「育休復帰後に仕事で色んなところへ行き、美味しい外食ばかり食べる生活で10kg以上太ってしまいました。友だちの結婚式で昔の面影がないと言われそうだったので、ダイエットを決意しました」
身長153cmで58kg、体脂肪率は40%を超えていた。齋藤千晶(さいとう・ちあき/38)さんは自己流でのダイエットには限界があると感じ、まずはオンラインでの食事管理を受けることにしたという。
「『KOZUE式ダイエット』という、2週間だけ決められた食材リストに沿ってたんぱく質と食物繊維のみ食べられるものです。これが自分には大当たりでどんどん痩せていき、体型が変わっていくのが楽しすぎて、苦も感じる暇もありませんでした」
その時点でかなりの体型変化があったものの、調味料が使えないなど実生活で続けるのは厳しすぎると感じた齋藤さんは、今度は『鬼マキ式食事管理』へと移った。
「こちらは脂質をカットする代わりに炭水化物はOKという方式で、徐々に糖質量を増やしていくとともに、今度は痩せるのではなく身体の造形を綺麗にするという目的でパーソナルトレーニングにも通い始めました」
元々、ゆるやかなジム通いの習慣はあったものの、もっと本格的なボディメイクをしてみたいという思いでパーソナルと自主で通う頻度を増やした。三交代制で24時間の連続勤務の明けにジムという過酷な生活であったが、「ウエイトを取り入れたことで体力自体が向上した」結果、その生活にも難なく順応していったという。この時点で、体重は45kgまで絞られていた。
流産を乗り越えて 人生に意義のある挑戦を決意
そのころ、斎藤さんは新たな命を授かる。しかし、コロナに罹患したことにより1カ月でお腹から去ってしまう。悲しみを実感する間もないほどの出来事だったと語る。
「そのときに降りた保険金を何か新たな人生の成長、意義のあるものに使いたいと思いました。そこで、以前から興味はありながらも二の足を踏んでいた“ボディコンテストへの出場”を決意しました」
妊娠とコロナ禍での休職でリバウンドしつつあった身体に鞭を入れ、筋肉量の増を込みで体重43kg、体脂肪率23%の健康的に絞られた身体でベストボディ・ジャパンへの出場を果たした。
そしてその後、人生でも大きな決断をする。
「16年勤続した公務員をやめ、今年の4月からセラピストとして独立開業することにしました。大会を機に健康や美容への意識がさらに増し、マッサージや美容関連の資格取得をした結果、開業を決意するまでに至りました。お店の名前は『Hey day!(全盛期)』で、私のお店で心身を癒し、出るときには『今が一番全盛期』だと思ってもらえるように、という願いを込めたと仲間が考えてくれました。お客様に癒しを提供するかたわら、得た知識と技術を総動員して大会へも臨みたいと思っています。開業と重なり多忙にはなりますが、4月、5月は減量にも集中し、全国決戦である日本大会で成果を出したいと思います」
取材:にしかわ花 写真提供:齋藤千晶