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大躍進したボディビルダー嶋田慶太が語る「ナチュラルの選手が頼るものは『トレーニング』しかない」

10月9日に開催されたボディビルの国内最高峰の戦い『JBBF第68回日本ボディビル選手権』で嶋田慶太選手が2位となった。嶋田選手は2019年に初めてファイナリスト入りを果たし、2021年に6位。そして今年は順位を4つあげた。

【写真】嶋田慶太選手の素晴らしいコンディション

年々進化し続け、順位を上げていく嶋田選手のコンディションづくりに今年は注目が集まった。というのも、嶋田選手は8月の『日本クラス別選手権』では、十分ではない仕上がりでステージにあがったようにみえ、この段階では日本選手権での2位という結果を予想していたものをいなかったものはいなかったほどだったからだ。

しかし、日本クラス別からの約1カ月半で嶋田選手が変貌を遂げ、素晴らしいコンディションを披露した。その背景には、ボディビル元世界チャンピオンの鈴木雅さんからかけられた言葉が大きかったという。
「『絞る=筋肉が落ちてしまう』という迷いがあって、減量することをためらっていました。そこで鈴木さんに『せっかくいい感じでバルクアップができたのに、絞って筋肉が落ちてしまうのが怖いんです』と打ち明けたら、鈴木さんは一言、『そもそも筋肉が落ちるようなトレーニングしてないでしょ?』と。その言葉で目が覚めました。ハードにトレーニングして全力を出し切れば、筋肉が落ちることはない。そういう考え方にシフトできて、そこからスイッチが入りました」」(IRONMAN2022年12月号より)

減量期になると、脂肪とともに筋肉が落ちてしまうことを危惧する人も多い。しかし、鈴木さんはトレーニング強度がしっかりとしていれば、筋肉は落ちないという考え方だ。実際、その言葉を信じ、トレーニング強度を落としていないという自信から、絞ることに躊躇をなくした嶋田選手は、筋肉をしっかりと残した状態で日本選手権のステージに現れた。

また、今シーズンで飛躍的な進化をした嶋田選手は、トレーニング強度が増量期にも必要であると語る。
「オフの時期から100%のトレーニングができていないと、年間を通して身体は変わらないと思うんです。減量末期に重量だったり、レップ数だったりが落ちてくるのが嫌だから、今まではそこで落とさないように頑張ってトレーニングをするという感じでした。そういった取り組みを年間通して続けていたら、身体はもっと良くなるはずです」

さらに別角度からも嶋田選手はトレーニングの重要性を話した。
「僕たちは身体をよくするためにジムに行ってボディメイクをしています。身体を改善するためには何をすればいいのか、ナチュラル(筋肉増強剤などの薬物を一切使用せずにトレーニングを行う)の選手が頼れるものは『トレーニング』しかないんです。ということは、どれだけ質の良いトレーニングができるか、そこが重要になってきます」

ボディメイク業界には筋肉増強剤の話題が切り離せない存在だ。ドーピング検査を行う団体『JBBF(日本ボディビル・フィットネス連盟)』で活躍する嶋田選手は、トレーニングの質や強度を追求する。
「僕が一番悲しく感じるのは、本当はトレーニングが大好きなのに、ナチュラルとかユーザーとか、その間に挟まれてトレーニングも競技も嫌になってしまうことです。そうならないように、大好きなトレーニングを純粋な趣味として続けていき、もし競技としてやられているのであれば生涯スポーツとしての取り組み方を推奨していきたいと思っています。そのためにナチュラルで作り上げた身体を常にアップデートして大会で披露していくのが僕の使命だと、勝手に自分でそう思っています(笑)」

文:FITNESS LOVE編集部 撮影:AP,inc、中島康介

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