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自称「どこにでもいる運動が趣味のおばちゃん」が美しいボディラインでボディコンテストで連勝!

黒川紀子さん「トレーニングも食事も特別なことはなにもしてません。むしろ、大会は特殊な鍛錬を行って、特異な食事を取らなければ勝てないという常識を打ち破るためにステージに立っています」

【写真】黒川紀子さんの美しいボディライン

2021年の初出場より数々の大会で優勝、総合優勝を果たしてきた黒川紀子(くろかわ・のりこ/46)さんが、10月9日(月・祝)、ウインクあいちにて行われた『Super Body Contest(SBC)2023』愛知大会(AICHI10)『SBC部門』MONARCH(40〜49歳)で1位となった。黒川さんは2022年の『SBC FINAL(全国決勝大会)』の同部門総合優勝者でもあり、今年もすでに7月23日(日)のSBC兵庫(HYOGO04)での総合優勝、6月17日『筋肉祭』(SBC含む3団体合同開催大会)関西においてもビキニモデル・フィットネスモデルともに1位と快進撃を続けている。

そんな自身のトレーニングや食事を「ガチトレーニー」ではなく、日常・趣味の延長であるに過ぎないと黒川さんは語った。黒川さんは会社勤めのかたわらで土日のみジムに通う、自称「どこにでもいる運動が趣味のおばちゃん」だという。トレーニングもほとんどを自宅で行い、2キロのダンベルしか所有しない。

「セット数や回数を数えることもしません。筋肉にきちんと刺激が入っているか、その日の体調に合わせて限界からあと3回とか、そういう追い込みは大事にしますが、やっていることそのものは、どなたでもできるものです」

たしかに、黒川さんが行うのはブルガリアンスクワット、サイドレイズ、チューブバンドを使ったエクササイズなど、「宅トレ」として知られているものばかりである。ジムでもマシンにも特にこだわらず、そのときに鍛えたい部位のものを色々試しているという。

「ジムってこれから運動をしようという人には少し敷居が高いし、ましてや大会なんて特殊な人しか出られない場所だと思っている人がほとんどでしょう。私はフィットネスとはもっと開かれたものであるべきだと思うので、逆に『この程度の身体なら作れて、大会にも出られるんだ』と思って欲しいです」

食事管理についても、アドバイスを求められるたびにこう答えているという。

「よく、鶏胸肉とブロッコリーしか食べないみたいなことをされている方がいますが、それは生活として楽しいのか、一生やっていられるのかということを聞きます。食材そのものは栄養素としてはもちろん優秀ですが、美味しく調理して食べてこそ身になると思っています」

「前提として、節制は必要です。砂糖やバターたっぷりの洋菓子やパンばかり食べていたらそれは太ります。でも白米はしっかり食べるべきだし、フルーツだって全然食べてもいい。よく『こんなに食べてしまっていいんですか?』と聞かれるんですが、『いいから食べてみなさい。太らないから』と後押しします。気をつけるべきは、日本人には水分の残りやすい小麦の食べ過ぎや添加物、精製した糖くらいで、自然的な食物だけでは人間はそうそう太りません」

トレーニングも食事もあくまで日常の延長線である、という意志のもと、逆に「日常がトレーニングである」と語った。

「歩き方に軸を通す、階段の登り降りにお尻を意識する、立ち姿勢で少し胸を張ってみる、鏡を見たら笑顔を作ってみる、身体にさわったときはくびれを確かめてみる……。こういう習慣こそがトレーニングだと思っています。ジムに1日中いるわけじゃないでしょう? ほとんどは生活の時間であり、だからこそ生活の中で身体は作られると考えています」

ステージで一瞬輝くためだけの美ではなく、日々、健康的に輝いていられる自分を作るための行為がトレーニングなのだ。

「40歳も後半になると、子育ても落ち着いて第二の人生が始まります。同時に、他の諸問題や身体に不調を抱える人は多いです。ジムや大会に全力投球できる人はそうそういない。だけど、だからこそ、そのときやりたいことをやれる範囲で全力で挑戦してみる機会に感謝して大切にしたいと私は思っています。母としての人生を思いっきり楽しんだあとの、“自身の人生”を謳歌する瞬間として、私はステージを選びました」

「それが書道であろうと、お花であろうと、語学であろうとなんでもいい。打ち込めるのであれば全霊を傾けて臨むのは人生をより華やかにしてくれます。私はこれだけステージに立っていますが、もう好きじゃない・楽しくないなと思ったらすぐにやめます(笑)。結果を出すことが目的なのではなく、過程の成長のなかにこそ喜びを感じるので」

今大会では、総合優勝こそ逃したものの、前向きに「宿題が見つかってよかった」と語る。

「このまま勝ち続けていたら慢心していたと思います。初めて優勝した方の涙を見て、自分には忘れていた感覚だと初々しい感動を覚えました。もう一度、しっかりと自分を見つめ直すいい機会になったと思います」

「比べるのは人とではなく過去の自分自身とだけであり、落ち込むのは過去の自分より後退したときだけ」と黒川さんは笑った。過酷な世界としてではなく、人生をより豊かにする手段としてのフィットネスで成果を出し続けている彼女の姿に、多くの人が励まされるのではないだろうか。

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取材:にしかわ花 撮影:上村倫代

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