デッドリフトは厚みを作るためというより、背中を総合的に発達させるための種目として捉えたほうがいいだろう。また、できるだけ下半身の力を運動に参加させたくはないので、先にも解説したとおりパワーラックのセーフティーバーを活用して、床からではなくスネの中央あたりをスタートポジションにする。そうすることで下半身の関与を最小限にとどめることができ、背中全体を集中的に刺激する種目になる。
1990年代に活躍したマイケル・フランソワというボディビルダーを覚えている人もいるだろう。彼は見事な背中を完成させていたが、そんな彼の背中の厚みを作り上げたのはパーシャルレップでのデッドリフトだった。スタート地点を高くするためにパワーラックを使い、しかも両足をできるだけ広げた相撲スタイルでのデッドリフトを好んでやっていた。その効果は彼の背中を見れば一目瞭然だ。
デッドリフトで背中を鍛えるといっても、ウエイトの上げ下ろしに伴って広背筋をストレッチさせたり収縮させるというものではない。背中に効かせるデッドリフトの動作で大切なのは、広背筋を意識して広げ、動作中は広背筋を緊張させた状態をしっかり維持すること。いわゆる静的収縮(アイソメトリックホールド)である。この状態を保ってデッドリフトを行うと、バーベルの重さが広背筋に負荷となってかかってくるのが分かるはずだ。
背中に効かせるためのデッドリフトでは、ボトムポジションに戻すたびにセイフティーバーにバーベルを乗せて休まないようにしたい。レップごとにバーベルを置いてしまうと負荷が広背筋から抜けてしまうからだ。また、バーベルを引き切ったトップポジションでは肩が上がらないようにし、肩を後方にしっかり引き、広背筋も含めた背中全体を意識するように心がけてみよう。
デッドリフトは最後の種目として行う。この時点で背中の筋肉は十分に疲労しているので、無理して高重量を使う必要はない。高重量を使わなくても背中はしっかり刺激されるし、最後の種目として行うことで、デッドリフトが背中に効く感覚がつかみやすくなるはずだ。
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