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トレーニング歴がある人もホームジムを活用しよう【家トレで一流の肉体をつくる】

ホームジムでのワークアウト例

[全身の分割例]
●月曜日:脚
●水曜日:胸、肩、上腕三頭筋
●金曜日:背中、上腕二頭筋

[月曜日のワークアウト]
①バーベルスクワット
12レップ×3セット
②シシースクワット
15レップ×3セット
③ブルガリアン・スプリットスクワット
20レップ×2セット
④スティッフレッグド・デッドリフト
10レップ×3セット
⑤バンド・ライイング・レッグカール
12レップ×3セット
⑥片足で行うスタンディング・カーフレイズ
20レップ×3セット
※ダンベルなどを保持して負荷にする。
※左右に1セットずつ行ってからセット間休憩を取る。
⑦シーテッドカーフレイズ
25レップ×3セット
※イスやベンチ台に座る。つま先をカーフブロックに乗せ、膝は直角に曲げる。ダンベルを膝より少し上の位置に乗せて負荷にする。
⑧カーフスクワット
30レップ×2セット
⑨クランチ
50レップ×2セット

[水曜日のワークアウト]
①ベンチプレス
5レップ×5セット
※ダンベルもしくはバーベルで行う。
②ディップス
限界レップ×2セット
※イスやテーブルなど、同じ高さの家具などを使って行うことができる。この種目の代わりにプッシュアップ(腕立て伏せ)でも構わない。
③ダンベルフライ
20レップ×2セット
※ダンベルがない場合はバンドを活用する。
④サイドレイズ
10レップ×3セット
⑤リアレイズ
10レップ×3セット
⑥フロントレイズ
10レップ×3セット
※④⑤⑥は3種目を連続して行うトライセット法で行う。3種目を1セットずつ行って1サイクルとし、この時点で休憩を取る。同じようにして2サイクル目、3サイクル目を行う。
※サイクル間の休憩は45秒に制限する。
⑦オーバーヘッドプレス
8レップ×2セット
※バーベルまたはダンベルを使って行う。
⑧ライイングエクステンション
12レップ×2セット
⑨ワンハンド・トライセップスエクステンション
12レップ×2セット
⑩キックバック
10レップ×2セット
※ダンベルまたはバンドを使って行う。
⑪ニーインズ
25レップ×2セット
※床にあお向けになり、両脚を伸ばしたまま床から数センチだけ浮かせた姿勢を作る。この状態から膝を曲げながら膝を胸に近づけ、それから再び伸ばすという運動を繰り返す。
※体幹部をしっかり緊張させた状態を保ち、ゆっくり丁寧に繰り返す。

[金曜日のワークアウト]
①チンアップ
限界レップ×2セット
②バーベルロウ
8レップ×3セット
③クロースグリップTバーロウ
6レップ×2セット
※バーベルの片側を壁の隅などに押し当てる。バーをまたぐようにして立ち、両手でバーを握って行う。
④バンドロウ
12レップ×2セット
※バンドの輪を両足で踏んで、スタンディングスタイルで行うことができる。あるいは、バンドの輪を両足に引っかけてシーテッドスタイルでも行える。
⑤ダンベルカール
8レップ×2セット
⑥インクラインカール
12レップ×2セット
⑦コンセントレーションカール
20レップ×1セット
⑧リストカール
20レップ×1セット
⑨リバース・リストカール
20レップ×2セット
⑩ハンギング・ニーレイズ
限界レップ×2セット

バンドを使った種目について

ラバーバンドを使った種目をいくつか組み込んだが、バンドは非常に利用価値が高い。
この機会にバンドを購入するという人がいれば、専用のハンドルとドア枠に引っかける部品が付属しているものがいいだろう。このような付属品があるだけでバリエーションが増える。
また、バンドは張力の強さによって負荷を増減することができるので、張力の異なるバンドがセットになっているものを選ぶといいだろう。一般的に販売されているものでも10~25kg相当の張力のバンドがセットになっていることが多いようだ。
バンドがあれば、ダンベルやバーベルなどの代わりに活用できる種目がある。関節にも負担がかかりにくく、使い慣れてくると持続的な筋緊張を得ることができる。より充実したホームトレーニングを目指すなら、ぜひバンドを用意しておきたい。

パワーラックがあれば完璧

効果を上げるには高価な器具が必要だと思っているとしたら、それは大きな誤解だ。それでも、トレーニング歴のある人が自宅でも満足できるワークアウトを行うなら、やはりパワーラックは必要だろう。
ジムに設置されているパワーラックは頑丈にできているので高価だが、自宅で使うパワーラックならそこまでの耐久性は必要ない。ホームジム用のパワーラックが各メーカーから数多く販売されているので、比較検討して予算に合わせて購入するといいだろう。
パワーラックの中にはバーベルバーとプレートがセットになっているものもある。ホームジムにそこまで求めていないというのであれば、パワーラックと手持ちのフリーウエイトだけでも十分だ。なぜなら、ワークアウトの強度を高める要素は使用重量だけではないからだ。
たとえば、ジムでは高重量でトレーニングし、ホームジムではウエイトを下ろす動作を極端にゆっくり行ってみたり、セット間の休憩を極力短くしてみたり、スーパーセット法やレスト&ポーズ法など強度を高めるテクニックを多用するという方法もある。そのようなテクニックを最大限に活用するためにも、やはりパワーラックはあったほうがいいだろう。

