一般競技者からトップアスリートまで、さまざまな選手の栄養サポートを行う管理栄養士・健康運動指導士のTejinが、「ゼロカロリー飲料、食品のメリット、デメリット」について解説します。

コンビニやスーパーには、コーラやサイダーなどの清涼飲料水だけでなく、ノンアルコールビールや栄養バーなど、さまざまなゼロカロリー・カロリーオフ商品が並んでいます。
ダイエットや健康管理のために、砂糖入り飲料の代わりとして利用している人も多いのではないでしょうか。
一方で、
「人工甘味料は身体に悪い?」
「ゼロカロリーならいくら飲んでも大丈夫?」
といった疑問を持つ方も少なくありません。
今回は、ゼロカロリー飲料や食品に使われる人工甘味料の特徴や、メリット・デメリットについて解説します。
人工甘味料とは?
人工甘味料とは、砂糖の代わりに甘味をつけるために使用される甘味料のことです。
代表的なものとして、
・アスパルテーム
・アセスルファムK
・スクラロース
・ステビア
・エリスリトール
などがあります。
これらは少量でも強い甘味を感じられるため、カロリーや糖質を抑えながら甘味をつけることができます。
人工甘味料は本当に安全?
人工甘味料については、
「身体に悪いのでは?」
「発がん性があるのでは?」
といった不安の声もあります。
しかし、日本で使用が認められている人工甘味料は食品安全委員会などによる評価が行われており、一生涯毎日摂取しても健康への悪影響がないと考えられる量として「ADI(許容一日摂取量)」が設定されています。
食品安全委員会によると、日本人のアスパルテーム摂取量はADIを大幅に下回っており、通常の摂取量であれば過度に心配する必要はないと考えられています。
ただし、「安全だから無制限に摂取して良い」という意味ではありません。適量を守りながら活用することが大切です。
冷たい飲み物は甘味を感じにくい?
人は一般的に、飲み物の温度が低いほど甘味を感じにくくなると言われています。
そのため、清涼飲料水には想像以上に多くの糖類が含まれていることがあります。
一方で、ゼロカロリー飲料は人工甘味料を使用することで、カロリーを抑えながら強い甘味を再現しています。
ただし、甘味の強い飲み物ばかりを飲む習慣が続くと、水やお茶を物足りなく感じたり、甘いものを欲する習慣につながったりする可能性もあります。
そのため、ゼロカロリー飲料であっても無制限に飲むのではなく、水やお茶を基本としながら上手に活用することが大切です。

ゼロカロリー飲料・食品のメリット
カロリーや糖質を抑えられる
ゼロカロリー飲料や食品の最大のメリットは、カロリーや糖質を抑えられることです。
例えば500mlの清涼飲料水には50g前後の糖質が含まれている商品もあります。
ゼロカロリー飲料を活用することで、飲み物から摂取するエネルギーを大幅に抑えることができます。
ダイエット中に甘い飲み物を我慢するのが難しい場合でも、砂糖入り飲料の代わりとして活用しやすい点は大きなメリットです。
血糖値への影響が少ない
人工甘味料の多くは血糖値をほとんど上昇させません。
砂糖入り飲料は飲んだ後に血糖値が急上昇しやすくなりますが、ゼロカロリー飲料は糖質摂取量を抑えたい人にとって選択肢の一つになります。
特に減量中や健康管理を意識している人にとって活用しやすい食品と言えるでしょう。
虫歯リスクを抑えやすい
虫歯の原因となる細菌は糖を利用して酸を作ります。
人工甘味料の多くは虫歯菌のエネルギー源になりにくいため、砂糖入り飲料や菓子と比較すると虫歯リスクを抑えやすいと考えられています。
ダイエット中だけでなく、口腔内の健康管理という面でもメリットがあります。
食事管理のストレス軽減につながる
ダイエット中に甘いものを完全に禁止すると、ストレスが溜まりやすくなる場合があります。
ゼロカロリー飲料や食品は甘味を楽しみながらカロリーを抑えられるため、食事管理を継続しやすくなる可能性があります。
継続できる食習慣を作るという意味では大きなメリットです。

ゼロカロリー飲料・食品のデメリット
強い甘味への慣れ
ゼロカロリーであっても甘味が非常に強い商品は少なくありません。
そのため、甘い飲み物ばかり飲む習慣が続くと、水や無糖のお茶を物足りなく感じる可能性があります。
現時点では人工甘味料が味覚を鈍らせることを明確に示した研究結果はありませんが、強い甘味への慣れには注意したいところです。
「ゼロカロリーだから安心」と思いやすい
ゼロカロリーという表示によって安心感が生まれ、
・飲む量が増える
・お菓子を余計に食べる
・食事量が増える
といったケースもあります。
実際には食事全体の摂取エネルギーが増えてしまえば、ダイエット効果は期待できません。ゼロカロリーであっても、食生活全体で考えることが重要です。
胃腸トラブルにつながる場合がある
低糖質スイーツやガム、栄養バーなどに使用される糖アルコールは、大量摂取すると、
・下痢
・腹部膨満感
・お腹の張り
などの原因になることがあります。特に運動前や試合前の大量摂取は避けた方が良いでしょう。
スポーツ時のエネルギー補給には向かない
近年はゼロカロリーのスポーツドリンクも販売されています。これらは水分や電解質補給には役立ちますが、糖質がほとんど含まれていません。
そのため、
・マラソン
・トライアスロン
・HYROX
・真夏の屋外スポーツ
などではエネルギー補給が不足する可能性があります。
運動パフォーマンスを維持したい場合は、通常のスポーツドリンクや補給食が必要になることもあります。

ゼロカロリー飲料・食品との上手な付き合い方
ゼロカロリー飲料や食品は、適量であれば過度に心配する必要はありません。むしろ、ダイエット中に甘い飲み物を我慢し過ぎるストレスを軽減できる場合もあります。
ただし、
・水
・お茶
・炭酸水
など無糖の飲み物を基本とし、
「どうしても甘いものが欲しい時の選択肢」
として活用するのがおすすめです。
また、ゼロカロリーだからといって健康効果が高まるわけではありません。あくまで砂糖入り飲料や高糖質食品の代替手段として考えることが大切です。
まとめ
ゼロカロリー飲料や食品は、カロリーや糖質を抑えながら甘味を楽しめる便利な選択肢です。
適量であれば過度に心配する必要はありませんが、
・強い甘味への慣れ
・飲み過ぎ
・胃腸トラブル
などには注意が必要です。
また、スポーツドリンクであってもゼロカロリーの場合は糖質補給ができないため、運動内容によって使い分けることが重要です。
日常の水分補給は水やお茶を基本とし、ゼロカロリー飲料や食品は目的に応じて活用することが大切です。
■参考文献
・アスパルテームに関するQ&A | 食品安全委員会 - 食の安全、を科学する
・う蝕の原因とならない代用甘味料の利用法 | 生活習慣病などの情報(e-ヘルスネット) | 健康日本21アクション支援システム Webサイト
■著者プロフィール
申泰鎮(シン・テジン)
管理栄養士・健康運動指導士。高校時代のボクシング経験をきっかけにスポーツ栄養士を志す。現在はボクシングジムや大学ラグビー部で、増量・減量・コンディショニングに対応した栄養サポートを実施。競技者から一般層までを対象に、食事・サプリメント・身体づくりに関する実践的な支援を行う。執筆や講演活動も多数。
web構成:中村聡美










