「BIG3以外の種目が苦手」高学歴ボディビルダーのトレーニング理論は一味違う

昨年のジャパンオープン選手権クラシックフィジーク175㎝超級覇者・野上駿。大学時代からボディビル競技にのめり込み、学生時代には日本全国から有数のトップ学生ボディビルダーが集まる『全日本学生ボディビル選手権』で、不利と言われる高慎重なボディながら準優勝を果たす。トレーニング理論がまた独特で、BIG3トレーニングを重視しながらも、その中身はボディビル選手とは思えないようなトレーニング構成をしている。いったいどんなトレーニングを行っているのかを取材した。(月刊ボディビルディング2022年3月号から引用)

取材・文:月刊ボディビルディング編集部 撮影:中島康介

「パワーリフティングの分割法を取り入れつつ部位ごとに鍛えています」

大学に進学してボディビル部から勧誘を受けたのが、私が本格的にウエイトトレーニングを始めたきっかけです。入部当初はパワーリフティングの大会に出てみたいと思っていたのと、部の練習方法としてBIG3をしっかり伸ばしていくという方針だったので、その練習の割合がかなり多かったです。
現在のトレーニングについては、昨年のシーズンが終わってから新しい取り組みをしたいと思い、補助種目と別に当初メインにやっていたBIG3を伸ばしていきたいなと考えました。しかし、パワーリフティングのトレーニングを調べていると、ボディビルのトレーニングとは逆の考え方が存在していて、ボディビルでは細かい分割法を用いることが基本です。反対にパワーリフティングは全身を一度に鍛えていくと言いますか、少ない分割法が主流だったんです。そのパワーリフティングの分割法を取り入れつつ、しっかり部位ごとに鍛えたいなと思い、今は自分流の3分割でトレーニングを行っています。
実は、まだまだその分割法を上手くやる方法を模索中で、あまり好きじゃない組み合わせがあったりします。基本は大筋群の協働筋を同じ日に入れたり、流動的にやったりもしています。週に1日はオフを入れたくて、1週間で考えると木曜日がだいたいオフとなります。回数はBIG3では8回以下、それ以外は8~12回、セット数は2~4セットで、各部位の種目は4~6種目くらいとなります。パワーリフティングのトレーニングにおいては海外のパワーリフターの動画を参考にしたり、ボディビルでは最近は木澤大祐選手がYouTubeを始められたので、動画を観て参考にしています。また、どれか一つにこだわることはなく、いろんな情報を参考にしています。セット数の考え方はパワーリフティング練習法を用いて、BIG3では追い込み過ぎないやり方で行っています。
しかしそれだと、ボディビルトレーニングとは喧嘩してしまうので、BIG3以外の種目を追い込むようにしています。これは逆に考えていて、パワーリフティングのトレーニングのときは先にBIG3を始めて、予め重量と回数を決めておきます。今のところ、今の体重比で言ったら過去一番で重量を伸ばせています。また、以前と比較して不安定要素(安定しないフォーム)はかなり減ってきました。パワーリフティング面でのメリットでは、明確に重量を持てる種目を取り入れられているところが大きいです。むしろ、それ以外の種目(補助種目)で回数の少ないトレーニングが苦手なんです。8~12回が多いと言ったのも、BIG3以外の種目が苦手と言いますか…、自分自身トレーニングとして成立しているかが分からないんです。また、デメリットは、インターバルが長くなるのでどうしてもトレーニング時間が長くなってしまうところです。
私がボディビルをやっている理由は、大学1年生のときに大学生連盟主催の学生ボディビル選手権を観て、カッコいいと思い出たことが始まりでした。そこからパワーリフティングと並行してボディビルにのめり込みました。ボディビルは3年生から出始め初戦で準優勝になることができ、そこから魅了され大会にはほぼ毎年出場しています。また、現在はクラシックフィジークにも出ていて、細くシェイプされたウエストに発達した脚を魅せれるのがカッコいいと思い、自分の理想に合っていると思いました。クラシックフィジークではありがたいことに、昨年は兵庫オープンでクラス優勝させていただいて、ジャパンオープン選手権もクラス優勝することができました。今年はジャパンオープン選手権や、JBBF主催のクラシックフィジーク選手権に出場したいと考えています。ボディビルはまだまだレベルアップの段階なので、まずはブロック大会で優勝して、いつしかJBBF主催大会の日本クラス別や日本選手権に行ければと思います。

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