週に5回も6回もジムでワークアウトする時間的な余裕はない。現代人は忙しいのだ。できるとしたら3回くらいか……。でも、そんなに少ない頻度では理想の体は作れない、そう思って諦めているなら考え直したほうがいい。週3回の頻度でも、選択する種目、やり方を工夫するだけで理想の体に近づけることができるのだ。おまけに各部位には2種目のみで、1回のワークアウトで2つの部位を刺激するので、トータルで4種目だ。それでサイズや筋力が伸ばせるとしたら俄然興味が湧いてくるはずだ。
text by IRONMAN
多関節種目と短関節種目を
組み合わせる
先に述べたとおり、今回紹介するのは週3日のワークアウトで、1回で2つの部位を刺激し、各部位に2種目行う。つまり、1回のワークアウトで行うのは4種目だけだ(実際は3回目の腹筋、上腕、カーフの日のみ8種目)。
各部位に行う最初の種目は多関節種目である。つまり、対象筋とその周囲の筋肉が運動に参加する種目で、複数の筋肉が関与するので高重量を扱うことができる。ここでの高重量とは、6〜8レップで限界がくる重量のことだ。このくらいの高重量を用いることで対象筋を構成する速筋線維に強い刺激がもたらされ、筋力とパワーを向上させていくことができるのだ。もちろん、強い刺激によって筋線維が傷つけばしっかり筋肥大も得られる。
2種目目には対象筋だけが運動に参加するアイソレーション系(短関節種目)を選ぼう。アイソレーション系は特定の部位が主に刺激を受ける種目であるため、対象筋を限界まで追い込むことが可能なのだ。もちろん、それができるのは1種目で多関節種目を行うからだ。
アイソレーション系の種目では12〜15レップで限界がくる重量を選択しよう。ただし、カーフと腹筋については、それよりも重い重量を選択するようにしたほうがいいだろう。カーフと腹筋はタフな部位である。そのため、この2つの部位はアイソレーション系の種目であっても重い重量を扱うほうが効率がいいのである。
アイソレーション系の種目では比較的ハイレップで行うことが推奨されている。そうすることで対象部への血流量が増加し、毛細血管が発達し、より多くの酸素と栄養素が運搬されるようになるからだ。筋肥大を起こすにはこの条件はしっかり満たされなければならないことを頭に入れておこう。
このように、特定の部位に対して高重量が扱える多関節種目(1種目目)と、ハイレップで行う単関節種目(2種目目)の2種目を行うだけで、対象筋が発達するための刺激は十分に得られると考えられる。ひとつの部位に2種目、1回のワークアウトで2つの部位のみで終えられるなら、ジムで過ごす時間を最小限にとどめることができ、どれだけ忙しいという人でもトレーニングスケジュールを組むことができるはずだ。
共通のルール
どの部位に対しても、必ず以下の点を守ってほしい。また、このプログラムを開始したら、最低でも4〜8週間は継続して結果を確認してみよう。
●どの部位のワークアウトでも、高重量を扱う種目では必ず最初にウォームアップを1セット加えること。このウォームアップセットは軽い重量で15〜25レップを行う。ウォームアップは1セットでかまわないが、足りないと思う人は2セットでもいい。ウォームアップセットを行うことで対象部への血流量が増して筋肉が温まるので、本番セットを開始するための準備を整えることができる。
●高重量を扱う種目ではセット間の休憩を2〜2.5分取るようにする。十分な休憩を取ることで次のセットでも最後のレップまでしっかり動作を行うことができるようになるはずだ。
●アイソレーション系の種目では、セット間の休憩を60秒以上取らないようにする。ハイレップで行う種目では、セット間の休憩で筋中の乳酸を極端に除去したくはない。なぜなら、乳酸の蓄積は筋発達に役立つ成長ホルモンの分泌を促すことにつながるからだ。
●体脂肪を減らしてコンディションを改善したい時期であれば、ウエイトトレーニングとは別に有酸素運動が必要だ。有酸素運動は1回あたり30〜45分程度で、これを週3〜5回は行うようにしよう。有酸素運動を行うタイミングは、ウエイトトレーニングの後、もしくはウエイトトレーニングをやらない日が理想である。
●ウエイトトレーニングのワークアウトは、連続した日程で組まないようにしよう。例えば今回は週3回のワークアウトモデルなので、月・水・金曜日、火・木・土曜にというように1日置きにジムに行くスケジュールを組むのが理想である。
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