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50代の美脚ビキニアスリートの辛い過去「落ちるところまで落ちると這い上がれる」

マッスルゲート北関東1ビキニフィットネス(マスターズの部)3月9日に行われた「マッスルゲート北関東Ⅰ」でビキニフィットネス マスターズの部に出場し、見事優勝を勝ち取った尾島悠華さん。現在50代で美しいボディラインを維持する尾島さんだが、学生時代は美術部で運動が苦手、40代まで運動経験がほとんどなかった。そんな尾島さんに筋トレを始めたきっかけを聞くと、以前のゴールドジムJAPAN CUP時のインタビューでは語られなかった真実を教えてくれた。

【写真】50代・尾島さんの美脚ボデイ16枚

「2011年、東日本大震災をきっかけに、自分を守れる身体を作るためにジョギングから始めました。昔、ファッションモデルをしていたこともあり『筋トレ』には抵抗がありました。私がモデルをしていた当時はバブルの時代で、今と違ってモデルは割りばしのように細いのが当たり前でした。筋肉や脂肪はつけたらダメで、脚にボトックス注射を打つモデルもいたくらいです」

そんなモデル時代を経て40代からジョギングを開始したものの、長年の運動不足により膝を故障。それがきっかけで筋トレを始めたと以前のインタビューでは答えていた。

「じつはジョギングを始めた頃に『身内』が急死してしまったんです。しかも原因も分からず、突然死だったんです。それで5カ月間ショック性の鬱になったことがあり、寝込んでしまいました。知り合いのカウンセラーに診てもらったところ『精神安定剤や飲酒などでごまかさないでください。あなたの底力で必ず立ち直りますから。一番いけないのは心に向き合わず、悲しみや苦しみをなんらかの物事ではぐらかしてしまうことなんです」と言われました。それで仕事も全て辞めて、貯金も全部なくなってしまいました(苦笑)』

落ち込むところまで落ち込んだある日、筋トレに目覚める出来事が起きた。

「お風呂でシャワーを浴びるときの姿見に映った自分を見て、アウシュヴィッツ収容所から出てきたような......ガリガリな自分がいました。それを見たらこれからあらゆるつらい現実が来たときにこんな肉体じゃ背負えない、と思いました。身体を強くしたいと思ったら、ポンッと『ボデイビル』を連想していました」

筋トレをしたことがなかった尾島さん。まずはジムで相談した。

「身体を強くしたいって話したら、ゴリゴリのトレーナーさんを付けられました。そこからトレーニング生活が始まって、今までの悲しみとか悔しさとかを全部マシンにぶつけていました。それが功を奏したんでしょうね(笑)。1年、2年と続けていったら、ものすごい身体が変わってきてメンタルも強くなりました」

4年前には世界一周をして世界中のジムも体験しに行ったというほどアクティブに過ごすようになった尾島さん。あるとき(国内の)ゴールドジムで大会出場を勧められたことをきっかけに、大会へ挑戦するようになった。

「大会に初めて出場したときはボロボロでした。でもそれをきっかけにちゃんとトレーニングしよう、って思ったんです。そして、今はJBBFに出場することが目標です。メダルを獲ったら亡くなった『身内』の墓にかけたいなって。あなたのおかげで私はこんなに強くなったんだよと伝えたいです」

まだ挑戦したことのない『JBBF』がどんな世界なのか楽しみだと今後の抱負を語った尾島さん。いつまでも強い身体でいるために尾島さんの挑戦は続く。

取材:FITNESS LOVE編集部 撮影:中島康介

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