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魚料理の体脂肪燃焼と筋肥大効果がすごい

体脂肪の燃焼にも

ストレングス&コンディショニングの専門家であるブラッド・ショーンフェルド氏によると、オメガ3は体脂肪の燃焼を助ける働きを持っているということだ。EPAやDHAは細胞膜を通過することができることはすでに述べたが、細胞膜の内外をオメガ3が頻繁に行き来することで細胞膜の流動性が高まり、それによって細胞の代謝活動が活発になる。細胞の代謝が活発になるということは、脂肪燃焼のために働く酵素の活動が盛んに行われ、脂肪を貯蔵しようとする機能が抑制されるのだ。

ショーンフェルド氏によると、限度はあるが、オメガ3は身体の代謝を早めることができるということだ。また、逆にオメガ3が不足した食事を続けていると、体脂肪燃焼の効率性は低下するとも述べている。

では具体的にどれだけのオメガ3を摂れば体脂肪の燃焼が促されるのか。現時点では、この問いに対する答えは得られていないが、オメガ3についての研究は現在もなお世界各地で行われているので、いずれは答えが得られることを期待したいと思う。

競技能力への作用

魚油やオメガ3のサプリメントはアスリートにも人気がある。摂取する理由は健康のためもあるが、実は競技能力への効果を信じて摂っているという人も多いようだ。果たして本当に魚油やオメガ3は競技能力にプラスの働きをもたらすのだろうか。

2006年にインディアナ大学が行った実験によると、3週間にわたり被験者に魚油のサプリメントを摂取してもらったところ、運動が引き金となって発症するぜんそく発作に改善が見られるという結果が得られた。しかし、魚油が競技能力を高めるかどうかを決定づけるような実験結果は得られていないというのが現状だ。確かに血管の健康が整い、筋肉への血流量が増加するので、魚油によって競技能力が向上したり筋量増加が得られるのではないかという推測はできる。しかし、それを立証する実験結果はまだないのである。

ハーバード大学の研究者であるモザファリアン博士は、魚油と競技能力の向上には関連性がないと断言すべきではないと主張している。その理由について彼は次のように述べている。つまり、運動を行うと血流量が増大し、酸素が溶け込んだ血液が大量に対象筋に送り込まれるわけだが、このとき血管は拡張していなければならない。血管の拡張を促すのはオメガ3の働きのひとつである。したがって、酸素濃度の高い血液が対象筋に送り込まれることが筋発達を促したり、瞬発力を高めたり、速く走ったりすることになるのだとしたら、魚油やオメガ3は、やはり競技能力を高める働きを促すと言っても間違いではないと考えられるのだ。

オメガ6とオメガ3の比率
オメガ6は、もうひとつの多不飽和脂肪酸であり、コーン油、ひまわり油、ピーナッツ油、大豆油などに多く含まれている。私たちが日頃から食べている食事にはこれらの油を使った料理が多く、オメガ6は意識しなくても体内に十分に取り込まれている。オメガ6とオメガ3は、摂取する比率が20~30対1になるように食事内容を構成するのが理想だ。オメガ6はオメガ3よりも健康要素は少なく、人を被験者にした実験もオメガ3より少ないので、現段階では2つのオメガオイルを理想的なバランスで摂るということを念頭に置いておくといいだろう。

魚料理の利用法

循環器系の健康のために魚料理をメニューに取り入れるなら、一週間に2gのEPA&DHAを摂取するのを習慣にしよう。具体的に2gのEPA&DHAというのは、毎週1、2回程度の食事を180gのシーフード料理にし、そのうちの少なくとも1回は脂の乗った魚を組み合わせるようにすることだ。

中にはシーフードが苦手だという人もいるだろうが、その場合は乳製品やシリアルで「EPA&DHA配合」というものもあるので利用するといいだろう。

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