③きれいに焼くコツなどはありますか?
私は皮膚にダメージがあるうちは焼かないようにしています。皮膚にダメージが残っている段階で焼くと、皮膚がむけやすくなってしまうからです。
また、タンニング用のローションは必ず使います。あとは保湿がすごく大事です。私の場合、タンニングを始めると1日に3から5回は保湿ジェルを塗るようにしています。
まずは夜のお風呂上がり、朝、仕事中に乾燥してきたらその部位に、そしてトレーニング後。肌を乾燥させないということを考えると、1日で3回から5回は塗ることになります。大会が近くなればなるほどそこには神経を使うようになります。
特に、タンニング後にシャワーを浴びた後は必ず保湿します。ケガをしてすぐに治療するのと、翌日に治療するのとでは雲泥の差があるはずです。それと同じで、焼いた後は必ず保湿したほうがいいと思います。
また、タンニングマシンにもベッド型とスタンド型があります。私は仕事帰りにタンニングサロンに行き、疲れているのでベッドタイプのマシンで寝て焼いています。
すると、背中とかおしりの部分に次第に汗が溜まっていきます。焼き方にムラが出ないように、汗が溜まってきたら拭くようにしています。
スタンド型のマシンでは、そのようことはありません。ベッドタイプのマシンよりもスタンド型のほうがまんべんなく焼けます。やけ残しがないように、最後の仕上げはスタンド型で焼くようにしています。
④大会何日前までに日焼けを終わらせておいたほうがいいですか?
私は5日前には終わらせるようにしています。日焼けは軽い火傷のようなものなので、皮膚間に水分が溜まりやすくなりむくむ恐れがあるためです。
タンニングをした直後は皮膚の水分が抜けてバキバキになったような感覚があるのですが、翌日には少しむくむ感じがあります。それを避けるために5日前には終わらせています。
ただ、大会の3日ほど前までだったら大丈夫だとは思います。私の場合は試合直前にバタバタしたくないということもあり、5日前に終わらせています。
⑤カラーリングをする場合は日焼けは必要ないのでしょうか?
絶対に日焼けもしたほうがいいです。 国際大会とは違い国内で使用するカラーリングは日焼けをしていない白い肌を真っ黒にするほどの効果は期待できません。下地は作っておいたほうがいいです。
⑥どのくらい黒くするなどの基準はありますか?
これは難しいところですが、感覚的には「ちょっと黒すぎるかな」くらいでちょうどいいです。「まあまあ焼けたな」くらいでは、ステージに上がったときにライトを浴びて色が飛んでしまいます。
参考になるのは、前日にカラーリングなどを行う方もいると思います。カラーリストさんは何人もの選手の肌を見てきています。私はそこで「もう少し焼いたほうが良かったですね」とか、アドバイスをもらうことがあります。そうした声は参考になります。
また、身近なところにコンテストに出ている人がいたら肌の色を見てもらって確認するのもおすすめです。ただ、「黒すぎて困る」ということはないと思います。
⑦その他の注意点は?
私は2018年の大会ではセルフタンニングローションの「コンテストブラック」を使いました。これは経済的で効果も問題がないのですが、時間と労力がかかります。また、厚く塗ったところはより黒くなるのですが、ローションが透明なので均一に塗れているかどうかの確認が難しいというのはあります。
ただ、背中などに塗る際には協力者が必要ですが、二度塗りするなどして厚く塗ると濃い色に仕上がるという印象があります。タンニングで下地を作って、最後の仕上げに使用するのはいいかもしれません。
有馬康泰(ありま・みちひろ)
1974年8月16日生まれ。埼玉県出身。’99年に国際ライセンスを取得し、フリーランスのパーソナルトレーナーとして活躍、2014年にはパーソナルトレーニングスタジオ「Body WORK SpaceEVOLVE.」を設立。メンズフィジーク競技では2015年メンズフィジーク東京選手権大会172cm超級優勝、2018年IFBB世界マスターズ選手権大会40-44歳5位など国内だけでなく世界大会でも実績を誇る。
執筆者:藤本かずまさ
IRONMAN等を中心にトレーニング系メディア、書籍で執筆・編集活動を展開中。好きな言葉は「血中アミノ酸濃度」「同化作用」。株式会社プッシュアップ代表。