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日本のビキニ絶対女王が世界の壁をぶち破り見たのは、筋肉だけじゃない美しさの総合力で闘う舞台だった

11月3(水)~8日(月)、スペインのサンタ・スサンナでボディビルとフィットネスの世界大会『IFBB WORLD CAMPIONSHIPS(国際ボディビル連盟主催世界選手権大会)』が開催され、日本からは13人の選手が出場した。昨年は新型コロナウィルスの世界的感染拡大により、国内外の大会は軒並み中止を余儀なくされ今年も世界大会の開催が危ぶまれたが、徹底した感染症対策と、渡航する選手にはワクチン接種の徹底と隔離期間を設けるなどして開催できるまでに至った。今回も日本選手が活躍を見せ、さらには2人がカテゴリー優勝という快挙を成し遂げてきた。また、2年ぶりの世界大会となり、以前に増して世界の選手もレベルアップしてきていたが、その中でも“日本人”が勝てる、上位に行ける理由を、出場した選手たちは明確に分かったという。本記事で今回取材をしたのは、世界大会に6度出場し、今大会ビキニマスターズ35-39歳164㎝超級2位という好成績を収めた安井友梨選手だ。

取材:FITNESS LOVE編集部 写真:中島康介(国内大会写真)

▶日本チャンピオン・安井友梨選手が魅せる絶対女王の究極ボディ(国内大会時)

◆世界選手権に出場するにあたり、苦労したこと(減量、隔離期間中、渡航した後に行った最終調整など)

このような大変な時期に、会社に無理を言って、世界選手権に挑戦してよいものか非常に苦渋の決断となりました。今年はコロナ禍により全カテゴリー同時開催のため、開催日程が長く10日間の現地滞在、帰国してからの10日間の隔離生活となり、出場となれば仕事を長期間離れることを余儀なくされることがわかりました。このような厳しい状況の中でしたので、会社から今回の世界選手権出場の許可はもらうことができないと覚悟しておりましたが、私のビキニフィットネス競技に対する姿勢や思いを理解し前例がない形で、出場させて頂くことができました。コロナ禍での特別な対応を求められる職場において、上司や同僚のありえないほどの手厚いサポートがなかったならば、出場は到底叶いませんでしたので、本当に心より感謝しております。

◆2年ぶりとなった世界選手権のステージの感想

世界一をひたすら目指して、今回で世界選手権6回目の挑戦になります。何回も出場してきたはずのステージでしたが、今年は今までとはまったく違う感覚がありました。それは、審査員のみなさんがステージ上の私のことを日本の大会以上かと思うほどに見てくれているという印象がありました。ヨーロッパ各地で行われる数々の大会で、審査員は各カテゴリーのトップ選手の顔ぶれを覚えています。その中に見たこともない“アジアの無名選手”である私がまるでトップ選手かのように意外に目立ったので、「あの選手は、誰だ?」となったのかもしれません。ステージ上で、私も審査員によく見てもらえているということがわかりましたので、「これはもしかすると上位に行けるかもしれない」と自信がわいてきました。この自信によって、緊張感が解け、いつも以上にステージが楽しくなり練習してきた通りのポージングをとることができました。その結果、世界2位という結果を頂けたのだと思います。

◆大会が終わった今の気持ち

皆さまの応援のおかげを持ちまして、ビキニフィットネス世界一本格挑戦への記念すべき第一歩をスペインで踏み出すことができました。今シーズンは、8月8日のジャパンオープン出場から始まり、オールジャパン6連覇、グランドチャンピオンシップス2連覇、そして、世界選手権35-39歳クラス準優勝いたしまして、国内外含めまして4大会出場させて頂きました。ひたすら世界一を目指し、大会出場を重ねる中、体のコンディション、モチベーション共に、世界選手権に向かい、確実に高めて行くことができました。皆さまと一緒に進んできたこれまでの道のりを思い返すだけで、どうしようもないほど涙が溢れてきます。

あたたかい応援、本当に本当にありがとうございます。今の私には、皆さまへの感謝の気持ちが大きすぎて、”ありがとうございます”以上に、しっかりとお伝えする術もございません。皆さまのお支えのおかげで、37歳になった今も、まだまだ”昨日の自分超え”を続け、必ず世界一へと進化していけると確信いたしました。今年の大会シーズンはこれで終わりますが、世界選手権終了後、来年の世界選手権を見据え、私自身、すでに再び歩み始めております。自分を信じ、昨日より前に進むことをあきらめず、ただ挑戦を続ければ、必ずどんな不可能なことも可能になる。たとえ1000回失敗しても、私がやるべきはただ一つ、『小石につまずいただけ』と、もう一度立ち上がって1001回目の挑戦をするだけ。あきらめず、ここからもう一度『自分と未来は、変えられる』ことを、私と一緒に証明して頂けませんか。ここからの『ビキニフィットネス”世界一への道"』どうぞ応援よろしくお願い致します。

◆世界選手権に出場してみて、海外の選手との間に感じた違いとは

世界のトップ選手たちを目の前にし、圧倒的に美しさに対する欲求度の違いを感じました。ビキニフィットネスという競技は、頭のてっぺんからつま先までの“女性らしい美のトータルパッケージ”を競う競技ですが、筋肉、体やポージング以外の全てにおける「美の追求」が日本はかなり遅れていると思います。ポージングやボディメイクにおいては、日本人選手も世界の基準にかなり近づいています。しかし、それ以外の美の要素が、圧倒的に足りていないという印象を強く受けました。

世界の選手と並び、見えてきた課題

ポージングやボディメイク以外の美の要素を高める必要性を特に感じています。メイクやヘアスタイルもそれに含まれます。ビキニを着てヒールを履いてステージに上がった途端にスイッチを切り替えたかのように、女性らしい美しさを表現しようとしても、それではうまくいきません。ヨーロッパのトップ選手は、いつも女性らしさ、美しさを意識した生活をしているからこそ、ステージ上で、女性である私たちをも魅了するあふれんばかりの美しさを放つことができます。ジムや鏡の前でのポージング練習のときだけ、ビキニ選手をやっているだけでは、ヨーロッパのトップ選手には勝てません。ステージ上で輝くには、日頃から、スニーカーを脱いでヒールに履き替えることも大切です。

日常生活の中で、どれだけ女性らしい美を意識し、そして女性としての自分磨きができるかがこれからの課題です。世界のトップ選手とステージに立たせてもらい、今回世界一にはなれませんでしたが審査結果は1点差の2位までなることができました。今回、もし世界一になれていたら、来年へのモチベーションを見失っていたかもしれません。そういった意味では、世界一が目の前にある2位という結果は来年への最高のモチベーションとなりました。

世界選手権に行かせて頂いて、あらためて、日本に生まれ育ったことに感謝し、私が“日本人”であることを心の底から誇りに思いました。日本代表にならせて頂いたことの栄誉、それと同時に『日の丸』を背負うことの重みを感じました。だから、”日本人”としての誇りを胸に、これからもひたすら世界一を目指していきたいと思っています。もう一度、“チームジャパン”として“日の丸”を背負い世界選手権に出場して、なんとしても『日本人だからできないんじゃない、“日本人だからできる”』とステージで証明したいです。2019年7月アジア選手権に優勝し、中国ハルビンの表彰式で聴いた「君が代」、あの感動を今も忘れることはできません。

来年の世界選手権で日本代表として「君が代」を聴けるように、『“一日一生”』の気持ちで、皆さまへの感謝を胸に立ち止まることなく進んでまいりますので、これからも応援どうぞよろしくお願いいたします。

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