ビキニフィットネス163cm以下級国内5連覇のダンシーあずさ(33)選手が日本代表として、スペインで開催される国際大会『IFBBアーノルドクラシックヨーロッパ』に2度目の挑戦をする(2019年はピックアップ審査落ち)。ダンシー選手は2022年IFBB(国際ボディビルディング・フィットネス連盟)が主催する『世界フィットネス選手権』で日本人初のビキニフィットネス一般の部でメダルを獲得し、アーノルドクラシックヨーロッパでの活躍も期待されているが、これまでの躍進の軌跡を辿ってみよう。
【写真】国内最終戦で見せたダンシーあずさ選手の究極のくびれボディ
ダンシー選手は大学卒業後はアパレルショップなどで勤務し、25歳のときにスペインへ留学。滞在先のホストマザーの影響でトレーニングや身体づくりを始めた。
27歳のときにJBBF(日本ボディビル・フィットネス連盟)が主催する『第4回オールジャパン選手権』に初出場し4位入賞。翌年の同大会で35歳以下163cm以下級で優勝し、オーバーオールでも安井友梨選手に次ぐ2位に輝き、注目筆頭の新鋭として話題となる。
2018年から昨年2023年までダンシー選手は身長別の日本一を決めるオールジャパンでは5連覇中(2020年は大会中止)。オーバーオール戦となるグランドチャンピオンシップスでは4年連続2位だが、今年は4連覇女王の安井友梨選手に1点差にまで詰め寄ったが、悔し涙を流した。
「私がこの1年間準備してきた全てのものを出して臨むことができた大会だったんですが、『これでも優勝に届かないのか』という気持ちだけです。やっぱり私の努力不足なのかと思って涙が出てしまいました」
しかし、昨年の世界選手権では安井選手も達成していない一般女子の階級でのメダル獲得という偉業を成し遂げており、アーノルドヨーロッパでの期待も高い。ダンシー選手はグランドチャンピオンシップスの舞台裏では国内戦の悔しさを抱きつつ、すでに世界大会に照準を合わせていた。
「『くよくよしてる時間はない』と思ってます。切り替えて、明日からまた頑張ります」
日本選手団の通訳・コーチで国際審判員の資格を有する木下美弥子コーチは昨年の世界選手権後の取材で「あずさ選手は世界の基準に合わせた身体を一生懸命作ってこられていることが、年々評価が上がってきている要因ではないかと思っています」(ウエイトトレーニング雑誌『IRONMAN2022年12月号より』)と分析しており、昨年からさらなる磨きをかけてきているダンシー選手の活躍が楽しみだ。
アーノルドクラシックヨーロッパとは
伝説のボディビルダーとしても知られる俳優、アーノルド・シュワルツェネッガーが主宰する世界大会。世界チャンピオンやヨーロッパチャンピオンなどの強豪選手が世界各国から集結し、毎年ハイレベルな闘いが繰り広げられている。
「アーノルド・クラシック・ヨーロッパ2023」日本選手団は以下の通り。
■コーチ
木下美弥子(兼通訳)、木下喜樹、鈴木詠子、山田賴一
■選手
ボディビル
下田亮良、林勇宇、鷲巣国彦
クラシックボディビル
岸田勇輝(クラシックフィジークにも出場)、北原誠(ボディビルにも出場)、三島流平
メンズフィジーク
上松康一郎、関口貴夫、手島祐、外間博也
マスキュラーフィジーク
塚本健太
ボディフィットネス
大久保裕美、澤下美香、中井美早
ビキニフィットネス
小倉あれず、佐野愛美、関根秀子、ダンシーあずさ、長瀬陽子、松木真美、安井友梨(フィットモデルにも出場)
フィットモデル
本田有希子(ビキニフィットネスにも出場)、山下春菜
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取材:FITNESS LOVE編集部 撮影:中島康介