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「このままでは死にます」医師から言われて肥満と気付く 44kg減でコンテストへ【筋トレビフォーアフター】

「きっかけは、ある日突然立てなくなった事です。先生から『このままでは死にますよ!』と言われ、死ぬ? 嘘でしょ? と。これまで何となくただ生きてきた人生でしたが、こんな事で人生終わりたくないって、そう決意しました」

【写真】半田和子さん衝撃のビフォーアフター

半田和子(はんだ・かずこ/49)さんのボディメイクは、衝撃的な医者からの一言で始まった。

「驚かれるかもしれませんが、この先生の言葉で私は初めて自分が太っていることを自覚しました。それまでは、自分の中では『ぽっちゃり』だと思っていたので、まさかデブだなんてという感じでした。でもたしかに、お腹がすけばとにかく食べていましたし、何より動く事が大嫌いでした。常に立たなくてもいい範囲に食料を置き、満腹になったら眠る、そんな生活を繰り返していました」

「1年かけて、まずは健康な生活を取り戻しました」

「1人では無理だと思い、週に2回パーソナルジムに通い始めました。そこで、まずは歩くことやストレッチなどをメインに行い、徐々に身体を動かすようにしていきました。ウエイトに移ってからも、痩せるためのトレーニングでしたので、重量よりもまずは正しいフォームを覚え、回数を多く挙げることが中心でした」

心身ともに支えてくれる「最強のトレーナー」と

「食事に関しては、1日5食だったものを3食に減らして、お米はとにかく毎日食べたかったので、まずは量を減らすことから始めて、慣れてきたところで玄米に切り替えました。飲み物は色のついたもの(ジュース)から透明(お水)へ。この切り替えはものすごく辛かったです。徐々に過剰な糖質をカットをしていき、PFCバランスを意識しながら食事が摂れるようになるまで約1年ほどかかりました」

ボディメイクの苦悩と継続の心の支え

「ボディメイクを始めてすぐ、『食べる=罪悪感』になってしまいました。その考えから抜け出せなくなり、食べることが恐怖になりました。糖質制限を行っていたので、大好きな白米を食べられなくなったことが、私には非常にストレスでした。何で大好きな食べ物を我慢してまでやらなくちゃいけないんだろって。減らす部分はどんどんなくなっていくにもかかわらず、数値に変化がないことに焦りを感じまた食べなくなる。そんな繰り返しをしていました」

「ある時、鏡に映った自分を見てガッカリしたんです。『何だ?この不健康な顔は?全然楽しそうじゃないな』って。不幸せそうな顔、身体も全然理想とかけ離れている。そこで徹底してもう一度食事の見直しを行い、『食べること=幸せ』と思える考え方にしていきました。こうして心身が安定し、食生活と運動のバランスが取れていくにつれ、自分の身体も安定していきました。誰のためにやっているボディメイクなのかという気持ちを、常に忘れずに持ち続けました」

突然のガン宣告 心肺停止を乗り越えた灼熱の想い

「トレーニングを始めて1年ほど経った頃、ガンを患いました。一時は心肺停止までいき、奇跡的に回復したものの、身体は動かない、息をすることも辛い、言葉が出ない、味がわからない……。せっかく生かして頂いた命なのに生きていることが辛くてたまりませんでした。でも私には、夢がありました。ボディコンテストに出ることです。ファイナルのステージに立って、私を変えてくれた方、人生を輝かせて楽しいと教えてくれた方々に恩返しがしたかった。1年のリハビリを経て2022年にまたボディメイクを本格化しました」

「当たり前のようにやっていた事が出来なくなった、そんな状況でのトレーニングは身体作りをしていく中で本当に辛かったです。まず下を向けない、顔に圧をかけられない、重量を扱えない。減量も当時の私には本当に辛かったです。薬との併用もありましたし、その副作用との闘いなどもありましたから。でも、絶対に諦めることだけはしたくありませんでした」

念願のコンテスト ガンの再発にも屈しない未来への希望

こうして91kgの体重を47kgへ。体脂肪率51%から17%の美痩身を手に入れ、念願のステージに立った半田さん。しかし、さらなる試練が待ち受けていた。

「今年の夏に、再発した腫瘍を切除するための手術を行います。手術が成功したとしても、視力を失うかもしれないというリスクがあります。手術しなければ、私の生存率は確実に短くなります。どちらを選んでもという思いはありますが、私は、生きるための努力をしようと思います。そして、いつかJBBFの大会に出場したいです!何年かかってでも、生きている間にこの夢だけは必ず実現したいです。どんな時でも、私を信じてくれる最高で最強のトレーナーさんが私にはついてくれています。この方に出会っていなければ、夢も希望も持てませんでした。言葉でなく行動で教えてくれ、私を救ってくれたトレーナーさんに絶対に恩返しがしたいです」

「現在は、人生初のハーフマラソンに向けて下半身強化と減量中です。生きることを諦めたくない! と這い上がってきた時の気持ち、あの時に自分と約束した『生きるための努力を忘れてはいけない』ということ。そして、そんな私の生き方をリアルに伝えることで、少しでも誰かの力になりたいと思っています。『誰かの心に残れる人になれたのなら、私の人生は最高』。この思いだけは、今でもずっと私の心の支えです」

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取材:にしかわ花 写真提供:半田和子

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