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マンティ福原こと福原俊介の独自に行う巨大な背中を作るトレーニング法

「男は背中で語れ」なんて言葉は、父から教えられたことはあるだろうか。そのくらい、男の背中は何かを語る要素が詰まっているということなのかもしれない。そして、背中は日常生活をする上で鍛えるのが難しい部位でもある。だからこそ鍛えられた背中は美しく逞しい。そして、鍛練の証が刻まれる。日本には‟背中の神”とまで言われることもある男が存在する。その名は須江正尋。須江は、1988年に全日本学生ボディビル選手権で初優勝し、そこから急激に日本のトップランカーまで登り詰めたボディビルダーだ。伝説的に大きく分厚い背中を持ち、右に出る者はいない。そんな須江の背中を彷彿させる若者が愛知に現れた。福原俊介だ。彼は昨年の名古屋で行われたSPORTEC CUP2021のマスキュラーフィジーク初代王者で、広い胸郭と分厚い背中で周りに衝撃をもたらした。彼はメンズフィジークのみならず、ボディビルも行っており今後2カテゴリーでの活躍が期待される。その福原の背中はどんな種目やこだわりで作られているのか、今回はそれを探った。(月刊ボディビルディング2022年2月号から修正引用)

取材・文:月刊ボディビルディング編集部 撮影:中島康介

「須江正尋選手の若いころのケーブルロウイングの動画を繰り返し観ました」

僕は、『理論』プラス『感覚』で、独自で考えついた方法でトレーニングを行っています。独自な方法に関して言うと、「ここをこうしたいな」と思って、自分の骨格や筋腹が近しい選手のトレーニングを参考にして、映像ならその通りの動きを真似して、動きと自分の感覚とすり合わせていくような形で実践しています。なので、いろんな方のトレーニングフォームが僕の中には入っています。
特に参考になったのは須江正尋選手で、若いころのケーブルロウイングの動画を繰り返し観ました。そのときのロウイングにおける、ストレッチポジションの胸椎の形や、その他いろいろと真似させていただきました。「ストレッチがどういうときにかかる」ことや、「どうしたらあのような広背筋になるのか」ということをめちゃくちゃ考えていましたね。また、上体を煽って引くようなラットプルダウンや、様々なアタッチメントを使用してやられていたので、自分なりに研究して合うトレーニングを考えてきました。
それと、ミスターオリンピアで1983年に優勝したサミア・バヌーの、ベントオーバーロウイングをひたすら真似してやっています。それも自分にはすごくマッチしていて、上体を極限まで地面と平行にして、しっかり腹圧をかけた状態で胸椎を丸めてストレッチをかた状態から、そのままバーベルを引いていくというものになります。僕の中では腰を丸めるというよりは真っすぐにするのですが、もともと骨盤が少し後傾気味についているので、その状態でボトムまでいくと腹圧をかけられるんです。背骨のアーチはキープしたまま股関節と膝で加速をつけてバーベルを上まで引き、ネガティブで耐えるような感じです。元から骨盤が前傾気味でついている方が真似をすると、普段と違うので腰を痛めてしまうかもしれませんので、注意が必要です。
このベントオーバーロウイングは、オールドスクールな形だという認識で、種目に取り入れている方はそう多くはいないと思います。また、ベントオーバーロウイングに関する動画は穴が開くくらい観ているので、本当に研究して、ここ1年くらいで確立させていきました。あとは、重量を伸ばせていけば背中はデカくなるというところまで行きつきました。自分でもヘンタイな領域だと思っています(笑)。
使用重量は、最初は40㎏くらいから始めて、今はメインで80㎏を扱っています。それが100㎏だと状態が立ち過ぎてしまって、ボトムでは地面と平行くらいまでいけますが、トップで引き切るために上体を起こしてしまいます。今はストリクトで100㎏を扱えるようになることが目標で、それができればもっとデカくなると思います。
僕の普段行っているジムには無く、ゴールドジムにしかない200ポンド(90・7㎏)のダンベルが使えるときは、それでワンハンドロウイングを行うこともあります。これをやるときは、「高重量を引けば効く」という感覚でやっています。ここまでは得意部位、特に背中は中重量でネチネチやることもありますが、基本は高重量を扱いますし、勝手に効いてくるので、軽い重量の種目の割合は減っていきます。また、トレーニングで強度を上げていくなら重りを増やしていくのが早いですからね。ただ、クラシカルベントオーバーロウイングに関しては、まだ少し感覚を掴みきれていないので、20㎏ずつ選手重量を増やしていきました。また、これに関しては可動域を取りたいので、10㎏プレートをバーベルに装着します。そういうこともあり、クラシカルベントオーバーロウイングは少しずつ重量を増やしています。

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