ホームジムの目的を理解する

トレーニング歴のある人にとって、今さらホームジムを作ることに何の意味があるのかと思う人もいるだろう。また、コロナ禍でジムが閉まっているなら、その間のトレーニングは諦め、自粛が明けたらジムでのトレーニングを再開し、遅れを取り戻せばいいと考える人もいるだろう。
考え方は人それぞれだが、せっかくトレーニングが習慣になり、ここまで筋肉を作り上げてきたのに、それをゼロに戻すのは私にはできない。だから自宅でできることを行い、少しでも筋発達が停滞しないように努力を続けたいのだ。
ホームジムの環境を整えるのはそのためである。ジムがいつ営業を再開してもすぐにスタートが切れるようにするためのホームジムであり、今後のトレーニングライフをより充実したものにするためでもあるのだ。それを構築するチャンスが今、到来しているといってもいいだろう。
先にも述べたが、ホームジムがあれば1日2回のダブルスプリットだって可能だ。自粛期間に限らず、仕事や勉強などでジムに通えない期間であっても、ホームジムがあればトレーニングを休む必要はなくなる。
しっかりしたトレーニングをやらなければならないと構える必要はない。筋肉を軽くパンプアップさせるようなトレーニングや、気分転換に適したトレーニングするなど、ホームジムの活用は無限なのだ。
ジムに通うことを前提にしたホームジムの利用法としてこのようなやり方はどうだろうか。たとえば胸の日に以下の内容のワークアウトをジムで行ったとする。
●インクライン・スミスマシンプレス
●ディップス
●ハンマーストレングス・ディクラインプレス
●ケーブル・クロスオーバー
その後、3日ほどしてから胸筋を刺激するバンド種目を行うと疲労回復が促される。たとえばバンドフライとスタンディング・バンドプレスをスーパーセットで組み合わせ、いずれもハイレップスで2、3サイクルを行う。具体的なやり方については、バンドに付属する種目の解説などを参考にするといいだろう。
疲労回復を促す目的で行うなら、対象筋を限界まで追い込む必要はない。目的は「血流量を増やして疲労物質を押し流す」ことだ。また、ホームジムで疲労回復のためのワークアウトを終えたら、最後はアイソメトリックポージングで仕上げるようにするとなおいい。
アイソメトリックポージングは、対象筋を収縮させるポーズをとり、そのポーズをしばらく保持するというものだ。胸筋ならモーストマスキュラーのポーズをとり、それを30~60秒間保持する。ポージングはコンテストに出場する予定がない人でも、対象筋と神経を連動させる効果が得られるのでおすすめだ。ジムではなかなかできないことでも、ホームジムなら誰の目を気にすることもなく様々な挑戦ができるのも大きな利点だ。
胸のワークアウトの仕上げとして、胸筋を強烈にストレッチする種目をワークアウトの最後に加えるのもいいアイディアだ。壁などを利用して胸筋をストレッチさせた姿勢を60秒ほど保つようにすると血流量が増加し、疲労物質の除去を積極的に促すことができる。
IFBBプロボディビルダーのマーク・ダグデイルは、ワークアウトの最後に対象筋をストレッチさせる種目を取り入れていた。疲労物質の速やかな除去は、筋発達を促す効果が期待できる。全身の部位に行う必要はないが、弱点部位のワークアウトを行ったときは、ワークアウトの最後に対象筋を強烈にストレッチさせるような種目を行ってみるといいだろう。

まとめ

トレーニング歴がある人でも、ホームジムがあれば様々な工夫を凝らすことができ、チャレンジ意欲を高めることができる。ホームジムは設備に乏しく、あれもこれもできないと思ってしまいがちだ。しかし、見方を変えれば、様々な実験や挑戦を行うならホームジムはまさに打って付けなのである。高価な器具は不要だ。基本的な器具と工夫次第でたくさんの種目を行うことができる。
世界情勢はまだまだCOVID19に翻弄されている。ジムの休業や営業自粛は今後も繰り返されるかもしれない。
しかし、それでも私たちは地道にワークアウトを続けていこうではないか。ホームジムの環境を整えることは、平穏な世の中が戻ってからも無駄になることはないのである。
ネガティブにならないこと。自分の能力に制限をかけないこと。学び、工夫する意欲を失わないこと。どのような状況であってもトレーニングを続けることは、自分自身の向上につながるのだ。

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執筆者:William Litz
カナダのウィニペグで活動する有資格のパーソナルトレーナー。過去10年以上にわたり、フィットネス系雑誌やオンライン雑誌にトレーニング関連の記事を執筆してきた。ボディビルに精通しており、熱狂的なボディビルファンでもある。


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