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安井友梨、ビキニフィットネス世界一へ。国内戦を全勝で締めくくるまでの軌跡

安井友梨選手ビキニフィットネス絶対女王と呼ばれる安井友梨(やすい・ゆり/39)選手が2023年の国内戦を全勝で締めくくった。安井選手にとっての2023年シーズン初戦である9月9日(土)の『JBBF ALL JAPAN MASTERS FITNESS CHAMPIONSHIPS』(以下、オールジャパンマスターズ)の3週間前に左足指基節骨骨折という重傷を負った。医者には全治1年ほどと言われる中で、初戦を見事に白星で飾り、国内最終戦までを全勝で走り抜けた。それまでの軌跡を振り返ってみよう。

【写真】別カット!安井友梨選手のスイムスーツ姿

安井選手は8月19日にケガの顛末をSNSで報告した。

「ジムのロッカーに、ラットプルのパラレルグリップアタッチメントを保管していました。ロッカーを開けた瞬間、その鉄の塊である15キロパラレルグリップが、裸足の左足の上に落ちてきました。おととい夕方、左足指基節骨を骨折してしまい、緊急で救急病院に運ばれました」

出場予定のオールジャパンマスターズまで残り3週間しかなく、安井選手はそのときのことを同大会の舞台裏で「ケガをした時点では99.99%無理だと思っていました」と振り返り、それでも出場を諦めなかった要因にファンの存在を挙げた。

「ケガをしてから、たくさんの人が応援して下さって応援している皆さんと一緒にステージに上がらせてもらう気持ちで挑みました」

「5年前くらいから、トレーニングが楽しくなくなっていたのですが、今回のケガを経験し、昨日よりも歩けるようになったこと、毎日トレーニングができることの有り難さを知り、トレーニングをしたい!ビキニフィットネスが大好きだと改めて思うことができました」

昨年のオールジャパンマスターズのオーバーオールでは審査員からオール1位票と完全勝利だったのに対し、今年は2位の長瀬陽子選手に1位票を2票奪われ、翌日の身長別日本一を決める『JBBF ALL JAPAN FITNESS CHAMPIONSHIPS』(以下、オールジャパン)での8連覇が危ぶまれる声も上がったが、オールジャパンの決勝では審査員から1位票を獲る快勝を見せた。

「1人では絶対にここまではこれませんでした。支えてくれた方々に感謝の気持ちでいっぱいです。ここからグランドチャンピオンシップスや世界選手権などが控えているので、怪我はそれまでには完治しませんが、今よりいい状態で迎えられると思うので、ここまでの道のりを支えて下さった方々に恩返しの気持ちを持って頑張っていきます!」

国内3戦目となった『JBBF ALL JAPAN FITMODEL CHAMPIONSHIPS』(以下、オールジャパンフィットモデル)では、絶対女王と呼ばれた安井選手に2年前、唯一土を付けた田上舞子選手とのオーバーオール戦を迎えたが、結果は安井選手が7名中5名から1位票、田上選手が2名から1位票と、安井選手がしっかり差をつけて優勝を手にした。

ビキニフィットネスだけでなく、フィットモデルでも世界一を狙う安井選手が強さを見せつけた。

そして、安井選手にとって大一番となったであろう10月8日(日)のビキニフィットネスの階級関係なく、真の日本一を決める戦い『JBBF FITNESS JAPAN GRAND CHAMPIONSHIPS 2023』(以下、グラチャン)。昨年のオールジャパンのオーバーオール戦で安井選手に1点差まで詰め寄り、世界でも一般女子初のメダルを獲得したダンシーあずさ選手との女王争いとなった。

比較審査では安井選手とダンシー選手の2名だけでの比較が入念に行われ、結果は7人中4人の審査員が安井選手に1位票、3人がダンシー選手に1位票と安井選手が接戦をものにした。

「グラチャンのステージに立つことすら夢のまた夢だったので、今までで一番楽しいと思えるステージだったんです。決勝のステージの途中でどんどん涙がでてきちゃって、このステージに立つまで、どれだけの人に助けてきていただいたか分からなかったので、その人たちの顔がどんどん思い浮かんできました。恩返しの気持ちでステージに上がりました」

「ケガをしてたくさんの方が応援してくださったのですが、私だけではなくて、競技そのものを応援していただけるようなチャンピオンにならなくてはいけないと思っています。ケガを経験して、競技の顔にならないといけないなと思っているところです」

スペイン・マドリードで10月13日~15日(現地時間)に開催される『アーノルドクラシックヨーロッパ』に出場する安井選手。2019年はピックアップ審査落ちと悔しい結果だったが、そのリベンジを果たすことができるのか、そして安井選手が狙う世界一の称号を手にすることができるのか、期待したい。

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取材:FITNESS LOVE編集部 撮影:中島康介

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