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筋肥大をかなえる3つのメカニズム

「筋肥大には3つのメカニズムがある」それが、多くの専門家たちの共通認識だ。3つのメカニズムとは、メカニカルテンション、メタボリックストレス、そしてマッスルダメージである。

文:William Litz 翻訳:ゴンズプロダクション

「筋肥大には3つのメカニズムがある」それが、多くの専門家たちの共通認識だ。3つのメカニズムとは、メカニカルテンション、メタボリックストレス、そしてマッスルダメージである。

【メカニカルテンションとは】

これは、筋肉に生じる張力の大きさを意味している。大きなメカニカルテンションを与えるには、高重量を使い、負荷を少しずつ増やしていくやり方が適している。また、フルレンジでの動作を行うことで、より大きなメカニカルテンションを筋肉にもたらすことができる。高重量を保持し、対象筋を緊張させた状態で保持するアイソメトリックホールドは、動きがないので関節への負担を最小限にとどめるという利点はある。しかし、対象筋により大きな張力を生み出すにはフルレンジで動かす必要があるのだ。

あのロニー・コールマンはこう語っていた。
「みんなボディビルダーになりたいと思っているけれど、超高重量でのリフティングはしたがらない」と。

ロニーのトレーニングシーンを映像で見たことがある人なら、あれこそが筋肉にメカニカルテンションをもたらすやり方なのだと納得がいくはずだ。ただし、実力以上の重量は決して扱わないこと。1レップもできないような高重量は無用なのだ。ちなみに複数の研究で、1RM(1回できる最高重量)の90%以下の重量で対象筋を刺激するのが、メカニカルテンションを生むのに最適であることが示されている。セット間の休憩は2、3分を目安にし、セットごとのレップ数は3~7レップと少なめだ。

【メタボリックストレスとは】

メタボリックストレスは、筋中の代謝物質を活性化するための刺激だ。そのメカニズムは以下のとおりだ。

高回数のセットをテンポよく行うと、筋中に流れ込む血流量が増える。筋中の血液量が増すと、そこで閉塞状態が作られる。つまり、大量の血液が筋中に閉じ込められ、対象筋は破裂せんばかりのパンプアップした状態になる。しかし、血液が閉じ込められている状態なので、血中に溶け込んでいた酸素や栄養物質はやがて枯渇する。そのうち乳酸などの代謝物質が蓄積していき、焼けるようなバーンが感じられるようになる。この時点でメタボリックストレスが起きるのだ。このストレスは体内のアナボリックホルモンの放出を刺激するため、筋発達のスピードを加速させることが可能になる。

このメタボリックストレスを活用するなら、対象筋のパンプをできるだけ強めるやり方でワークアウトを行うことだ。BFR(血流を制限するトレーニング)は、まさにメタボリックストレスを高めるために役立つトレーニング法だ。短時間で確実にパンプが得られるので、機会があれば試してみるといいだろう。もちろん、BFR法を使わなくても、セット間の休憩時間を最小限にとどめ(1分以内)、1セットで行うレップ数は12レップ以上にする。そして、筋緊張を常に維持しながら行えば強いパンプを生み出すことができ、メタボリックストレスの効果を得ることができる。

【マッスルダメージとは】

マッスルダメージは筋発達に不可欠なダメージで、そのためには、スローテンポのネガティブ動作(ウエイトを下ろす動作)や、対象筋を引き伸ばすストレッチ動作などが効果的だ。たとえばゆっくりしたスピードで5~7レップのネガティブレップを行うと、対象筋のダメージ率が上昇する。また、研究によると、このような動きは対象筋へのダメージが大きいため、修復のためにより多くのカロリーが必要になることが示されている。そのため、筋発達の過程で体脂肪の燃焼も期待できる。

マッスルダメージをしっかり得るためには、選択した種目でウエイトを下ろす動作をゆっくりと行い、上げる動作は瞬発的に行うようにする。こうすることで対象筋が受けるダメージはとても大きくなる。ただし、このやり方で行うなら、使用重量はいつもより軽くする必要がある。それでも、目的はマッスルダメージを得るためであり、高重量を扱うことではないということを忘れないように。目的を明確にし、マッスルダメージを確実に得るようにしよう。

もちろん、パートナーがいればネガティブレップだけのセットを行うこともできる。その場合でも、ウエイトを下ろす動作をゆっくり行うこと。また、パートナーに手伝ってもらいながらネガティブオンリーのセットを行うなら、使用重量はいつもより重くすること。下ろす動作は、上げる動作よりもより強い力が出せるからだ。ウエイトを持ち上げる動作はパートナーにやってもらえるので、トレーニーは下ろす動作がギリギリ行える重量を選択することができるのである。

セット間の休憩は1分、行うセット数は少なめにする。筋肉へのダメージが非常に大きいので、量を増やしすぎるとオーバートレーニングに陥る危険性が高まる。目安としては、各部位を週2回の頻度でワークアウトするなら、ネガティブオンリーのセットは1、2セットで十分だ。週1回の頻度なら2、3セットを試してみよう。セットごとに行うレップ数は8~10レップが適している。

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