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筋トレ効果をワンランク上にするおすすめ法「迫力ある身体をつくるための秘訣」

肩幅を広く見せる

肩幅については、もともと広い人もいるが、生まれつき鎖骨が短かったり、なで肩の骨格だったりすると、肩幅を広げるために人一倍の苦労を強いられる。それでも、三角筋の筋量を増やして肩幅を広く見せることは可能だ。

肩幅を作るサイドレイズ

肩幅を広く見せるためには、三角筋の中央部のヘッドを肥大させる必要がある。肩の筋肉が三角筋と呼ばれるのは、この筋肉が3つの筋腹によって構成されているからだ。三角筋の形は、ミカンが三房ある様子を想像してもらうとわかりやすいだろう。その三房のうちの真ん中が側部ヘッド、手前が前部ヘッド、後ろ側にあるのが後部ヘッドだ。肩幅を広く見せてくれる側部ヘッドを肥大させるには、ダンベルやケーブル、バンドなどで行うサイドレイがいい。あるいは、ショルダープレスで側部ヘッドを刺激するならワイドグリップで、肘をできるだけ外側に開いた姿勢で行うようにするといいだろう。

セパレーションを作るアイソメトリック収縮

アーノルド・シュワルツェネッガーは、三角筋のセパレーションを作るために肩の種目でちょっとした工夫をした。正確なフォームを意識すること、筋肉と意識を連動させることに加えて、アーノルドはアイソメトリック収縮を種目の中に取り入れたそうだ。アイソメトリック収縮とは動作を伴わない静的収縮だ。例えばサイドレイズなら、ダンベルをボトムから可動域の中間地点まで持ち上げたところで動作を一旦停止する。停止した状態で30~60秒間保持したらトップまでダンベルを上げ、ボトムまで下ろして1レップとするのだ。このようにアイソメトリック収縮を動作の途中に組み込むことで種目の強度が高くなり、どのヘッドを刺激する種目であっても未だかつてないほどパンプアップするはずだ。

上腕部にセパレーションを刻む

上腕二頭筋という名前を知る前から、多くのトレーニーたちが、いわゆる「力こぶ」に魅了されてきた。小さい頃から、特に男の子はダブルバイセップスのポーズをとって大人を微笑ませてきたものだ。どうして肘を曲げて力を入れると上腕部が盛り上がるのか。この筋肉の構造と機能がわかると、ますます腕のトレーニングにはまってしまうかもしれない。

ニュートラルグリップ・カール

上腕二頭筋は2つのヘッドを持つ筋肉で、その深部に上腕筋がある。上腕筋が肥大すると、深部から上腕二頭筋が押し上げられる。肘を曲げることで収縮するわけだが、収縮が起きたときに力こぶが盛り上がる。上腕二頭筋が腕の表側なら、上腕三頭筋はその裏側に位置している。よく発達した腕は上腕二頭筋と上腕三頭筋の境目がくっきりとわかる。そんなセパレーションを強調するためにおすすめなのがニュートラルグリップ・カールである。手の甲が外側を向くようにケーブルのハンドル、あるいはダンベルを握る。これが手首のニュートラルポジションで、この角度を保ったまま丁寧にカール動作を行う。この種目を行うことで上腕二頭筋の外側のヘッドが刺激を受け、腕の幅が広がり、上腕三頭筋とのセパレーションをはっきり刻むことができるはずだ。

馬蹄形の上腕三頭筋を作る

上腕三頭筋は、次の3つの筋腹で構成されている。

◆長頭:肩甲骨の外側に始点を持ち、肘関節をまたいで尺骨に終点している。
◆内側頭:上腕骨下部に始点を持ち、肘関節をまたいで尺骨に終点している。
◆外側頭:上腕骨上部に始点を持ち、肘関節をまたいで尺骨に終点している。

上腕三頭筋の構造を知っておくことは、バランスのとれた上腕三頭筋を作るのに役立つので、機会があれば解剖図で確認しておくといいだろう。腕の背面に位置する筋肉なので、上腕二頭筋ほど目立たないと思うかもしれないが、よく発達した上腕三頭筋は、正面から見ても長頭と外側頭の形がわかる。また、内側頭は短いのだが、この筋腹が肥大すると上腕三頭筋が盛り上がり、迫力が増してくる。ただ、内側頭に関して言うと、胸のベンチプレスなどでも間接的な刺激を受けているため、内側頭の発達が遅れているというケースはそれほど多くない。

