12月10日(日)に開催されたゴールドジムJAPAN CUP・ボディビル70㎏以下級で優勝に輝いた水沢充裕(みずさわ・みゆう/22)選手。社会人1年目でボディビルと仕事との両立に苦戦しながらも、ほぼ毎日トレーニングに励み身体を進化させてきた。睡眠時間が多くとれない中でも、トレーニングの質が向上した方法とは?
【写真】水沢充裕選手の深いカットの入った脚と背中のゴツゴツ感
高校時代ラグビー部に所属しており、ラグビーの補強でトレーニングを始めた水沢選手。大学1年生のときにボディビル部に所属し、本格的なトレーニングを始める。そして、初出場の2020年湘南オープン男子ボディビル・チャレンジクラスで見事優勝。
「コロナ禍で大会がなくなってしまい、数少なく開催された大会が湘南オープンでした。きっかけはボディビル部に所属しているのもあり、早く大会に出たいと思ったからです」
水沢選手のトレーニングは週6〜7日、1回2時間ほど行っており、現在の分割は5分割(胸、背中、肩、腕、脚)。オフは疲労を感じたところで入れているという。
「あまり考えすぎず全力を出すようにトレーニングをしています。トレーニングの熟練度を上げるためにも3セットで終わらせず5セットやったり、1セット1セット発見を見つけるようにしています」
今年は前大会でご自身の課題であった大胸筋のサイズアップに努めていた水沢選手。
「特にダブルバイを取ったとき、胸が伸び上がり薄くなってしまうのとラットスプレッドで平たくなってしまうからです。今年は胸の種目を7種目ほど行い、ボリュームを上げ、熟練度を上げることに意識しました。結果、わずかですが上部からの厚みが出た気がします」
水沢選手の深いカットの入った太い脚はどのようにしてつくりあげたのか。
「脚が凄いとよく言われますが、自分ではそこまで凄いとは思いません(笑)。自分の脚をつくりあげたのは、スクワットとエクステンションだと思っています。スクワットでは高重量を5回狙い。エクステンションでは大腿直筋が効く範囲での高重量を15回狙いでやりました」
「社会人1年目で仕事とボディビルの両立は大変でした」と語る水沢選手。睡眠時間が削れる中でも、トレーニングの質向上の発見があったという。
「朝5時に起きてトレーニングを終わらせて仕事に行き、夜寝るのは24時とかでした。しかし、睡眠時間を削ってでも毎晩20〜30分のストレッチを行いました。すると朝の寝起きもよく,特にトレーニングの質も上がり、ケガもしにくくなりました。少量の睡眠時間でも前日のストレッチを行うことの重要性を発見できました」
「自分の職場は定時でしっかり帰れて、残業も全くなくストレスフリーで働けています。タイムマネジメントが上手くなれば仕事とボディビルの両立はできると考えております」
「食べて絞る」、「たくさん食べてたくさんトレーニングすること」が今回の減量中、特に重要だと感じたという。
「1日5〜6食で減量初期は3500kcal、終盤は2500kcalでした。食事はなるべく固形物から摂取。炭水化物はお米。タンパク質は卵、鶏肉,納豆。脂質は卵,納豆。シンプルですが量の調整がしやすかったです」
今大会を終え、優勝の嬉しさとともに課題も見つかったという水沢選手。
「今回優勝できたことはとても嬉しかったです。しかし納得のいく身体ではありませんでした。仕上がりは良かったものの、筋肉量ではまだまだでした。もっと理想のボディビルダーになるには程遠いと感じましたが、同時に目標を持てていいメンタルでオフに入れています」
今大会の課題を踏まえ、さらに進化を見せる水沢選手の次の目標は?
「2024年日本ジュニア男子ボディビル選手権大会70㎏以下級で優勝することです」
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取材:FITNESS LOVE編集部 撮影:中島康介