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初代女王が3年振りに挑んだジャパンカップで涙の優勝 新社会人での苦悩を乗り越え気付いた頑張りすぎない心とは

柿夏芽選手2023年12月に開催されたゴールドジムJAPAN CUP・ビキニフィットネス163cm超級で優勝した柿夏芽(かき・なつめ/24)選手。日本体育大学3年生のときに本格的にトレーニングを始め、その年に本大会でビキニフィットネスオーバーオール優勝を果たし、当時『ビキニ日本一に輝いた女子大生』として話題を呼んだ。新社会人のときに苦悩を経験し、休みを経て再び日本一に輝いた柿選手に話を伺った。

【大会写真】柿夏芽選手のバランスの良いメリハリボディ

“頑張り”と“無理”を履き違えない

「元々はストレングスコーチを目指し、アスリートに向けた競技力向上、機能的なトレーニングを勉強しておりました。そこから、より良い指導をするためには知識だけではなく、実力すなわち筋量、筋力が必要だと気づき自身のトレーニングを始めました」

2020年はゴールドジムJAPANCUPビキニフィットネス優勝、2021年はオールジャパンビキニフィットネス24歳未満級と35歳未満163cm超級で2冠を果たした柿選手。2022年の社会人1年目の年は仕事に明け暮れてトレーニングができない状態が続いたという。日本女王として大会を欠場できないという義務感から、減量もトレーニングもできていない状態で『日本ジュニア選手権』に出場し、悔しい結果に終わった。その経験を経て、今大会では比較的ストレスなく大会を迎えることができた。

「もちろんストレスゼロではありませんが、“妥協”を意識したことで、気持ちを安定させ、過程を楽しむ余力ができました。過去には、仕事、プライベート、競技の全てにおいて100点を目指し、自分を追い込んだこともありました。“頑張り”と“無理”を履き違え、好きな気持ちや楽しい気持ちを見失いました。もちろん限界を決めず、がむしゃらに追い込むことも時に必要だと思います。ですが競技以外にも大切な日常があります。自分の限界を知り、『60点でいいんじゃない?』と、妥協する勇気が両立には必要かなと私は感じます」

今年は重量と体力に着目

現在のトレーニングサイクルは?

「トレーニングは週4~6日です。アップを30~40分、メニューを40~60分行います。脚、胸、背中、肩の4分割をベースに組んでいますが、最近は部位で分割せずに種目でサイクルを組もうか模索中です。自分の気分が少しでも上がる時間になるよう、毎年考え直しています」

今年は気分転換も兼ねて、今までとは違う試みをしているという。

「重量にこだわる年にしようと考え、全ての種目の重量を上げている最中です。なので、最近は最大筋力向上を目的としたセットの組み方にしています。丁寧に正確なトレーニングにこだわる時期が長かったため、身体や心のマンネリ化を防ぐために、今年は重量と体力に着目しようと思います」

「減量するにも、強度の高いトレーニングをするにも、睡眠が一番大切で効果があると感じます」と語る柿選手。睡眠時間を削る選択をできるだけ避け、スマホ時間を削るように意識すると圧倒的に体調もパフォーマンスも上がったという。

学生や同世代の選手に伝えたいこと

近年ではジュニア選手も増えてきており、そのサポートも行っている柿選手の目標は「ジュニア選手やこれから競技を始める方を支えられる存在になること」。ジュニア選手として活動してきた柿選手が同世代に伝えたいこととは?

「競技者である前に一人の女性、男性であることを見失わず、気楽に競技と向き合えたら良いと思います。もちろん覚悟して取り組まないことには結果は伴いません。ですが、学校、部活、友人との時間も大切です。優先順位と時間の使い方を整理して、自分の世界を狭くしないように、一緒に頑張っていきましょう!」

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取材:FITNESS LOVE編集部  撮影:中島康介

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