外側頭のためのニュートラルグリップ・エクステンション

上腕三頭筋の外輪郭を形成するのが外側頭だ。外側頭が肥大すると、正面から見ても上腕三頭筋の大きさがわかる。外側頭を刺激するにはニュートラルグリップ・ライイング・ダンベルエクステンションがいいだろう。この種目では、まずベンチ台に仰向けになり、手の甲が外側に向くようにダンベルを握る。手首の状態をそのまま維持しながら、肘を曲げてダンベルを頭の横に下ろしていく。動作中、上腕部は天井に向けたまま固定する。ダンベルを頭の横に下ろすときは肘が開いてしまわないように注意しよう。

長頭のためのケーブルキックバック

上腕三頭筋の内側の輪郭を際立たせるには、上腕三頭筋の長頭をサイズアップさせる必要がある。外側の輪郭と内側の輪郭がはっきりしてくると「馬蹄型」の上腕三頭筋を完成させることができるのだ。内側の輪郭を形作る長頭を刺激するなら、ケーブルを使ったキックバックがおすすめだ。キックバックは、一般的にはダンベルを使って行われることが多いが、ダンベルだと負荷がかかるのはトップポジションに限定されるという欠点がある。そこで、終始負荷がかかった状態を維持するためにケーブルを使ってのキックバックをぜひ採用してほしい。ケーブルにはロープハンドルを取り付けてもいいし、あるいはハンドルを取り付けずに、ケーブルをそのままつかんで行ってもいい。ケーブルを握ったら上体を前傾させ、上腕を床と水平に保ち、肘の位置を固定する。この姿勢を保ったまま、肘の曲げ伸ばしによって前腕で弧を描くように動作する。トップポジションでは意識して上腕三頭筋を収縮させるようにしよう。

腹筋の上部、下部を研磨する

どれだけ迫力のある筋肉を作り上げても、腹筋がしっかり割れていないと、なんだか全体がぼやけて見えてしまう。逆に、他の部位はまあまあのレベルでも、腹筋が際立っているというだけで評価は上がるものだ。腹筋はそれくらいインパクトのある部位で、重要なパーツなのだ。腹筋を構成するのは正面の腹直筋、その両側にある外腹斜筋、そして深部には腹横筋がある。「腹筋を割る」というのは腹直筋を指した表現だが、洗練された胴部を完成させるなら、腹斜筋や腹横筋にも刺激が行き渡るようなやり方を模索しよう。

腹筋下部への刺激

腹筋は複数の筋肉によって構成されているが、腹筋の上部と下部に分けて考えることもできる。ただし、厳密なことを言えば、上部と下部というような分け方は解剖学的には正しくない。それでも、腹筋種目の動作を考えると、上下に分けて考えてもいいはずだ。例えば、股関節が関与する腹筋種目は、脚を前方に引き上げ、骨盤を前方に丸めるようにして行う。このような動作では、腹筋下部の収縮を意識して行うと効率がいい。つまり、腹筋下部を特に強調したい場合は、ハンギング・ニーレイズ、ハンギング・レッグレイズなどの種目が適しているということだ。

腹筋上部への刺激

腹筋の上部は、上体を動かすことで強い刺激を得ることができる。つまり、脊柱を屈曲させ、肩を骨盤に近づけるような動作で、代表的なのはクランチやシットアップだ。脊柱は30度ほど屈曲させることができ、伸展時も0度を超えてストレッチすることが可能だ。それなのに、クランチやシットアップでは、床に仰向けになって行うのが一般的だ。これでは、屈曲はできても伸展は十分に行えない。床で行う以上、脊柱を十分に伸展させることはできないので、当然、腹筋もしっかりストレッチできずに終わってしまうことになる。脊柱の可動域を活用して腹筋運動を行うなら、床でのクランチやシットアップではなく、アブマットを利用したり、スタビリティボールの上に仰向けになってクランチ動作を行ってみよう。アブマットやスタビリティボールを使うことで、脊柱を水平面よりも深く下ろすことが可能になるため、腹筋もそれに合わせて強いストレッチを得ることができる。

まとめ

今回は各部位に有用な種目をいくつか紹介した。どうしてその種目がいいのか、なぜ行うべきなのかがわかってくると、ワークアウトを自分で組むのが楽しくなってくるはずだ。それはトレーニングの意欲を高め、維持する上でも役立つことなので、ある程度のトレーニング歴を積んできた人は、ぜひオリジナルのワークアウトを組んでみてはどうだろうか。

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