!と思うと、毎日が創作活動のようにワクワクと楽しい気持ちになります」
そんな長瀬選手のトレーニングでのこだわりでは「毎日良い状態で元気にトレーニングしたい!」という思いがあるため、コンディショニングにはしっかり力を入れて取り組む。足の指から全身、手の指までよくストレッチをしてから就寝をとる。また、体幹が不安定な状態でのトレーニングもケガをしやすいと思い、ピラティスで体幹トレーニングをしているという。そして、ビキニフィットネスのカテゴリーに特化したこだわりも。
「世界で活躍するビキニフィットネストップ選手の身体を研究して、自分の身体がそのデザインから離れていないかを俯瞰で見ながらトレーニングしています。ザックリ言いますと、僧帽筋、腕は発達させない。ウエスト、膝周り、カーフを太させない。全体像が四角い印象にならない、などを気をつけながらトレーニングをしています」
昨年は殿筋の弱さが課題に思ったと話す長瀬選手。今まで殿筋にはいろいろなアプローチをしてきたが、今年は高重量のスクワットを取り入れているという。
「昨年までは、せいぜい70㎏くらいまでのスクワットをしてきましたが、今年はトレーナーの補助の元、100㎏以上のスクワットをしています」
今年の目標は世界選手権に出場し、45歳以上クラスでの優勝に焦点を当てている。また、引き続き、新人選手の育成にさらなる力を注ぐことにも意気込む。
「今現在もたくさんのビキニフィットネス選手やフィットモデル選手、マッスルゲートドリームモデル選手の育成をしています。今後も続けていきたいと思っております。特に、子育てを終えた私と同世代以上の方に新しい目標を持つことの素晴らしさを伝え、目標達成の手助けができれば幸いです。これは今もやっていることですが、私と同じく身体に大きな傷がある女性選手へのチャリティセミナーも続けていきたいと思います」
取材:FITNESS LOVE編集部 撮影:中島康介(大会) 写真提供:長瀬陽子
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