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魅力的で美しいバックポーズを披露 プロ戦で総合優勝の31歳は、努力を続ける母親の背中を人生の指針に

りなさん2023年サマー・スタイル・アワード(以下、SSA)JAPAN PRO GRAND PRIXにてBeauty fitness model 部門で総合優勝。「ザ・ビューティーフィットネスモデル」として地位を築きつつある、りなさん(31)。2020 年の初登場の地方大会5位から全国戦オーバーオールまで登りめた彼女のボディメイクへの信念とは。

【大会写真】りなさんの魅力的で美しいバックポーズ

「継続の力」学んだ母の背中

「私のトレーニングは至ってシンプルで、奇抜な種目など特別な何かというのはしていません。ただ、誰もがやっている基礎的な種目を“どんなときでもやり続ける”という一点のみです。どんな素晴らしい手法も、継続することに勝るものはないと思っています。私の理想の先には常に母がいました。母はフルタイムで働き、子育てや家事をこなし、その後の空いたほんの少しの時間で毎日ジムに通っていました。そんな母は美しく、僅かな時間でも努力し続けることで他の人とは一線を画すことができるのだという、“継続の力”を間近で見たことが、人生の指針として心に刻まれています」

 

最もやりたくないことほど自分を成長させる鍵

そんな母の背中を追うように、りなさんは自然と 18 歳からジムに通うようになったという。

「ただ、そのころは大会に出るなどとは全く思っていなかったので、泳いだり走ったりがメインでした。ボディコンテストについての意識は、自身の中ではむしろ“やりたくないこと”のトップでした(笑)。ただ、人を成長させる一番の方法は、最もやりたくないことに挑戦するということだという自論がありました。それが私にとっては“海外に住むこと”と“大会出場”でした。ワーキングホリデーに旅立つ日は大泣きするほど怖かったのですが、実際に経験したことで、一皮むけた自分になれました。コンテストの世界に飛び込んだのも同じ経緯です。出場を決意したのはウエイトを始めてすぐのころです。やるからには最高の成果を目標としたかったからです」

「小学校から高校までを短距離走に打ち込んでいたこともあり、形は違えど肉体に筋肉があるのが自然な状態でしたし、脚には自信がありました。ただ、大会前のレッスンで骨格が非常に細い体型であることから、当初の憧れであったビキニよりはモノキニ向きであるというアドバイスを受け、ならば、そこで精一杯頑張ろうと身体作りを始めました。筋肉増はかなり努力を要しました。昨年の6月の筋肉祭までは減量の経験すらないほどに痩せやすい体質ですが、同じ志の仲間や選手と共に補助をつけて重量を追うトレーニングに週5日で打ち込み、4 年かけて『これ以上の筋肉は基準外になる』と言われるまでになりました。繰り返しになりますが、私がしてきたのは“ただ自分に課した目標に向け継続し続ける”ということだけです」

こうして、カテゴリーとしては最大値の筋肉量を搭載した身体をより洗練するため、現在はトレーニングの頻度と強度を減らし、ストレッチ、筋膜リリースなどでしなやかな身体づくりにシフトしケアを優先しているという。

 

自分の積み重ねてきた成果を自分に誇れるか

最後に、次世代のフィットネスモデルを目指す人々についてりなさんは語った。

「これまでに 20 大会に出場し、多くの方を選手として、また SSA 認定講師として見てきて新たに参入しようとされる方に思うのは、一瞬の勝ち負けに拘りすぎず、自身の目標に対して進歩できているかを常に基準にしてほしいということです。積み重ねてきた努力を実感できるか、その日の姿を自分に誇れるかを、立ち止まったり進んだりでもいいので一歩ずつ歩んでいけば、いつか自分でも思いもしなかった遠くまで行けます。私もずっとそうあり続けたいと思います。一日、一時間、一瞬を大切に努力し続けていきます」

不断の努力を続ける女王を打ち破る新星は現れるか。今シーズンも白熱の戦いがまもなく幕を開ける

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取材・文:にしかわ花 撮影:舟橋賢、中原義史

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